アンタイルが続きます
今回は
ジョージ・アンタイル(1900年-1959年アメリカ)作曲の
交響曲第4番「1942年」をお届けします。
予めお断りしておきますが、この
アンタイルの交響曲第4番「1942年」はロマンティックな曲ではありません。
戦争の雰囲気を感じさせるような曲でして、時折り美しいメロディーも登場しますが、劇的で暗雲立ち込めるような雰囲気の曲と申し上げたい曲です。
何度も引き合いに出して恐縮ですが、雰囲気としては
ショスタコーヴィチの一連の戦争交響曲をイメージして頂ければ、それに近いものを感じて頂けると思います。
正直、好みが別れる曲だと思います。
ただし、私は一方でロマン溢れる曲も好きですし、このような劇的な曲も好みです。不協和音?も登場しますが、決して聴けない(二度と聴きたく無い)曲ではありませんので、必ず気に入って下さる方がいらっしゃると思います。
ショスタコーヴィチの雰囲気を好まれる方に取っては、逆に物足りなく感じるかもしれませんが、当たらずとも遠からずの曲ですので、試しに聴いてみて頂けましたら幸いです。
なお、今回も「
秘曲」扱いとさせて頂きます。
それでは曲のご紹介と参りましょう。この曲は4つの楽章から構成されており演奏時間は約32分半ほどとなります。
1.第1楽章
これから始まる試練を予感させるかのようなファンファーレで曲は始まります。高揚感ある演奏の後、穏やかな雰囲気(明るくはありません)となり、徐々に行進曲を連想させるようなリズミカルな演奏へと続きます。やがて、しなやかで美しいメロディーが奏でられると、高揚感が増して行き、試練を感じさせるようなメロディーが奏でられます。その後、比較的穏やかな演奏となりますが、続いて戦争をイメージさせるような行進曲風のメロディーがテンポを速めて奏でられます。テンポは徐々に増して行き、高揚感も増して行きます。やがて、オーケストラの力強い演奏が鳴り響いた後に再び穏やかな雰囲気となり、どことなく親しみ易いメロディーが奏でられ、最後は静かに終わります。
2.第2楽章
美しいメロディーが、やや哀愁感を伴って奏でられます。時折り高揚感ある演奏も登場しますが、概して美しいメロディーが情感を伴って演奏されます。つかの間の平和と言った雰囲気でしょうか。
しかし、曲の終盤には、戦争を感じさせるようなメロディーが劇的に奏でられます。その後、一旦穏やかな雰囲気となりますが、平和が打ち破られるかのような雰囲気となり曲は終わります。
3.第3楽章
不穏なメロディーでリズミカルに曲は始まります。戦争を感じさせるような不穏な雰囲気が続きます(決して無調ではありません)。やがて、高揚感ある演奏にてティンパニの力強い響きも登場します。
しばらくすると、比較的穏やかな演奏となり、親しみ易いメロディーが奏でられます。そして、リズミカルな演奏となり終わります。
4.第4楽章
勇壮的な演奏で曲は始まります。すぐに穏やかな雰囲気になりますが、そのメロディーにはどこか戦争を感じます。その後、高揚感ある演奏の後に、しなやかで美しいメロディーが奏でられ、再び勇壮的な演奏が登場します。そして、戦闘シーンを表現するかのように不穏ななメロディーが錯綜し、行進曲風の演奏へと続きます。
そして、比較的穏やかな演奏の後に、テンポを速めて勇壮的な演奏が登場し、その後、テンポを落とした雄大な演奏が現れます。
まるで戦争の勝利を表現するかのような、輝かしい雰囲気のメロディーが力強く奏でられ、最後は高揚感を伴って幕を閉じます。
参考までに、私の所有するCDの中から1枚をご紹介します。
レーベルはNAXOSで、
テオドレ・クチャル指揮、ウクライナ国立交響楽団の演奏のものです
このCDの情報は、こちらの下の画像をクリックして頂ければご覧になれます
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