韓国の文在寅（ムンジェイン）大統領が慰安婦問題をめぐる2015年の日韓合意について「内容と手続きのすべてが間違っていた」と語りました。全面否定に等しい言葉です。
私はいわゆる「嫌韓」ではありませんが、「最終的かつ不可逆的解決」を二国間合意した問題について否定するのは、国際的な常識から言ってもありえない話です。これでは国と国の合意が成り立たなくなってしまいます。日本は今のところ過度に反発せず、合意の着実な履行を繰り返し求めています。北朝鮮情勢が緊迫の度を強めていることを受けた抑制的な対応だといえるでしょう。
一方、文在寅大統領は「両国間の公式な合意でもある」とも述べて重要性も指摘しています。国内での話にとどめて、日本を巻き込まずに、また北朝鮮問題などにも影響が及ばぬようしてもらいたいものです。
日韓合意「全て間違い」 「破棄は困難」
韓国大統領府によると、文在寅大統領は４日昼、元慰安婦８人や支援団体の関係者と懇談し、２０１５年の慰安婦問題に関する日韓両政府合意に関して「みなさんの意見を聞かず、意図に反する合意をしたことを大統領として謝罪する」と述べた。また、合意を「真実と正義の原則に反し、内容と手続きの全てが間違っていた」と強い調子で批判した。一方、一部の元慰安婦らが求める破棄や再交渉は、容易でないとの認識も示した。