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「独立愚連隊」「独立愚連隊西へ」

2005-05-22 | 日本映画
池袋新文芸座「追悼・岡本喜八監督の軌跡」特集で、「独立愚連隊」(1959年)、「独立愚連隊西へ」(1960年)を観る。
岡本喜八監督は、喜劇を中心に娯楽映画を撮り続けてきた。59年、戦争の愚かしさを西部劇風アクションで喜劇に仕立てた「独立愚連隊」が大ヒット。終戦時期の青年をコミカルに描いた「肉弾」(68年)、奇想天外なコメディー「大誘拐」(91年)など、数々の娯楽映画の名作を生み出し、その笑いの裏には「戦争」という重いテーマが沈んでいた。

第二次大戦も末期、北支戦線の山岳地帯で敵と対峙している日本軍に、各隊のクズばかり集めて作った警備隊で、独立愚連隊と呼ばれる小哨隊があった。そこへ新聞記者が現れ、戦争の最中に起こった心中事件の真相を調べ始める。
「独立愚連隊」では、戦時中の、それも最前線で敵に囲まれた状況とは思えない程の軍人達の乗りの軽さ、コメディタッチに初めから戸惑ったが、実際極限状態にあればこそ、しかもそれが長く続けば続くほど、人はユーモアを必要とせずにはいられなくなるのかもしれないと段々と思うようになった。
「花札に明日の命を賭ける地獄の守備隊!」のキャッチコピーの通り、とにかく何でも賭けの種にする二人。
この二人がそのまま「「独立愚連隊西へ」(1960年)」へ出てきた時はシリーズ物の楽しさ、醍醐味を感じた。
初めは、セリフが古いというかキザというか、おでこの前で片手をイヨッとする挨拶にも気恥ずかしさを感じて観ていたけれど、これって軍人の敬礼崩れの仕草なのだろうか。二本続けて見終わる頃にはすっかりこの仕草に慣れてしまった。
「独立愚連隊」で主演を演じた佐藤允は、とにかく顔が強烈で、ハーフなのか? と思うほど濃い、変わった顔をしている。映画が始まってからずっと、誰かに似ている! と思って考えていて、まず、"レオナルド・ディカプリオ"!?と思って、いや、違う。"諸星和己"だ! と思ったのも束の間、もっと似ている人がいた! "牧瀬里穂"だ!! なんて事を考えていた。
今でこそハーフっぽい顔だちでキュートとか、ファニーフェイスの魅力で主役も当然と思うけれど、「当時は所謂二枚目、美男美女しか役者になれなかった、ならなかった」「まこちゃん(佐藤允)が主役をやるというのは凄い事」(「独立愚連隊西へ」出演の久保明さん談)だったらしい。ポスター→を見て、初めマーク・ウォールバーグかと思ったが、案外マーク・ウォールバーグの方がスッキリ顔だった。猿メイクのティム・ロスの方が近いかも? どちらにしても猿顔という事か。
見終わってからもまだ、誰かそっくりな人がいるような気がしてずっと腑に落ちないでいる。この人! という心当たりのある方はコメント下さい。
佐藤允は、そうやって顔にばかり目が行ってしまうので、「独立愚連隊西へ」の様に、いつも脇にいるやんちゃな役の方がその魅力を存分に活かせるように思う。

「独立愚連隊」のジャンルが“西部劇”! となっている事にも驚いた。
岡本喜八監督は、所謂戦争映画と一線を画した、 ”西部劇風コメディ戦争映画”を作りあげるために、主役をあえて佐藤允にしたのではと思った。
続編「独立愚連隊西へ」の主演は加山雄三。
朴訥でひょうひょうとしたセリフまわしが、誰かと似ているなあと思った。長島一茂? そういう悩みのない(ように見える)
おぼっちゃま風情が漂うが、自分の信じる正しい道を行き、部下に慕われる上官役を熱演していた。
加山雄三と言えば海の若大将のイメージしかなかったので、戦争映画に出ている若かりし頃の映像はとても意外で面白かった。
「独立愚連隊西へ」の画像が全くないので、写真↑は岡本喜八監督1962年の作品「どぶ鼠作戦」(共演は「独立愚連隊西へ」と同じく佐藤允、夏木陽介)から。
早川役の中谷一郎、神谷役の堺左千夫がとても良くて、輝いていた。
いかにもまた続編が作られそうな終わり方だったけれど、その後続編は作られなかったらしい。

二本の映画の中でとても印象的だったのは、夜の闇の中に敵が攻め入ってくるシーン。
直接的な戦いの場面が少ない代わりに、ただ軍勢の波を上から捉えているシーンが何度かある。エキストラ300名が参加したシーンで、ただザザーっと人の群れが蠢いているだけなのだけれど、何とも言えない恐ろしさを感じた。
そして、夜の闇の中の死体の群れを上から引いた画が、そのまま明るくなり朝になる、そのシーンは一体どうやって撮ったのか? 不思議になる位自然な繋がりで驚いた。死体役の人達、明るくなるまでそのまま寝ていたのかな??

CGのない時代の映画は、端々にまで本物のリアリティと手作り感があって、その迫力と人の温もりを感じる事が出来て、今の映画には観る事の出来ない充実感を観た後に感じさせてくれる。

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6 コメント

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TBありがとうございました。 (珍スポ大百科)
2005-05-24 10:35:57
いいですねー文芸座。遠くてなかなか行けないのですが。京橋のフィルムセンターや阿佐ヶ谷ラピュタも大好きです。私、今村昌平監督作品(特にモノクロ作品)ファンで、(Myブログ参照「過去は日本映画に学べ。今村昌平監督の話http://chindera.exblog.jp/1584705/

見つけたら行ってます。もし見つけたら教えてください・・・。(図々しくてすみません)  未見ですが「どぶ鼠作戦」という作品がちょっと「~愚連隊」の続編っぽいという話です。  また伺うかもしれません。宜しくお願いいたします。
珍スポ大百科さま (bakabros)
2005-05-24 13:34:35


今村昌平監督作品、見つけたらお知らせしますね!

「どぶ鼠作戦」見に行く予定でいます。

こちらもまた珍スポの方へお邪魔したいと思います。

今後ともよろしくお願いいたします。
TB返し (sibaken)
2005-06-12 02:13:48
こんにちは。

こちらからもTBさせていただきました。

「西へ」の加山雄三はよかったですね。

ちょっと軟派で甘い顔立ちが、平田昭彦の

融通のきかない上官と対比されて、イメージ

ばっちりでした。

それでは、今後ともよろしくお願いします。
sibakenさま (bakabros)
2005-06-12 14:25:44
こんにちは!TB,コメントありがとうございます!



加山雄三や中谷一郎、黒沢年男とか天本英世とか、今しか知らない俳優達の若かりし頃、全く違う印象を観られるのが楽しいです。

すっかり日本映画というか喜八映画の魅力にはまりました。



半分も観られなかったので、また上映やTV放映されたら是非観たいと思っています。

普段は洋画の方が多いと思いますが、お暇な時にでも寄って下さいね。これからはスター・ウォーズネタが増えると思います!
佐藤允氏に似ている人 (daibutu2005(珍スポ大百科ブログ))
2005-06-27 11:24:56
またお邪魔します。

SW記事楽しく拝見しております。

リンクさせてもらっています。

http://daibutu2005.ameblo.jp/category-a59d7ac1244e3ba270a62b9022b4b8b3.html



さて、今さらなのですが佐藤允氏に似ている人とは、名優・加藤武氏ではないでしょうか。

若き日のお2人の姿、よく間違えてしまいます。

「隠し砦の三悪人」で共演しています。

あと、チャールズ・ブロンソンも同系列の顔といえるかもしれませんね。

あんな顔立ちの若者、昨今みかけない気がします。

リンクありがとうございます! (bakabros)
2005-06-28 01:26:34
daibutu2005(珍スポ大百科ブログ)さま



SWネタでのリンク感謝です!

そして、佐藤允氏似人物の問いにお答え頂いて嬉しいです!



加藤武氏、確かに面影似てますねー。

今、加藤氏のお若い頃のお顔が思い出せなくて悶々としています。



チャールズ・ブロンソンも並びますね。

本当に、あんな顔立ちの人、今も昔も?見かけません! だから凄く気になる! 本当に日本人なのだろうか!??

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佐藤允のニヒルな存在感 (微動電信)
独立愚連隊 岡本喜八 ★★★☆☆  今年2/19に逝った巨匠、岡本喜八の代表作で、従軍の深刻を笑い飛ばすかの痛快コメディ。戦時下、弟の謎の死の真相を探りに最前線\"独立愚連隊\"に一人乗り込むニヒルな男、佐藤允。この映画の魅力の全ては佐藤の男臭いたたずまいに集約さ
中谷一郎(風車の弥七)、若いなー。 (てんてけ☆マーチ)
今日は会社帰りに「独立愚連隊 西へ」を観る。面白い! 脚本もよく出来てるし、演出もこなれてるし、役者もいい(加山雄三、おいしい役だな~)。勲章よりも「生きること」最優先で、悲壮感ゼロの愚連隊メンバーの設定が秀逸。カラッと痛快な戦争映画だった。 黒澤もそう