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アリエルじかん。

松ケンのようなスタイルになりたい。

お薦めの1冊 「恋愛中毒」 山本文緒著

2009-09-02 21:06:32 | 角川文庫 
「発見。角川文庫 夏の100冊」の冊子を見て欲しい本をメモし
本屋さんに行ったと以前書きましたがその1冊がこの





「恋愛中毒」 山本文緒

冊子の中では「恋する。」にジャンル分けされた作品。

前からタイトルは聞いたことがあって気になっていた作品だったんです。
最近の作品なのかと思っていたら1998年に刊行された作品で
吉川英治文学新人賞を受賞されたものなんだそう。

私はタイトルだけ聞いて「恋愛中毒」って20代のまだ結婚していない
女性が恋にはまってしまい抜け出せないのをイメージしたんです。

そしたら出だしが男性。
男性が主人公なの??と思ったら男性が転職した先の女性に
主人公が変わるんですよね。目線が変わったことに気付かない位
スムーズに変わっていて女性の人生に何があったの~??と
引き込まれていくんです。

会社ではさえないおばさんと見られている女性の恋愛話。
全然境遇が違うのに頷ける部分もあり、自分はこういうことに
なったことがないけれど、一途に思いつめたらこういう行動にも
出てしまうかしら…と考えるところもあり。
冷静に読んでいると女って…と考えさせられることもあるけれど
実際に自分がこの立場になったらどう行動するか。
恋愛小説を読むことって少ないんですが自分とだぶらせて
自分だったらどうなるかと考えることが多いんですね。
って私だけでしょうか?

10年以上前に書かれた作品なのに全然そんな感じがしないんですよ。
今を書いていると言われても全然気づかないくらいです。
人間の心は何年経っても変わらないし、失敗も成功も恋においては
同じような結果になるからなのかな~。

恋においての部分だけでなく風景や流行っているものの
描写も想像すると現代っぽいんですよね。
10年ひと昔というように結構変わったと思うんですがそれを
感じさせない作品なので現代でも沢山の方に読まれる恋愛小説なのかも
しれません。

読んでいる途中のゾクッと感がたまりませんよ(笑)

お薦めの1冊 「スイッチを押すとき」 山田悠介著

2009-08-25 18:39:21 | 角川文庫 
「発見。角川文庫 夏の100冊」の冊子を読んで気になる本を
メモに書いて本屋へ向かいました。

冊子では「ふるえる。」の項目で紹介されていた本。



「スイッチを押すとき」 山田悠介

山田悠介さんの名前は知らなかったんですが映画化された作品を
DVDで見たことがあり、こういう物語が考え付くなんて頭の中を
見てみたい!!と思っていた作家さんだと知りました。
中高生にとても人気のある作家さんのようです。
大人の私が読んでも続きが気になって仕方がない

途中まで読むつもりでいたんですが、続きが気になって
家事が終わった後、3~4時間通して読み続けました
どの位夢中になっていたかって言うと体育座りをして読んでいたんですが
曲げた腕がしびれて動かなくなる位(笑)
下を向き続けていたので顔がむくみ、ほうれい線が濃くなる位(笑)

出だしから衝撃な本作品。
ここの展開がどうつながるの?って気にしながら読み進めて行くと
それよりも気になる展開が起こるのでいったんは一番最初の衝撃な展開を
忘れかけるんですよね。
でも気になるんですよ。どこで何がつながっているの!!って。
で、気づけば370ページ以上ある小説を数時間で読み切るわけです

何のために生きるのか、人間は生きているときに何を考えるべきか
死ぬときは何を思うべきかって普段では考えないようなことを
考えました。

ありえない物語なのに、映像が目に浮かぶんです。
想像出来てしまって怖いし、はらはらするし、泣けるし、温かい。
誰かに話したくなる展開なんですがここでばらしてしまっては
つまらないですよね~。
色々な感情に心が揺さぶられ「ふるえる。」を実感します。

紹介文にはこう書かれています。

「青少年自殺抑制プロジェクトセンターで、監視員としてい勤務する南洋平。
ここでは、4人の少年少女に、自らの命を絶つ【赤いスイッチ】を持たせ、
実験をしていた。極限状態で軟禁され、孤独に耐えられず次々と
命を絶つはずが、この4人は”7年間もスイッチを押さない”という
異例の子供だったのだ。彼らが生きたいと願うその理由を聞き、
南たちは脱出を図るが、そこには非情な運命が待ち受けており―!?」


最初から最後まで飽きず衝撃を受け続けた作品です。

「面白い」という言葉で紹介するのはいけない気がします。
話の展開にひきこまれて興味をひかれるのだけれど考えさせられる作品。

角川文庫夏の100冊の中には山田悠介さんの本が3作品紹介されています。

今回私が読んだ「スイッチを押すとき」

あとは「ライヴ」「パズル」です。

どちらも気になるので昨日買って来た3冊の小説が読み終わったら
また買って来たいと思います。

本が苦手な方にもお薦めしたい1冊です。
映像がどんどん頭の中で想像出来ますよ。
中学生や高校生の皆さんが読書感想文を書くときにもお薦め




お薦めの1冊 「母」 三浦綾子著

2009-08-23 20:17:25 | 角川文庫 
「角川文庫 夏の100冊」読んでいますか?




小林多喜二の「蟹工船」を読んでから気になっていました。
小林多喜二の母について三浦綾子さんが書かれた「母」

多喜二の母セキさんが著者の三浦さんに語りかけている口調で
書かれているので、自分に語りかけられているようで
ストレートな思いが、言葉が胸にずどん!と入って来ます。

ページ数は200ページちょっとあるんですが2~3日で
読み切れる本でした。

とても素直で全てを敬い、感謝する気持ちを忘れないセキさん。
それを見て育ったセキさんのお子さんたちのお話も深く感じ入る
ところがありました。
この母だから、小林多喜二が生まれたと言っても過言ではないけれど
多喜二の母でなかったとしてもセキさんのような考えを持った方の
お話は貴重ですし自分を振り返らせてくれる内容です。

何度も泣きそうになりながら読みました。
悲しいところで泣きそうになるのもそうなんですが
私は「人の温かさ」で泣きそうになりました。
人を思いやり、人に感謝する気持ちを忘れずに生きることの大切さを
学んだ気がします。

今の時代は少しでも思うようにいかないと「何で自分だけ」
「思うようにならないのに○○のせい」と何かのせいにしたり
自分だけの不幸を考えてしまったりしますが、それは贅沢なことだなって
思いました。

自分の考えを主張出来ない時代もあった。
人間が権力に、人間に、虐げられていた時代もあった。

そういう人権的な抑圧もなく、食べるのに不自由のない暮らしをしているのに
自分だけのうっぷんを不幸と置き換えるのはいけないなと。

小説の中に

「人間には、していいことと悪いことがあると、みんながわかった時、
本当の意味でこの世は変わる。
不幸を生きぬく時、人間は幸せになる。
不幸に押しつぶされていてはならんのだ」


「誰もが同じだけ金を持っていても、同じだけ幸せになるとは限らん。
人を幸せにするのは、金だけではない。
そこんところに気がつかなければならん」


と多喜二が母セキさんに語っているところがあるんです。
この部分を読んで「蟹工船」のことが思い浮かびました。

こういう考えがあったからこそ書いた小説なんだろうなと。

「蟹工船」はどこか最後に希望がある気がすると前に書いたんですが
この小説を読んで、「不幸に押しつぶされてはいけない」という
多喜二の思いが現れていたのかなと感じました。

本当に読んで良かったと感じた1冊です。

是非皆さんにも手にとって読んで頂きたいです

「発見。 角川文庫 夏の100冊」の冊子を見ていてまだまだ
読みたい本が沢山

「考える」の項目で紹介されている本がどうしても興味を
ひかれるようで買いたい本を書きだしたらほとんどその項目(笑)
せっかく色々な項目ごとに冊子で紹介されているので「楽しむ」「驚く」の
本も買ってみようと思います。
久々に小説にはまっている自分がいます。

皆さんも「読書の秋」前に「読書の夏」いかがですか?

皆さん、本読んでますか?

2009-08-16 19:46:10 | 角川文庫 
とっくに学生時代は卒業しているのに、夏休みって言われると
まっさきに出てくるイメージが「読書感想文」

本を読むのは好きなのに、いつまでに読みなさいとか
感想を強要される感じが苦手だった
でも今思うと本をゆっくり読める時間がとれるって素敵なこと
時間のあるときに興味のある分野も自分が全く知らない未知の分野も
知識が増やせるのは良いことだと思う

自分が知らない時代に生きた文豪の小説が何故現代にまで
受け継がれているか。
何かしらの教訓を与えてくれたり、自分の持っていない考えを
与えてくれたり。時をこえても伝えたいものや言葉に時代は
関係ないってことなんですよね。



「発見。 角川文庫 夏の100冊」

学生時代、読書感想文を書く参考にと配られたのが印象的な
角川文庫の冊子。

本当に100冊??と思って数えてみたら(笑)
上下巻を1巻と数えたら本当に100冊

好きなものを読めば良いと思って冊子をちゃんと読んだことが
なかったんですが、読んでみたら楽しい



「考える」

「恋する。 楽しむ。 驚く。 考える。 ふるえる。 見つける。 泣く。」

と本の内容によって分けられているから自分がどういう系統の本が
好きかでお薦めの本がすぐに分かるんです。
今でも書店のレジ脇などに置いてありますが品切れになっている場合は
角川文庫さんの公式ホームページにも同じように紹介されていますよ

私は「考える」が気になったので冊子を見ていたら



『蟹工船』 小林多喜二

ワーキングプアの問題が出てくるようになった昨今の不況で
再度注目されるようなった『蟹工船』。
TVでも紹介されていて映画化もされて気になっていたので
購入しました。



プロレタリアとは賃金労働者階級、無産者階級を指す言葉で
プロレタリア文学とは「労働者の文学」と訳すことが出来るそうです。

この『蟹工船』は「日本プロレタリア文学の金字塔」とも言われているそう。

どういう文章か今まで読んだことのない文学作品だったので
読んでショックを受けました。
現代の社会と重なるところもあり、こんな時代があったのかと思う
ところもあり。
ただいつの時代もそうなんですが、どんな状況下でも人は
立ちあがろうとする力があるっていうことを学ばされました。
その兆しが見えるところに希望があるというか。

切り口がするどい小説なので、戦後まで作品が発売禁止や
伏せ字で発売されるなどの弾圧に遭い、小林多喜二本人も
警察署内で拷問を受け死亡。

こういう背景をふまえて小説を読むと更に表現の自由が
なかったことや当時の厳しい状況が目に浮かびます。

まだ読んでいないのですが、「発見。 角川文庫 夏の100冊」を
読んでいて気になったのが小林多喜二の母について書かれている
「母」という小説。

母は子を思い、子は母を思うという関係でお互いに思いあっていた親子。
母は多喜二の人生や、死をどう受け入れていたのかとても気になります。

今まで私は本のジャケット買いをしたことがなかったんです。

本ってそれほど魅力的なカバーでもないし、おしゃれでもないという
イメージで。学生時代は本屋さんでカバーを付けてもらうことも多かったです。
エコを意識し始めてからブックカバーを本屋さんでつけてもらうことも
なくなり、表紙も気になるように。



7月から期間限定で発売されている松山ケンイチくんのスペシャルカバー

3冊のうち2冊は読んだことのある本だったんですが
読み返すにも良い機会ですし自宅にある本ではなかったので
誕生日プレゼントに3冊買ってもらいました

他にも素敵なカバーが登場しているんですよ
太宰治生誕100周年を記念して梅佳代さんが撮影された写真を祖父江慎さんが
デザイン。
昔の文学作品というイメージは一切なくてお洒落な本
読んだことがある作品が多いけれど再度手にとりたくなるカバーです



さらにカバーにこの記事が印刷されている対象商品2冊で
7種類のブックカバーの中から好きなカバーが1種類もらえる!!
IDが付いているのでPCや携帯からでも応募できますし
冊子の巻末についている専用応募はがきや官製はがきでも
応募出来ます。

私は「ガンダム」のシャアとケロロ軍曹のカバーが気になる~。
しかも松山ケンイチくんのシークレットしおり付きなんだそうです
楽しみ!!早く申し込まなくっちゃ。
ブックカバーに申し込んだ人の中から抽選で1000名様に
松山ケンイチオリジナル図書カードが当たるチャンス

好きな本を読んで自分になかった知識や考えが増えて
さらに2冊購入で可愛いブックカバーがもらえて、
松山ケンイチくんの図書カードが当たる可能性があるなんて
どれもこれも嬉しいですね

読書は学生だけのものじゃないですよね。
家事や仕事に追われていても時間があるときに読むと
それだけで有意義な時間が過ごせているように感じます。

皆さんもこの夏、読書してみませんか