【日本舞踊】長唄「正札付」 五郎:坂東扇輔(扇菊門下)舞鶴:坂東扇菊
この踊りは、文化十一年(1814)正月、江戸守田座で『双蝶々仮粧曽我』の劇中舞踊として初演されました。 『正札附根元草摺』では、工藤左衛門祐経に父を討たれた曽我五郎が、その仇を討つため鎧を手に、工藤の館へ向かおうとするところを、小林朝比奈の妹の舞鶴に止められてしまいます。 初演時には、立役の小林朝比奈でしたが、近年では、今回のように朝比奈の妹、舞鶴が相手をつとめることが多いようです。 長唄の詞章も曲輪の遊女の恋模様を描いて艶っぽいため、舞鶴が相手の方がしっくりいくようにも思われます。 「正札付」とは本物の男伊達の人物を表しているようです。 荒事の趣向で、古風で大らかな味わいの踊りです。 五郎:坂東扇輔(扇菊門下) 舞鶴:坂東扇菊