小説「離しません!」&スピンオフ「オミとカイ-少女の霊と俺達と-」

心霊YouTuber達のソフトなBL小説です。男の方もどうぞ。更新情報などはブログ1P目又はツイッター(X)にて🌹

57.届かない生き霊

2024-03-27 22:39:00 | 小説
 まあ 大御所とか言っても俺からしてみれば これの何が面白いのか、っていうチャンネルはいくつもある。

 そして我が〈礼霊ず〉にもやっぱり 長所も短所もあるわけで… 俺は編集のことだけでなく撮影のことか色々覚えなくてはいけないと思ったのだ。

 …しばらくして疲れたので、 よそのではなく、〈礼霊ず〉の第2回目の動画の研究をすることにした。

 オープニングで並んだオミさんとカイさんは、まだまだ撮影地の説明も慣れていない感じで可愛い。
 などと思いながらも、頭のどこかではカイさんからでも電話が来ないかなと願っていた。さっきの写真はやっぱり怖い。

 そんなところにカイさんから電話が来た。 俺はスマホに飛びついたが…

―ダイキ君、写真見たけどオミの肩の上に何も写ってなかったよ。写真 取り違えてない?

 俺は驚いてしまい、ロをパクパクさせるしかできなかったが、我に返って、
「いえ…オミさんのポーズはどうなってました?

霊が乗っているのはオミさんが膝に手を置いているものなんですが。

あとは ピースサインを出しているものと、顎に手を添えたもので…」

-そっか、じゃあこの写真だよな…実はフクちゃんにも送ったけど、やっぱり何にもないって言うんだよね。

「オミさんに転送したものにもちゃんと写っていたんですが 」

-わかった。今、オミは出かけてるんでしょ?
そしたら俺、明日そっちへ行くよ。
フクちゃんは忙しいみたいだから連れて行けないけど。

 というわけで俺たち3人は明日それぞれのスマホを見せ合うことになったが、フクちゃんも含めてみんなが呪われていないか、 特に外出中のオミさんが心配で、勉強も手につかなくなった。
 
 俺も生き霊というのは 動画チャンネルの心霊写真でしか見たことがない。

 そもそも心霊写真の中でも生き霊のものは少ない。
 それに全部霊能者とかに鑑定されているわけではないので、
説明も曖昧なものが多くてあまり参考にはならない。

 カイさんはオミさんより生き霊に詳しいといいんだけど…


 …そしてやっぱりこの夜オミさんは帰ってこなかった…

 …やっぱり「激しいおじさん」と何か…?





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