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キャラバン サライ

夢は大空へ、努力は足元で、世界に目を向けながら足元から子供たちを見直していきたいと思っています。

原発を終わらせる

2012年02月15日 | Weblog
東日本大震災からもうすぐ一年が経つ。
日に日に震災関連のニュースが周りから消えていく。
あれほど騒がれた節電も、全く聞かなくなった。
一説には、昨夏の節電キャンペーンは電力会社の企みだったという話も聞く。
原発の必要性を知らしめるために、まだ発電余裕があるにもかかわらず電力危機を国民に訴えたとか。
その真偽はともかく、原発を今後日本が、そして世界が使い続けて行くのか、そんな議論も日に日に聞かなくなった。
聞かなくなるという事は、それだけ我々に情報が届かなくなるということだ。
そして、原発を推進したい電力会社や原子力村と言われる既得権益者に有利になるという事だ。


原発は廃止すべきなのか、それとも様々問題を抱えながらもやはり必要なものなのか。
その考察をする知識が欲しくて、とりあえず読んでみたのが『原発を終わらせる』。


タイトルからして原発廃止論の本だが、著者が一人ではなく、14人の専門家がそれぞれの視点から論じている、そんなところがいいと思った。


読後の意見として。

原発は人道的にも環境的にも、そして経済的にも成り立たない不合理なものである事。
だから、段階的にでも無くしていくべきものであるとの、これまでの考えがさらに強まった。
それに留まらず、核の利用は軍事目的はもちろん、平和利用としても放棄すべきと思う。

しかし、原発の代わりとして挙げられている再生可能エネルギーについては、納得のできる技術的な根拠が全く述べられておらず、別の本を読む必要がある。

太陽光発電では、太陽が少しでも雲に隠れた瞬間に出力が一気に落ちる。
いくら分散型電源で災害のリスクを減らすと言っても、曇りの日は日本中曇りだ。
その場合は、太陽光および太陽熱発電量はゼロ。
風力発電も風の弱い日だってある。

出力が急激に変化したり、予測できなかったりというのは発電設備としてとても扱いづらい。
むしろ、系統を乱す事で大規模停電にも繋がりかねないお荷物だ。

それを克服するための技術的解決策が本書では殆ど書かれていない。
リチウムイオンバッテリーを使って電力の消費を平準化するというようなことが書いてあったが、そんな一電力会社の供給する電力規模の大容量のバッテリーは、コストの面からも効率の面からもサイズの面からも、現段階では非現実的だ。
そうであれば、火力発電を増設するしかない。
しかし、温室効果ガスの削減が前提の低炭素社会に逆行して声高に火力発電所を増設する意見は本書では見られない。


原発を廃止にしろと声高に叫ぶのは簡単だ。そのための理由には事欠かない。
しかし、現実的にはその代替エネルギーか必要だ。
それを具体的に述べている本を探したい。