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ばくっちの巣穴 ドット blog

熱しやすく冷めやすい。新しもの好き、ばくっち

I love 萬斎

2012-11-07 | 映写室
水曜女子1000円で「のぼうの城」見た。
萬斎よかった!

あらすじは・・・どっかでググって見てくださいな。
たとえば「@ぴあ」とかね。
http://cinema.pia.co.jp/title/154526/
http://www.cinematoday.jp/movie/T0009537

特撮も駆使してスケールの大きい画像だったし、500人で20000人の敵をしのぐというのもおもしろいし、戦国武将の豪胆な戦いぶりもよい。だけど正直言って脚本はぬるい。そもそも原作がぬるいのでそういう意味では原作に忠実。そんな中でもやっぱり萬斎の存在感は群を抜いていた。のぼう様にしてはちょっと頭良さそうだけど、声のよさ、間の取り方のよさ、そしてなんと言っても所作の美しさ。さすが600年続く“元祖・お笑い芸能”の積み重ねを背負ってるだけある(超なで肩だけど)。特に時代劇に出ると、かえって浮くぐらい目立ってしまって、まわりが気の毒になるほど。でもどこか抜けているような気もするし。バタくさいようで、妙にスッキリしていたり。とにかくなんとも言えない不思議な魅力がある。いい意味で浮世離れしている。手酌で飲むシーンの歌もよかった。クレジットで自作って出てた。そしてクライマックスの長い田楽シーンは狂言役者・野村萬斎の真骨頂。舟の上だからグラグラするんだけど、能楽独特の重心の低さでものすごい安定感です。このシーンのためにのぼう様役に抜擢されたとしか思えない。いやー。かっこよかった。さらにナマ尻披露のサービスショットまで!!ありがたやー

丁寧すぎる字幕と、TBS渾身のナレーション(by安住紳一郎)で分かりやすいので、人気出るといいですなあ。でもこれ以上能楽堂に女子が押し掛けてライバルが増えるのも困るにゃー。いや、来ないか…。

熱血指揮者の逆カラオケ

2012-09-23 | 映写室
今日は、ばくっち一家総出で東京国際フォーラムに繰り出し『ウエストサイド物語』シネマティックフルオーケストラコンサート、なるものを見てきました。
デジタル技術で、映画の音のうちオーケストラの演奏部分だけを消して、「オリジナルの画像・歌」と「フルオーケストラ」を組み合わせるという趣向です。演奏は東フィルと熱血指揮者の佐渡裕。この企画なら文句無し、彼以上の適役はないと思われます。

そうはいっても、どんなもんだかな。と思っていたのですが…最初の「Overture♪」(トゥナイト(クインテット)→マリア→マンボ!のメドレー )が、いわゆる「オカズ」のとこまで忠実に再現されていて鳥肌立った。最初の5分で満足して帰ってもいいくらい感動した~。(帰らなかったけど。)
 ⇒「Overture♪」リンク
それでもこのオープニングは静止画だからまだいいけど、本編が始まればジャズを中心に、ラテン、タンゴ、フラメンコなど、多様なジャンルの歌とダンス。フィルムの進行に忠実に歌い踊る2次元のナタリー・ウッドやジョージ・チャキリスに、大勢の生身のオケさんたちがすべてのメロディとリズムをピタリと合わせていく。小気味よく。つまりカラオケの逆です。どうやってるのかなあ、と思って見ていたら、熱血指揮者の譜面台に並んだモニターがあって、映画の画像にメロディの拍に合わせたクリックが出ていて、それに合わせて振っている様子。途中で一瞬ずれたところもあったけど、それが逆に、本当に生演奏がついていっているんだということを証明していた。とにかく職人技でした。いつかシンセの神様・冨田勲が言っていたけれど、30年くらい前まではオーケストラに光のサイン(クリック)に合わせた演奏を頼むとすごーく嫌がられたらしい。時代は流れたんだな。

「アメリカ♪」…音楽的にはもちろん、アメリカの光と影を男女の掛け合いで歌いあげた見事な歌詞という点でも、このミュージカルで一番のナンバーだろうと。常々そう思っていたけれど…まさか生オーケストラの演奏でこのシーンを拝める日が来るとは夢にも思わなかったな。
 ⇒「アメリカ♪」リンク

それからこの上映方式で予想外に良かった点は、1曲終わったところで拍手できるところ。ミュージカル映画は曲の始まりと終わりが恥ずかしくなってしまうことが多くて、特に曲が終わって「イェーイ」的な雰囲気の中で普通の芝居に戻っていく時、なんとも言えない「お寒い」感じが残るんだけど、みんなで拍手することでかき消されるんです。これは新発見。

あとは佐渡氏も相変わらずの熱血ぶりで、これもまた見ごたえ?があった(そもそも体が大きいし…)。ともあれ、なんかいいもの見た秋分の日でした。

スーツの男に弱い

2011-10-02 | 映写室
天気のよい週末だったけど、
体調もいまひとつ、気分もすぐれず
家で古いDVDなど見てすごす。

「サンキュー・スモーキング」で
アーロン・エッカートのスーツ姿に萌えたー。
たばこ研究所の広報部長が、禁煙ブームという逆風の中
鮮やかな話術で人々をケムに巻く?ブラックコメディ。
ロビイストという職業を知ったのもこの映画だったな。

アーロンは、表情豊か(過ぎ)でスカしてて、
いかにもアメリカ人ってかんじなのだけど
ここ5~6年来、なんとなく気に入っている俳優。
主演の最新作は『世界侵略: ロサンゼルス決戦』、
今まさに公開中なのだけど、やたらと撃ちまくる
戦争映画らしいので、なんか足が向かない。
レンタルでいいかな。

明日から10月のはじまり。またがんばろっと。

こんなときこそ

2011-03-20 | 映写室
ここ1週間、東京も揺れています。

本震のときはたまたま自宅にいて、揺れる棚に寄りかかるようにして押さえつつ掴まっていたら、片付け忘れていた雛人形が転がり落ちてきて、頭を直撃。吉兆か、はたまた雛人形の呪いか。(吉兆と見たのは、今のとこ私だけだけど…。)そのほかいろんな物が落ちて、コーヒーサーバーが1つ割れてダメになったけど、身体は大丈夫でした。実家も猫も無事でした。
が、東北は地震と津波と原発のトリプルパンチで大変なことになっている。一日も早く、お腹いっぱい食べて、暖かい部屋で眠ることができるよう、祈るばかりです。こちらにできることは節電くらいだけれど。

そう思うとなんだかこちらも眠られず、夜中はハードディスクに撮りためた映画など見たり。ゆうべは、たまたま再生してしまった「七人の侍」を結局最後まで見たが、出てくる農民たちは、まさに今の私たちの姿だった。ガソリンや米を買い占める人、事実を確かめもせずに我先に逃げ出そうとする人、安全な場所から〔そっちは危ないから逃げなさい〕とイタズラに煽る人…。そんな姿を日々見せつけられて少し心がすさんでいた。

でも勘兵衛は言うのだ。『人を守ってこそ自分も守れる! 己のことばかり考える奴は己をも滅ぼす奴だ!!』

そうだ!いいぞ、勘兵衛!今まで何度も見た映画だけど、このセリフに一番グっと来たのは初めてかも。ひょんなことから武士道?に触れて、思いがけず、ホッとしたのでした。

明日も節電、頑張ろ。

知ってたさ、と言ってくれ!

2010-07-20 | 映写室
先週末からBShiでスターウォーズをやっている。
今夜からはいよいよ旧三部作。
ハリソンフォードのかっこいいこと!
そして明日は、エピソード5、
問題の
「知ってたさ」
のシーンだ。(多分誰も問題にしてないと思うが)

ハン・ソロが冷凍される間際に
レイア姫が「I love you!」
答えて「I know.」
クぅーーーーっ!かっこよすぎでしょ。
これ、最近の字幕では「分かってる」と出るのだが、
確か以前の字幕か吹き替えで「知ってたさ」という
バージョンがあったはず。
「know」だから「分かってる」が正しいんだろうし
明日も多分「分かってる」と言うだろうけど・・、
「知ってたさ」と言ってほしいなあ・・。
なんでだろ。前からずっと分かってたよ、
ってゆう懐の深さみたいなのを感じるからだろか。
あー、明日も楽しみだにゃ~
(別に、ツタヤ行けばいっくらでも貸してくれますけどね)

話は変わって。
夕方、駅前で大勢の人が並んで西の方角を向いて
さかんにケータイのシャッターを切っているので、
何事かと思ったら・・きれいな夕焼けでした。
つられて私も撮っちゃった。
アラジンのランプから煙が出てるみたい。
・・だったのだが、写真見たらそれほどうまく写ってなかった。
でも全体的にきれいなので、UP。


ポニョ・・

2008-10-31 | 映写室
水曜日、女子1000円の映画館で
遅ればせながら「崖の上のポニョ」見ました。
あー。どうなんでしょうか。
愛らしい子供の自然な動きをアニメにする力と、
環境に対するメッセージ性は相変わらずスゴいけど、
ストーリー性は弱くなってる、と感じました。
ポニョの魔法とお父さんの関係、お父さんとソースケが
なんで急に仲直りしたのか?など、物語の重要な
ポイントが分かりづらかった。公開当初話題になっていた
ライトでの通信も面白い場面だったけど、話の筋とは
関係なかったし。テーマ曲がヒットしちゃったので
余計、歌に助けられた感があるのかも。
以前のジブリ映画はお話自体がおもしろくて、
ふと我に返ると「環境って失われちゃってるんだよなあ」
とか。じわじわ効いてくる感じがしたけど、
最近は「キャラ(=商品)+お説教」が前面に出すぎてて、
それがどうも鼻につく。いよいよネタ切れなのかなあ、
と思わずにはいられませんでした。
もっと素直に感動すべきなのかしらん。。

意味求むる勿れ。~スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ

2007-09-17 | 映写室
近所のシネコンで「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」を見る。

イントロでコテコテのセットをバックに、アニメみたいな画像で慎吾ちゃんvsタランティーノの撃ち合い。突然「ハナからタガを外させていただいております。」って名刺出された気がして、あとは・・・ありえない、バカすぎる、好きにして! の三拍子揃った内容だった。
なんで源氏vs平家がパンタロン履いてんのかわかんないし、なんでサブちゃんがコブシで「ジャンゴ~♪」ってシャウトしてんのかわかんないし、そもそもなんで全篇英語なのか?全くもって意味不明。
ていうか意味無いんだこれ。面白きゃー何でもアリなんだ。

マカロニ・ウエスタンとはこのようなものであったか。
そして、やっぱりクロサワなのか。
どんな映画人も「用心棒」と「七人の侍」からは逃れられないんだなあ。

ケチケチするな、どんどんブチ込め!~椿三十郎

2007-05-06 | 映写室
いやはや、連休も最終日。休みの4日なんてあっという間だ。
(仕事の4日だって同じだと思うが。)

お正月の「用心棒」に続いて「椿三十郎」を見た。
「用心棒」のやくざの喧嘩を、とあるお城の内紛に置き換えた
続編、のような、同じキャラが出ている別の話のような。。
殺陣と、かのラストシーンが派手だけど、内容は若干薄まった
ような気がする。
前作では三十郎の「じゃあ叩っ斬られても文句はねぇな」
という一言に裏打ちされた殺人?だったのに対して、
今回は・・突如人助けを買って出て、斬りまくってる感がある。
だから、奥方に「手荒なことはいけませんよ」と言わせて
バランスを保ってるんだとは思いますが。
でもそれを除けば、ストーリーは山あり谷ありで面白いし、
至るところにコメディがちりばめられているし、
とにかく脚本がよくできているなあ。と思う。
縛られた三十郎に騙されて、合図の椿を自ら遣り水に
流して攻め込まれてしまう敵役の皮肉。
大量の椿の花が流れてきたのを確認して慌しく出て行く
侍たちと、その脇で「まあ、きれいだこと・・」と
花に見とれる奥方様のコントラスト。
終盤、城代家老役の伊藤雄之助が、たったワンシーンで
全てをさらっていくのもすごい。「乗った人より、馬は丸顔・・」
97分とコンパクトながら、傑作時代劇です。
曲もせりふも「用心棒」のパロディになっている部分が
多いから、セットで見るのがおススメ。

ところで近々、織田裕二の主演でリメイクされるそうだ。
配役を比較して・・織田裕二にあの圧倒的な存在感が
出せるのか、中村玉緒にあの入江たか子の品が
出せるのか・・ちと心配。。(両方とも超重要キャラだ。)
もっとも台本は黒澤版と全く同じにして、シチュエーション
だけを変える方法らしいので、新すぃ~三十郎に期待。

※今回の新発見。
私の大好き映画「ピアノ・レッスン」のワンシーン
(母と娘が首を傾げて粗野な男を眺めるシーン)は
「椿三十郎」へのオマージュだった!(ほんと?)