雄大な海の景色
今回はミカロユス・チュルリョーニス(1875年-1911年リトアニア)作曲の交響詩「海」をお届けします。
私の好きな曲は19世紀末から20世紀初頭にかけた作品が多いように思います。この時代の曲を「後期ロマン派」と一括りにしてしまうのは誤りでしょうが、私はこの時代の曲から何とも言えない美しさを感じることがあり、後期ロマン派的と称してしまいます。
このチョルリョーニスの交響詩「海」もその例外ではありません。非常に美しいメロディーが登場しますし、この曲を聴きますと、まるで眼前に大海原が広がっているかのようなイメージすら湧いてくるのです。
この曲は久しぶりに太鼓判を押したい曲です。
機会がございましたら是非ともお聴き頂きたく存じます。
それでは曲のご紹介と参りましょう。この曲の演奏時間は約27分20秒となります。
なお、今回も「秘曲」とさせて頂きます。
まるで夜明け前の海を表現するかのように、美しいメロディーが穏やかに奏でられます。ゆったりとした演奏はゆるやかな波が漂う水面をイメージさせます。
しばらくすると、壮大な演奏が登場します。まるで水平線の彼方から差し込んでくる陽の光によって、目の前に大海原が現れるかのような壮大な演奏です。その後、一旦穏やかな雰囲気へと戻りますが、やがて颯爽とした雰囲気の演奏へと続きます。
その後、徐々に演奏は静けさを取り戻し、ゆったりとした波のうねりを感じさせるような響きの中で美しく爽やかなメロディーが奏でられます。
中盤には劇的な演奏となり、まるで荒波が水しぶき上げるかのように金管楽器の激しい響きが現れます。
しばらくすると、ロマンティックな美しいメロディーが壮大に奏でられます。まるで激しさと美しさを併せ持つ海の景色を表現するかのようです。
その後、激しい波は収まり、徐々に穏やかな海へと戻っていき、冒頭のように穏やかで美しいメロディーが奏でられます。時折り荒波がやってきますが、概ね穏やかな海がイメージされます。
そして、最後は高揚感が高まり、壮大かつ輝かしい演奏で幕を閉じます。
参考までに、私の所有するCDの中から1枚をご紹介します。
レーベルは、Marco Poloで、ユオザス・ドマルカス指揮、スロヴァキア・フィルハーモニー管弦楽団の演奏のものです