イタリアの雰囲気を
今回は
ギュスターヴ・シャルパンテ(1860年-1956年フランス)作曲の
組曲「イタリアの印象」をお届けします。
まず、今回ご紹介します
シャルパンティエは、同名のバロック時代の作曲家とは別人物です。
この
シャルパンティエは、もっぱらオペラ作曲家として筆を振るったようですが、今回ご紹介する
組曲「イタリアの印象」は管弦楽曲となります。
標題から察するに、イタリアから受けた印象を曲で表現したものと思います。
曲を聴いた限り「乾いた大地に眩しい日差しが照り付ける」ようなイメージというより「適度な湿感と柔らかな日差し」を感じます。
皆さんは、どのようなイメージを持たれるのでしょうか?
一度はお聴き頂きたいと想います。
なお、収録されたCDが少ないため「
秘曲」とさせて頂きます。
それでは曲のご紹介と参りましょう。この組曲は5つの曲から構成されており演奏時間は約36分ほどになります。
第1曲「セレナード」
弦楽器により、比較的爽やかなメロディーが奏でられます。しばらく、この演奏が続くと、やがてオーケストラがイタリアの雰囲気漂うようなメロディーを美しく奏でます。目を閉じると、イタリアの景色が浮かんで来るかのようなメロディーです。南欧の眩しいような日差しでは無く、穏やか日差しの中でゆっくりとした時間が流れるようなイメージが浮かんできます。
しばらくすると、冒頭のメロディーが形を変えて登場し、徐々に演奏は静かになっていき、最後は消え入るように幕を閉じます。
第2曲「泉のほとりで」
穏やかなメロディーで曲は始まり、情感ある演奏が続きます。そして、濃厚な美しさというより、淡い美しさと表現したいメロディーが奏でられます。時折り、遠くの景色を描写するかのようなメロディーも垣間見て採れます。最後は静かに終わります・
第3曲「らばに乗って」
リズミカルな演奏で曲は始まります。曲の前半だけ聴きますと、標題から想像するよりは「らばの歩くスピードは速い」と感じてしまいます。
そして鈴の音とともに美しいメロディーが登場し、やがて、ゆったりとした演奏へと続きます。
その後冒頭の演奏へと一旦戻りますが、再びゆったりと穏やかに美しいメロディーが奏でられ、最後は静かに終わります。
第4曲「山々の峰にて」
非常に爽やかなメロディーで曲は始まります。まるで、山上の新鮮な空気が感じられるかのようです。やがて、高揚感ある演奏が登場し、しばらくすると、まるで、下界の地平線まで続く雄大な景色をイメージさせるかのようなメロディーが奏でられます。
その後は、穏やかな雰囲気となり、徐々に静かになっていき最後は消え入るように終わります。
第5曲「ナポリ」
やや劇的な演奏で曲は始まります。そして、試練に立ち向かうかのような勇ましいメロディーが奏でられます。時折り、トランペット?の音色が眩しい日差しをイメージさせるかのように響きます。曲は高揚感ある演奏と穏やかな演奏が入れ替わり立ち代りで進んで行きます。様々なメロディーが交錯しますが、概ね美しく聴き易いメロディーです。勇ましいメロディーが印象的です。
しばらくすると、穏やかな雰囲気にて美しいメロディーが奏でられます。ヴァイオリンが甘く艶やかな音色を聴かせてくれます。ヴァイオリンの奏でるメロディーにはイタリアの程よい(眩しくない)明るさを感じます。
やがて、オーケストラが陽気なイタリア人気質を表現するかのような、美しく鮮やかなメロディーを高揚感を以って奏で、次第に演奏はスピードを上げて行き、カスタネットの音色も登場し、華やかな雰囲気へと続き、最後は華麗な演奏で幕を閉じます。
参考までに、私の所有するCDの中から1枚をご紹介します。
レーベルはEMIで、
ピエール・デルヴォー指揮、パリ・オペラ・コミーク管弦楽団の演奏のものです
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