池袋新文芸座「追悼・岡本喜八監督の軌跡」特集(5/21~6/10迄)最終日。
終戦後の九州を舞台に、対立するヤクザが抗争の決着を野球でつけようとする破天荒任侠映画(1978)主演が菅原文太でタイトルが「ダイナマイトどんどん」!
勝手に"逆境ナイン"とか"アストロ球団"とか、野球の試合中にダイナマイトがどっかんどっかんなっている絵を想像してしまっていた。
岡本喜八監督作品では、その映画のほとんどにダイナマイト爆破シーンが出て来る。それを存分に見せられるのかと思ったが、この映画では、今までで一番まともな理由でダイナマイトをまともに使用していた。
映画の中の野球は期待や想像よりは大分まともな試合風景だったが、さすがにダイナマイトは使わないまでも、腕やすねには鉄板を仕込み、スパイクの歯は当然ヤスリで削り、バットは鉛を仕込んだり、特製日本刀仕様と、思いつく限りの手段を使ってヤクザ野球を面白おかしく見せてくれる。落とし前につめた指の為に投げられるようになった魔球とか!
抗争に手を焼いた小倉警察署長が、ヤクザ抗争を民主的に解決するために野球大会を提案するという設定は面白いのだが、決まるまでの所を観たかったのと、宮下順子と菅原文太、北大路欣也の三角関係の辺りがどうにも野暮ったく時間の無駄のよう。今まで観てきた作品がみなとてもテンポ良く、リズミカルで無駄なシーン一切なしという印象だったので、余計に長く感じてしまう。
脚本が岡本喜八監督ではなく井出雅人と古田求の共同執筆なのでそのせいかと思った。
艶っぽいシーンも、宮下順子が出て来ると興醒め。
北大路欣也も身体だけ立派で、いつも同じ顔。
俄然菅原文太の格好良さだけが印象に残る。
着物の胸元をぐっとはだけて歩く姿の粋な事。
殴り込みに行く前に身体を清める、ふんどしと全身の入れ墨姿のいなせな事!
そして死に装束にと、ナフタリンだらけの桐の箪笥から取り出した凄い匂いのかすりの着物。最高におかしくて格好が良い。
ヤクザと民主的な野球。その設定の面白さと、当たり前のように乱闘になる試合中のドタバタぶりを楽しんだ。
野球をそんなに知らない人も充分楽しめると思う。
野球好きならもっと楽しめる。
ボールを取ったら取りあえずそれで殴る。馬乗りになって何度も殴る。
それでセーフとかアウトとかやっているので本当におかしくなる。
菅原文太の岡源組の親分を演じる嵐寛寿郎が素晴らしく面白い!
あの顔と、普通に話せるくせにいちいち周りの者に通訳させる所とか、もうおかしくて! 勝手に組の縄張りを賭けてしまい皆に非難され、小刀で切腹しようとするシーンは最高!
敵対する橋伝組の組長金子信雄、岸田森も憎めない悪役で楽しい。
他にも田中邦衛、丹古母鬼馬二、ケーシー高峰、フランキー堺など良い面構えの脇役陣が映画を彩る。
九州弁のせいかセリフがよくわからない事が度々あったが、そのパワーとエネルギーに圧倒される。馬鹿馬鹿しくて面白い!
「どぶ鼠作戦」の記事
「ああ爆弾」の記事
「殺人狂時代」の記事
「月給泥棒」の記事
「江分利満氏の優雅な生活」の記事
「どぶ鼠作戦」の元シリーズ「独立愚連隊」「独立愚連隊西へ」の記事
終戦後の九州を舞台に、対立するヤクザが抗争の決着を野球でつけようとする破天荒任侠映画(1978)主演が菅原文太でタイトルが「ダイナマイトどんどん」!

岡本喜八監督作品では、その映画のほとんどにダイナマイト爆破シーンが出て来る。それを存分に見せられるのかと思ったが、この映画では、今までで一番まともな理由でダイナマイトをまともに使用していた。
映画の中の野球は期待や想像よりは大分まともな試合風景だったが、さすがにダイナマイトは使わないまでも、腕やすねには鉄板を仕込み、スパイクの歯は当然ヤスリで削り、バットは鉛を仕込んだり、特製日本刀仕様と、思いつく限りの手段を使ってヤクザ野球を面白おかしく見せてくれる。落とし前につめた指の為に投げられるようになった魔球とか!
抗争に手を焼いた小倉警察署長が、ヤクザ抗争を民主的に解決するために野球大会を提案するという設定は面白いのだが、決まるまでの所を観たかったのと、宮下順子と菅原文太、北大路欣也の三角関係の辺りがどうにも野暮ったく時間の無駄のよう。今まで観てきた作品がみなとてもテンポ良く、リズミカルで無駄なシーン一切なしという印象だったので、余計に長く感じてしまう。
脚本が岡本喜八監督ではなく井出雅人と古田求の共同執筆なのでそのせいかと思った。
艶っぽいシーンも、宮下順子が出て来ると興醒め。
北大路欣也も身体だけ立派で、いつも同じ顔。
俄然菅原文太の格好良さだけが印象に残る。
着物の胸元をぐっとはだけて歩く姿の粋な事。
殴り込みに行く前に身体を清める、ふんどしと全身の入れ墨姿のいなせな事!
そして死に装束にと、ナフタリンだらけの桐の箪笥から取り出した凄い匂いのかすりの着物。最高におかしくて格好が良い。
ヤクザと民主的な野球。その設定の面白さと、当たり前のように乱闘になる試合中のドタバタぶりを楽しんだ。
野球をそんなに知らない人も充分楽しめると思う。
野球好きならもっと楽しめる。
ボールを取ったら取りあえずそれで殴る。馬乗りになって何度も殴る。
それでセーフとかアウトとかやっているので本当におかしくなる。
菅原文太の岡源組の親分を演じる嵐寛寿郎が素晴らしく面白い!
あの顔と、普通に話せるくせにいちいち周りの者に通訳させる所とか、もうおかしくて! 勝手に組の縄張りを賭けてしまい皆に非難され、小刀で切腹しようとするシーンは最高!
敵対する橋伝組の組長金子信雄、岸田森も憎めない悪役で楽しい。
他にも田中邦衛、丹古母鬼馬二、ケーシー高峰、フランキー堺など良い面構えの脇役陣が映画を彩る。
九州弁のせいかセリフがよくわからない事が度々あったが、そのパワーとエネルギーに圧倒される。馬鹿馬鹿しくて面白い!












しかしそのポスターは格好いいですなあ。いかにも昔の映画のポスターって感じで。劇場で撮ったのでしょうか?
ちなみにウチは「県警対組織暴力」のポスター貼ってます。こちらも文太です。
劇場外だったので綺麗なケース入りでした。
ちょっと光が入ってしまいました。
劇場内は次回からの特集の美空ひばり映画のポスターだらけになっていました。
地獄甲子園を入れるの忘れていました!
確かに喜八作品は早すぎた感がありますね。
また遊びに来て下さいね!