酔ってパンツを脱ぐ男の巻

実はとぉちゃんは、今週に入ってから酒を飲んでいない。

とくに禁酒を宣言したわけではないが、

毎晩ウイスキーのグラスで杜仲茶を飲んでいる寡黙な姿に

男のなにかを感じた。

永遠に飲まないとは思わなかった。

それでも、アルコール性肝機能障害と診断がでているカラダには

休肝日が必要だったので、本人が続く限り見守っていこうと思っていた。



そして、昨日の海鮮祭り・・・。

禁酒はたったの４日で終わってしまった。

まぁ、昨日のメニューじゃ飲まないほうが辛い。

今日からまた肝臓を休めてあげればいいじゃないか。





本日、金曜日。

またしても汗だくで帰宅したとぉちゃん。

『え～！？もう帰ってきたのぉ？』

『うん。疲れたから、早く帰ってきた。今日のメシはなに？』

『スパゲティでもしようかな～』

『ふう～ん・・・・・。』


　　　　　沈　　　　黙　　　・　　　・　　　・　　　・　　　

ここで、お互いに同じコトを考える・・・・。


『何か食いに行くか』

『うん』


節約しなきゃ・・。

給料日近くなってまたお財布ピンチだぞ・・。

そんなことも頭をよぎったが、

もともと楽観的な人間のあてれんは、

楽しい方へ転がるようにできているのだ。



そして二人で近所の居酒屋火花に行ったわけだが・・・。


当然、二人で飲み放題。

９８０円の飲み放題。

とぉちゃんは１杯目を数秒で飲み干すとあっという間にお代わりだ。

あてれんも負けちゃいられない。

まだ半分残っているうちにお代わりだ。

『おめー、そんなにがっつくなって！』

『とりあえず３杯飲まなきゃ、モト取れないじゃん。』

『３杯くらい楽勝だ。まかせとけ！』


夫婦ならではの会話だと思った。

こんなときだけ価値観が同じな二人・・・・。


３杯目のＢＥＥＲを飲み終えた後、とぉちゃんは禁断の日本酒に手を出した。

すでにあてれんは、酔っぱらいモード。

心では（日本酒飲んじゃダメ！）と思いながらも、抑制する言葉を失っていた。

ああ・・・。

とぉちゃん日本酒６合、飲んじゃってるよ・・



まぁ・・

何ごともなく無事に家に帰ってきたワケではありますが・・・。


ソファに倒れ込みながらさっきまでバクスイ中だったあてれん。

目が覚めると、床にとぉちゃんが転がっていた。

トイレの電気つけっぱなしで・・

ドアも開けっ放しで・・

大きなイビキかきながら・・

なぜか下半身丸出し・・・・
（本人の沽券に関わるので、画像ＵＰはありませんが・・）



さっきの火花での会話がよみがえる。


『オラ、最近飲んでないべ？』

『うん。そうだね♪』

『結局よ、自分の気持ち次第なんだよな。』

『うん。そうだね♪』

『飲まないわけじゃないけどよ、普段からこういうペースで行けばいいってことが

分かったんだ。そしたら血液検査だって、結果が楽しみだべ？』

『うん。うん。そうだね♪』



酔っ払いというヤツは

舌の根も乾かないうちに

同じコトを繰り返す・・・。

多分、一生・・・・。



下半身丸出しの男が階段から転げ落ちないように

そっとドアを閉めてきた。

これも夫婦愛なのかと思うと、照れくさい・・・。