goo blog サービス終了のお知らせ 

ばくっちの巣穴 ドット blog

熱しやすく冷めやすい。新しもの好き、ばくっち

長屋紳士録

2006-05-04 | 映写室
早速見た。飯田蝶子&青木放屁サイコー!
舞台は戦後のゴタゴタの中にあった長屋。易者の田代(笠智衆)が親とはぐれた男の子(青木)を拾ってきて一人暮らしの"かあやん"こと、おたね(飯田)に押し付けたことから、おたねと男の子の同居が始まる。最初は超~迷惑がっていたおたねも段々と情が移り、1週間後には養子にしてもいいとまで思うのだが・・。(情と一緒にノミ?も移ったらしく、二人して背中をモソモソさせるのがおかしい。)
とにかく細かい動きやセリフまで全篇ユーモアに包まれてます。それにナレーションや派手な演出は皆無、テンポも退屈なくらいのんびりだけど、それでいて人の心の動きや、戦後の過酷な状況もしっかり分かる。そして最後の最後で感動させる。小津作品の中でもあんまり有名ではないし、1時間ちょっとの小品だけど、大好きな1本。笠智衆の「のぞきからくり」の口上、友達に「土佐+ブル」と言われてしまった飯田蝶子の怒り顔、必見です。
今回の発見・・笠智衆、イチローかと思った!!

二本立て

2006-05-02 | 映写室
本日映画デー。会社帰りに「THE有頂天ホテル」→「三丁目の夕日」の二本立てを観て帰る。
「有頂天」はどっぷり三谷ワールドだった!同時多発的障害と居合わせた大勢の個性的キャラ。清濁合わせ飲みながらプロジェクトが進んでいくというお得意のシチュエーションながら、全てのエピソードが必ずどこかで繋がっている面白さ。この緻密なストーリーのために裏でどんな設計図を書いてるのかなあ。それに1度観ただけでは分からないこだわりのシーンもたくさん詰まっていそう。ビデオでもまたじっくり観るべし。こんなに知的でオタクでサービス精神旺盛な脚本家が日本にいて良かった!!
三丁目は…まあオーソドックスな作り。でも無理に風景を作ってる感も有り。今は古びて見える物も最初はピカピカだったはずなんだ。なのに最初から古びた感じが出ちゃってる、その辺の違和感かも。ストーリーもそれなりにはできていて、私も涙したシーンもあったけど…分かりやすく脚色したぶん「1回見ればいいや」的な安っぽさになっちゃったかも。勿体ない!でも堤真一は良かった。原作は漫画だけど、映画としての話のベースになってる(と思われる)のは小津安二郎の「長屋紳士録」。あれは…クスクスわらってるうちに最後にグっとくる「ドラえもん」的なところがあって、派手な演出は無いし結末も知ってるのに何度でも見たくなる。あー、連休で見直そう、長屋。
でなんだっけ、あ、そうそう、てなわけで。今日の二本立ては有頂天の一本勝ち~。