「…それに 社長さんと専務さんの髪の色も…」
確かに社長は金髪で、カイさんは透明感のあるプラチナブランドだ。
「母さんそんな言い方…」
と言ったところで、父が別の角度から攻めてきた。
「今の会社に迷惑をかけてるのに、それで偉そうに社会人なんて言えるのか? そんな社員なんて、どこでも願い下げだろう? 」
俺には言葉もなかった。
それでこんなことを言ってみた。
「だいたい俺なんか入ったばかりの新人だし、話が違って映像制作ではなくて、
苦手な営業にまわされて、使えないとかさんざん言われて、人より残業してるし、そんな俺がいなくなっても会社に迷惑をかけているとは思えない」
「そりゃそうかもしれないが、直属の上司とかチームは迷惑してると思うぞ 」
「……」
「せめて一回帰って、直接謝ってきた方がいいんじゃないか? 」
「嫌だそれは… 」
それをすれば、もうこの事務所には入れない、オミさんのこんな近くにも居られなくなってしまいそうだったからだ。
…オミさん、何とか言って…
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