ずっと、書きたいと思っていたことがあります。
どんなお料理かしら、と思われた方には期待はずれなのですが、、、
家庭科の先生をやっていると、時々、
いいなあ、せんせえんちはきっと、手の込んだ料理だよね、
栄養とか考えてんだよね、
とか、
ねえ聞いて、信じられる?
ふた晩続けて夕食が○ックだったんだよ、
なんて母親だよお~、
などと生徒の嘆き(?)に出会います。
また、保育を選択した人たちに(高3女子)
岩村暢子さんの「壊れる食卓」(2千食の献立調査から
バラバラ食ー個人の好みを優先して、同じ食卓で
ありながら、違うものを食べることーを考察)が面白いと思い、
生徒達に感想を書いてもらったときのこと。
私としては保育で「乳幼児の食生活」をした後だったので、
バラバラ食だと栄養が偏る、とか、
病人食や老人食、アレルギー除去食を
一緒に食べることで育つ思いやり、みたいなものを
期待していたのですが、、、
生徒達の感想は
「家もバラバラ食だ」にはじまって、
(それぞれが、好みのテイクアウトを買ってくる食卓は
ほんとに増えてるらしい。)
なぜか論点はずれて、圧倒的な母親批判になるのです。
「母親にはあらためて、もっと丁寧にちゃんとした食事を
用意してもらいたいと思いました。」と書かれていたのが
忘れられません。
母親の一人として、そんな話を聞くと
なぜお母さんだけが責められるの~と
ものすご~く歯がゆい思いでいっぱいになります。
息子達は公立の中高に通っています。
統計を取ったわけじゃないけど役員を決めるときの感じから
主婦専業という方は、クラスにわずか、という印象です。
ほとんどの母親は働いています。
介護をしている、という方も最近ほんとに増えました。
海外にはほとんど行ったことがありませんが、
ラップの切れない国でもお話したように、
例えばコンビニが24時間、年中無休、
なんて国は日本だけのようで、
しかも、この便利さを日本人は手放さないでしょう。
そのしわ寄せは確実に家庭を襲っていて、
そんなこんなで余裕をなくした大人たちと
手をかけてもらえないと嘆く子どもたち。
追い詰められる母親、、、
(はっきりいって、たまにがんばって、体にいいお料理を
作っても、あんたたち喜んで食べてくれたの?
野菜が体にいいからって、せっせと作ったきんぴらや
煮物より、買ってきた唐揚げが飛ぶようになくなるのはなんなのさ、
煮魚だったら露骨にや~な顔するのはだれ!!
誰だって作りたくなくなるさ!!!)
ずっと思っていたことですが、
大人ががんばらなくちゃいけないのは、
子どもたちのために「ごはんを作ること」ではなくて、
(小さい時や心が弱っているとき、はそれももちろん大切なことです!!)
子どもたちに「ごはんの作り方を教えること」
「ごはんを作って人に供することの喜びを伝えること」
「ごはんを作る人の苦労に思いを馳せられるようになること」
だったのではないか、と。
ぶっちゃけ、家庭科が小中高と週に6時間くらいあって、
調理実習もがんがんやって、
宿題もがんがん出してごらんなさいよ。
大多数の子どもが家でごはん作ったり、
片づけをしたり、時に栄養計算しなくちゃいけなかったり、
ごみを減らす工夫を考えなくちゃいけなかったり、という宿題が
山のように出たら、、、
料理の腕はあがりまっせえ。
段取り力だって、先を見通すチカラだって、、、
高校生ともなると、○ックがいやなら作ったほうが早いって、
きっと思えるぐらいになってるはず、、、
そして、そんな逞しさは
時に大人を救ってくれるはず、、、
、、、過激な意見だったかもしれません。
でも、私はそんなことを夢見ています。
さて、我が家の場合。
残念ながら、思うようにはいっていません。
でも家族を「巻き込ん」での食事作りは
母親としても、家庭科の講師としても、私の中では大きなテーマ。
今後は、いろいろな場面で
「巻き込みご飯」の実践をアップしていくつもり。
がんばるぞ~