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8月11日
台風11号も九州から去り、久しぶりに絶好のヨット日和となった。 本来の航海計画であれば、既に沖縄に到着しているはずなのだが、台風により大幅に遅れてしまった。
佐世保パールシー~野母崎 42NM(約76KM) 晴れ 気温26℃
9:00 佐世保パールシーのスタッフに見送られながら出港
約2週間ぶりに九十九島湾を出たが、久しぶりに穏やかな夏の海を見ることが出来た。
連れ潮に助けられ約7ノットをキープ。
15:00 野母崎が前方に現れた。
一見、フランスのモンサンミシェルに似ているが、これは端島(通称:軍艦島)である。
野母崎の細い水路の奥に野母崎港がある。
入って左の船溜まりにポンツーン(浮き桟橋)があるので、ここに係留。 目の前に宿泊施設も兼ね備えた温泉施設「海の健康村」があり、風呂は¥410で利用できる。 中は広く東シナ海が一望できる温泉となっている。 食事も出来るし、休憩室でゆったりくつろげるので、ヨットで来た者にとっては、海上のオアシスである。 給油は、近くのガソリンスタンドに電話をすれば、配達してくれる。
8月12日
野母崎(長崎県)~甑島里港(鹿児島県) 53NM(約95KM) 晴れ、気温26℃(出港時)
7:00 野母崎出港 写真の建物は「海の健康村」 現在、新たな温泉源をボーリング中。
朝方は冷えて涼しく感じたと思ったら、台風が去った空は既に秋の気配が漂っていた。 今日は、風に恵まれ無かったが、連れ潮に乗り6ノットペースで走ることが出来た。
凪の海ばかりを見て退屈していたところ、今日もイルカが現れ暫くじゃれあいながら走る。
15:00 甑島が前方に見えてきた。
白いホテルが目印。
16:00 公共桟橋左手のポンツーンに舫う。 透明度が高く、島の名物の「きびなご」が群れていた。
今日は、桟橋の長さが足りないので、こんな感じで係留。 風呂は目の前の施設(入浴料¥330)で利用が出来る。 給油は、電話をすれば、配達してもらえる。 食事は、ホテルかフェリー乗り場の食堂が利用できる。 残念ながらスーパーは近隣には無し。
8月12日
甑島里港(鹿児島県)~野間池(鹿児島県) 29NM(約52KM)
晴れ、26℃、湿度70%
6:30 里港出港
里港出港前まではトカラ列島の小宝島までオーバーナイトで行くつもりであったが、夜間は8時ごろから時化るとの予報があり、急遽、5月に訪問したことがある野間池に行き先を変更した。
11:00 野間池(笠沙恵比寿)に入港。 陸電、水道完備。 風呂はホテル内で利用。 本当に静かな場所で風呂からの海の眺めも癒される。
8月14日
昨夜から風が強く雨模様の天気になりそうだったので、本日の出港は中止にした。下の写真は野間岬後浜の海況。 時折、突風と豪雨に見舞われご覧のような荒れた海となり写真にも写っているように大粒の雨が鉄砲玉の様に降ってきた。 このような海でも、長距離航海の途上で仕方なく走ったことも何度かあるが、最近は安全第一のクルージングに徹している。
魚市場の前の寿司屋で食べた刺身定食。 甘エビに似た髭長えびがここの特産。
8月16日
野間崎(鹿児島県)~小宝島(鹿児島県) 143NM (約257KM)
曇り、 気温28℃
6:00 野間池出港 野間崎を出から暫くは真向かいからのうねりが強かった。 その後、南下するに連れて天気は良くなってきた。
さつま黒島
将来の寄港地として近くを航行。 港は狭いが十分に入れそうだった。
東シナ海の日没 日が沈むまで非常にきれいな夕日を眺められた。
夜間は雲の切れ間が徐々に広がり、満天の星空を楽しむことが出来たが、一晩中うねりで熟睡することは無かった。
8月17日
6:00 日の出 小宝島の手前にある悪石島付近で朝焼けを見ることが出来た。
前方に目的地の小宝島がやっと見えてきた。
南風が強いため北側の港に入ることにしたが、港への入口がなかなか見つからず苦労した。 入口は珊瑚礁を切り開いた非常に狭い水路だった。
海底まで見えるほど透き通ったきれいな海であった。
8:30 城之前漁港に着岸
港の目印となる大きな岩
小宝島は火山島で奇妙な形の岩が多く非常に楽しめる。 また、島は歩いて回れるほど小さく、時計が止まったような感覚にさせられるような本当に癒される島であった。 島民は50名ほどでもちろん小学校も中学校の分校がある。
温泉へ通じる道
ぐつぐつと溶岩が湧き出している池
湯泊まり温泉は、島の露天風呂。 シャワーが付いていて誰もが自由に入れる。 美肌に良いとされる硫黄の湯のように白く濁っている。 とにかく、心地よい風に吹かれ、大海原を眺めながらの温泉は最高であった。
小島を見ながらちょっと休憩。 小宝島は、他の島と比べて坂がほとんど無い。
ゴジラが岩に乗っているかのような奇妙な形の岩。
島を覆いつくしている亜熱帯植物。
トカラ列島はいたるところに神社がある。 島民の先祖の多くは平家の落ち武者で顔立ちが奄美でもなく薩摩でもない内地の人の顔である。この島にも平家の隠れ屋が残っている。
村の集落にもきれいな花が咲いていた。
牧場
牧場の中の奇岩
島の南側にあるフェリー乗り場。 当日は南風が強くてヨットでの着岸は出来なかった。
島の海水浴場 ここはシャワーもトイレもある。
海水浴場付近の奇岩
夕方、露天風呂で出会った島民の方の家に招かれ今朝獲れた魚の刺身などを肴に島焼酎をよばれた。 近所の方も加わり非常に和やかな酒宴であった。 島の暮らしは都会の様に便利ではないが、心豊かに素晴らしい環境で暮らされているのが羨ましい。 島民の方から翌日の航海にと弁当まで頂き、誠に感謝感激であった。 また、次回の航海には必ず小宝島に寄らせて貰うことにした。
8月18日
小宝島~名瀬(奄美大島) 50NM(約90KM)
晴れ、28℃
6:30 小宝島城之前漁港出港
小宝島と小島の間を抜けた。
完璧な夏の海のクルージング。 真向かいからの風のため帆は、バタバタとシバーするだけでほとんど役に立たなかった。
奄美大島が見える頃になると黒い雲が現れスコールの予兆。
大粒の雨のシャワーを浴びた後は、また夏空が広がる。 船の熱さましには丁度良い。
17:00 奄美大島の名瀬港に着岸
8月19日
名瀬~古仁屋(奄美大島) 38NM(約68KM)
晴れ、 29℃
元々の計画は名瀬から一挙にオーバーナイトで宜野湾を目指す予定であったが、途中で強烈な向かい風とうねりが起きていため、今日は南に下るのは止めて同じ奄美大島の古仁屋港に入港した。
7:30 名瀬港出港
途中、イルカの大群に囲まれる。 以前見たイルカよりも小さく、体長が1Mほどしかなかったが、20頭以上の大群であった。
奄美大島の高崎灯台付近から海況が変化しうねりがだんだんと大きくなっり前進するにもピッチングが大きく非常に困難な状態になった。
急遽、針路を古仁屋港に変更。
16:00 古仁屋港海の駅に到着。 銭湯でさっぱりした後は、明日の航海に向けてスタミナを付けるためにファミリーレストランの「ジョイフル」でステーキとを食べる。 ひどく揺れる船上では、調理は出来ないのでせいぜいカップ麺かおにぎりくらいになる。 一昼夜以上の長い時間を一人でセーリングするとなると前の晩の食事と睡眠は重要である。
8月20日
古仁屋(奄美大島)~宜野湾マリーナ(沖縄県) 158NM(約280KM)
晴れ、気温28℃
6:30 古仁屋を出港。 昨夜、近くの公園で老人が歌っていた奄美民謡が印象的だった。
奄美大島の内海から外洋に出たとたん南からの風とうねりを受けたが、前日のものよりも少し和らいでいた。
12:00 徳之島 亀徳港の前を通過
18:00 沖永良部島通過。 東シナ海の日没はいつも目を楽しましてくれる。
自然は、夜でも容赦なくうねりだす。
8月21日
6:00 沖縄本島の本部半島付近の日の出。 昨夜もうねりと満天の星を楽しむ。一睡も出来なかった。
このような海の時もある。
沖縄は全くの夏の海!! 前方は最終目的地の宜野湾マリーナ。
12:00 宜野湾マリーナ帰港
5月2日に沖縄を出港して以来、約3ヶ月半ぶりの帰港となった。 これまで事故も無く無事に帰れたのは、自然を侮らず安全第一のセーリングに徹したことだと思う。また、航海の途中で出会ったヨット仲間や島民の方々の支援や人間の温かさがあったからだと思う。 本当に感謝感激の一語に尽きる。
完
...to be continued.
仙台まで汽車で、戻りました。
沖縄向け南下ですね
台風じきですからね。
お気をつけてお進みください。
こちらはハウステンボスカップで盛り上がりました♪来年はぜひ出場したいです。