真夜中のカップらーめん

作家・政治史研究家、瀧澤中の雑感、新刊情報など。

民主党新人議員に望む

2009-09-07 06:43:02 | Weblog
民主党に、新人議員が大量に誕生した。
郵政選挙の時もそうだが、時代が動く時には、普段なら絶対にその地位につけそうにない人が、地位を手にする。

小泉チルドレンの中には、混淆玉石だが、珠玉の政治家もいた。
真面目で、自分のことなど二の次にして、政府与党案でも間違っているものは間違っている、と勇気をもって発言し、その発言の裏付けとして、寸暇を惜しんで勉強して、専門家の話もたくさん聞いていた。

結果、地元の有権者と触れ合う時間は少なくなった。
そして、落選。

有権者に見る目がない、とは言うまい。
すばらしい商品でも売れないことはある。良い本が必ずしもベストセラーにならないのと同じことだ。

しかし、それにしても惜しかったと、つくづく思ってしまう。

時代が動くときは、人材発掘のチャンスなのだ。
いままでのしきたりや、履歴や、学歴、職歴を問わず、人間として誠実で力のある政治家が議席を手にするチャンスなのだ。

私は、民主党の新人議員たちに期待したい。
党の方針、政府の方針でも、間違っているものは間違っていると言える勇気。
そして、なぜ間違っているのか、どうすれば良いのかを語れる知識と見識。
これを手にしてほしい。

それにはまず、現場に飛び込むことだ。
農業の現場に行って、本当に所得の補償が農家をやる気にさせるのか、確かめてほしい。特に若い農業従事者に会ってほしい。未来を担う人々が何を望んでいるのか、その目と耳で確かめてほしい。

安全保障の現場に行って、自衛官と話をして、海外派遣される自衛官の身になって、法律を精査してほしい。防衛予算を考えてほしい。

アフガニスタンがどうなっているのか、その目で見てほしい。
そして、世界40カ国近くの国々がなぜアフガニスタンに軍隊を送っているのか、その理由を考えてほしい。

チベットやウイグルに行ってほしい。
中国と仲良くする前に、中国政府の本質を見極めてほしい。

各国の政治家と、個人的に膝をつきあわせて話し合える関係をつくってほしい。
それはたとえば、中国とだけではなく、台湾の政治家とも。

介護や医療の現場を見てほしい。
「自分は死んだほうが、家族のためになる」とお年寄りが思う医療は、どこか間違っていないか?

地方の商店街に行ってほしい。
地方の学校に行ってほしい。
さびれた場所にも、そして、成功している場所にも行ってほしい。

なぜこの学校は活気があるのか。
なぜこの学校は志望者が殺到するのか。

栄えている場所には、例外なく、既得権を持つ者はおらず、
やる気と希望を持つ者が活躍している。

民主党の新人議員よ。
あなたたち自身が、その地位にあぐらをかいて、当選し続けることだけを考え始めた時、あなた自身が既得権化したことになる。
それに気づいた瞬間、辞職するか、姿勢を正すか、どちらかにしてほしい。

まずは、現場を見ること。
そして勉強すること。
党や政府の幹部が間違っていれば、堂々と反対すること。
自分が既得権化しないよう、「政治家稼業は最大4年のみ」と考えて行動すること。

次回落選した時、心ある人々から「あの人は本当に惜しかった」と言われる議員になってほしい。ただ、それだけを願う。
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