安積咲

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12月25日(水)のつぶやき その1

2013-12-26 05:47:17 | ツイッターログ

ずっと大好きだった選手の初の優勝と五輪出場決定と、そして引退宣言を見届けて、全日本フィギュアから帰ってきました。


騒ぎになっている時ほど黙っていたけど、私は安藤美姫選手が大好きです。試合も何度か観に行きました。あの氷上での華やかさは他に類を見ないものと感じていました。屈託ない笑顔、素直すぎる発言、不器用さ、全部が大好きでした。


彼女が2011年の世界選手権で優勝したあと、休養に入りこのまま引退するのではないかと思っていました。出来る事ならもう一度彼女が競技で滑る姿を観たいと思っていましたが、2012年の沈黙にそれももう叶わないかと思っていました。一度競技を離れてからの復帰は思いの外難しいものです。


2013年5月、久々のショーで見た彼女はジャンプを一度も跳ばなかった。その直後に、出産の公表。驚きました。それからの復帰宣言に、正直、不可能と思いました。ただでさえしばらく競技を離れた選手がジャンプを取り戻すのは大変な事なのに、そこから五輪を目指すだなんて、無茶だと思いました。


メディアは煽りましたが、フィギュアスケートを深く見ている人ほど、彼女のファンであればあるほど、それは難しいと感じていた事でしょう。連盟が扱いに厳しいような対応だったのも無理はありません。でも、彼女は地方大会から勝ち上がり、全日本選手権への出場を果たしました。


最終成績が振るわないように見えている人もいたかもしれませんが、彼女は全日本で3回転のコンビネーションを成功させました。これは彼女が世界女王になった2011年も、バンクーバー五輪前のシーズンも跳んでいなかった難易度です。彼女は単に復帰するどころか、進化して戻ってきたんです。

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三回転と三回転のジャンプのコンビネーションジャンプの中でも、彼女は数種類の組み合わせを跳ぶ事ができます。全日本の前には特に難易度の高い3lz-3loや3s-3loまで着氷していたそうです。これは他にできる選手がなかなかいない。5月にはジャンプのないプロを滑るのがやっとだったのに。

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三回転ジャンプの中では最も難易度の高いと言われる3lzをやっと跳べたのが8月。それからこの進歩です。あともう少し時間があれば、試合でも組み込めるくらいの完成度に達したかもしれません。でも半年はあまりにも短すぎたと思います。ファンの側からしてみれば、本当に惜しい。

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それでも彼女が目指したのは五輪の出場権。やはり五輪は特別で、競技復帰というモチベーションを保つには、その目標が必要だったのではないでしょうか。ファンの憶測ではありますが。そして、やはりそこに手は届かなかった。


もう少し早く復帰していれば、とか。あと一年続ければ、とか。どうしても思ってしまうのが外野というものですが、出産を決めたのは彼女の意思で、人生ですから、その「もしも」を望むのは外野のお節介でしかない。だったら彼女は競技をないがしろにしていたかと言うとそうではないと私は思います。


安藤美姫は、競技選手として、今彼女が出来うる限りの演技を見せて舞台を降りたのです。ジャンプを取り戻すだけではなく、数年前よりも進化した状態にまで。「出産して復帰したから素晴らしい」それだけではなく、彼女はアスリートとして恥ずかしくない演技を最後に見せてくれたんです。

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何かと行動も言動も問題を呼びやすい人です。その華は華やかであるからこそ、時に害にもなる虫をも呼び込んでしまう、そんな華だったと思います。これからもきっと、そう、明日からでも、メディアには彼女の記事が踊るのだと思います。


彼女のプライベートの事は知る由もないし、幸せを望む以外にありませんが、アスリートとしての彼女は、誰にも恥ずかしくない演技で現役生活を終えた、とあの会場にいた身としては、言い続けたいと思います。

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フィギュアスケートのアスリートとしてのけじめ、それは順位にかかわらず、その時点での最高の演技を試合のあの数分、たった一度のチャンスに、滑りきれるかどうか。ではないでしょうか。それを彼女は見せてくれた。もしかしたら誰のためでもなく、自分へのけじめかもしれない。それでいいんです。

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今回全日本の女子で優勝した鈴木明子選手に、仲間が皆号泣したのは、彼女がその「彼女なりの最高の演技」をやはり最後の全日本の舞台で成功させたからだと思います。SPは残念ではあったけど、織田選手もFSは同じだったと思います。点数や順位よりも、彼らのそれぞれの最高を見せられるかどうか。

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そういう意味で、安藤美姫選手は、完璧とまでは行かなくても、彼女が彼女に対し恥じない演技をしたのだ、と思いました。

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出産で騒がれた時に「大した成績も残さないで、税金無駄遣いして」みたいに発言した人がいた時には、本当にファンとして悔しかった。彼女の2010-2011シーズンの成績は、6試合中5試合が優勝、そのプロトコルにはほとんどマイナスがありませんでした。それがどれだけ驚異的な事か。

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五輪での表彰台に届かず、大きな失敗をした事ばかりが取り上げられ、特にフィギュアスケートに深く関心を持たない人にはそう映ってしまうのかもしれません。メディアの作る印象というのは、本当に罪深い。

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これからも同じような報道は続くかもしれないけど、それでも、彼女が彼女なりの誠実さを感じさせてくれた演技で表舞台を去った事を、私は忘れないと思います。


私は彼女の言った「くじけてもいいけど諦めないで」という言葉が、大好きです。

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(でも本当に、器用に立ち回るという事ができない人だとも思ってるから、ファンはいつもヒヤヒヤしてたよ。そういうところが好きなんだけど。きっとこれからも、とも思っている。でもきっと、好きでいるんだろうなぁと思う)


もちろん、鈴木明子選手の全日本初優勝も、その完璧な演技が嬉しくて、会場でぼろぼろ涙止まらなかったんですが。


あっこちゃんの事もね、話すと長くなるから……今日はもうやめよう(笑)。2006年のユニバーシアードの優勝のニュースで知ってから、ずっとずっと好きだった選手だから。


@ponsyon_jp 数ある競技の中で唯一(?)「エキシビション」があるという事は、それだけショーの要素があるという事で…競技でお花を投げ込んだり、普通はしないし。そこの線引きは、難しいものなのかもしれない。私もその華やかさが好きなのもあるので、他人事じゃないのですが。


@kiraguit ありがとうございます。暑苦しくてすみません(^_^;)。そうおっしゃっていただけると嬉しいです。



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