更新: 9月11日
8月13日
壱岐(郷ノ浦港)~平戸 36NM(約65KM) 曇り時々雨 32℃
8:30 郷ノ浦出港。 当初の航海計画では郷ノ浦から五島列島の宇久島に行く予定であったが、五島灘に入ったとたん3Mのうねりと三角波が起きていたので危険を感じ最寄の平戸港に入港した。
山のような3Mほどののうねりが襲って来た。
うねりに乗ってサーフィンも楽しめたが、前方と横からの三角波で船は揺れて船内は散乱状態。
15:30 懐かしの平戸港に接岸。
8月14日
平戸~宇久(平港) 晴れ32度 30NM(約54KM)
8:00 平戸出港
10:20 平戸島と生月島の間に架かる生月大橋を通過。
13:30 宇久島(平港)入港
平港は、フィシャリーナで1日当り係留料¥1130と電気使用料¥520がかかる。静かな港で落ち着く。 以前、崖の上の旅館で風呂に入れたが、現在は改装中のため入れなかった。中心部の民宿などの風呂は使えるらしい。
平港全景
平家盛像 1187年の壇ノ浦の合戦後、この地に上陸したらしい。
宇久島で納涼花火大会が催されていた。
平家太鼓
船のデッキから見物 今回のクルージングで三回目の花火大会であったが、何度見ても飽きない。
8月15日
宇久島(平港)~ハウステンボス(長崎県) 30NM(約54KM) 晴れ32℃
7:30平港離岸 宇久島の漁師からイサキ2尾と大粒のサザエ2こをもらう。 昨年は、宇久の町を歩いていたらご婦人からブドウを一房いただいた。 五島列島は、親切な人が多く、どこへ行っても挨拶は、欠かさない土地のようであった。
凪の状態の五島灘
針尾瀬戸に立つ煙突のような三本の塔は、大正時代に建てられた針尾通信所のアンテナ。 現在は海上保安庁が管理している。
針尾橋 ごみと渦をよけながら進む。
18:30 大浦湾のハウステンボスマリーナに入港
ハウステンボスに着いた日にまた、花火大会を見る。 船から100Mしか離れていない所から打ち上げられていたので、花火が空から降ってくるような感じであった。
8月22日
ハウステンボスヨットレースが明日に予定されているが、台風15号の影響は無さそうである。
台風15号予想進路
台風16号予想進路
ハウステンボスは国内外の夏休みの訪問客で賑わってる。
大浦湾で佐世保のヨット仲間とクルージング
前夜祭番外編
ヨットレース主催者の前夜祭は出席せずに佐世保市内でヨット仲間と食事をする。
めったに食べられないきクエの刺身が登場。美味!!
8月23日
佐世保のヨット仲間とハウステンボスカップヨットレースに初参加。 期待を膨らましながら出艇したが・・・
スタートから風が無くほぼ凪状態であった。スピンネーカを持たない「ARCADIA」号は非常に不利で苦戦を強いられた。トップを走る黒い帆のヨットが優勝艇。
ご覧の通り無風状態の海面。
惜しくもレース終了後に風が吹き出した。
レースの結果は忘れて、佐世保の焼肉屋で打上げ!!
焼き物の里波佐見 この辺りには、数多くの窯元が散在し、普段使いのモダンなデザインの焼き物も多い。
ARCADIA号のマスコットベービー?
ヨーロッパスタイルのハウステンボス庭園。 散歩をすると落ち着く所だった。
8月27日・8月28日
ハウステンボス(長崎県)~野間池(鹿児島県) 127NM(約229KM)
出航時の計画では、屋久島に翌日の午後に着く予定であったが、夜中に海面の海草やロープなどの浮遊物がプロペラに絡まり、最寄の野間池港に入港することに成った。
8:30ハウステンボス出港
11:15 寺島水道の大島大橋通過
うろこ雲が現れたので天候悪化のいやな予感があったが、天気予報を信じて屋久島を目指す。
16:30 野母崎沖通過
18:45 日没
ほぼ満月で、視界も割と良かったが、夜中に雨雲が現れ闇夜と成る。 その後、漂流物がプロペラに絡まり、船速が一挙に落ちた。昼間であれば、船底に潜ってゴミを除去するのだが、闇の中では危険なのでセーリングで野間池港まで走る。原因はホンダワラとナイロンロープがシャフトとプロペラに絡まっていた。
5:55 薩摩半島の奥に櫻島の火口が見える。雨混じりの天気で気温も低い。 今夏、初めて海上で長袖と長ズボンを着用した。
美しい南薩摩の光景が広がっていた。
9:00 野間池笠沙恵比寿入港
台風15号の被害でやっと電気が通じ営業を始めたのことだった。 物凄い風が吹き、ヨットはご覧の通り無残にもマストが折れていた。漁船も被害にあっており、至る所で民家の屋根瓦も飛ばされていた。
垂乳根号もこのありさま。
8月30日
野間池(鹿児島県)~枕崎(鹿児島県) 22NM(約40KM) 曇り時々雨 26℃
8:30 野間池出港 当日も屋久島を目指したが、沖合いに出てから前方からのうねりで大きく妨げられた。
12:30 これ以上うねりを受けて屋久島まで行くのは、危険と感じ最寄の枕崎港に入港。
大潮の枕崎港 満潮時は岸壁すれすれまで潮が上がり、干潮時はこれより2M以上も下がった。 枕崎港は大きな港町で銭湯、スーパー、居酒屋、陸電も大抵のものは何でもあり。
干潮時の様子
先ずは、腹ごしらえで待望の「船人飯」を食す。 急須に入った熱いだしを生の鰹が載ったどんぶりに注いでお茶漬けの様に食べる。絶品!!
「枕崎駅」は、最南端の始発・終着列車の駅
地元のスーパー「タイヨー」
本ブログの読者でもあるフェニックスⅢとAIA両艇長と枕崎港で初対面。 地元の居酒屋で乾杯!!
8月31日
秋雨前線が南九州に停滞していたため出港できず。時折、すさまじい豪雨、突風、雷が起きた。
枕崎漁港から徒歩10分程の所に「薩摩白波」の工場があったので見学に行ってみた。芋の収穫時期に合わせて仕込みも始まり、当日は芋の選別をやっていた。翌日が芋を蒸す工程と成る。必見!!
中には工場限定の商品もある。販売所は混んでいなかったので、ゆっくりと説明を聞きながら試飲が出来た。
土産をいっぱい携えたフェニックスさん。
工場内にあるレストランで食べたランチメニュー。 コーヒー付きで¥700
蒸留中の焼酎
今年初めて蒸留された原酒。 これを寝かしたり、加工したりしてさらに美味しくする。
9月2日
枕崎(鹿児島県)~宮之浦(屋久島) 54NM(約97KM) 曇のち雨 29℃
秋雨前線が北九州に北上したため取りあえず屋久島までを目指した。 天候が急転しやすいため長い距離の航海は難しい。 当分刻みながらの航海となりそう。
7:00 枕崎港出港
開聞岳
12:00 竹島通過
噴気が立ち昇る硫黄島
屋久島近くで前方に現れた黒い雲。 その後、小雨がパラついただけですんだ。
16:30 宮之浦港着岸後、突風を伴った大粒の雨が降り出した。
9月4日・9月5日
宮之浦(屋久島)~古仁屋(奄美大島) 188NM(約338KM)
6:40 宮之浦出港 フェニックスIIIとAIA両氏は、その後、指宿に向かった。
海況さえ良ければ、2ナイトしてでも沖縄の宜野湾まで、一直で向かうつもりであったが、奄美大島を出たところで低気圧が急激に発達したため向かい風と波に阻まれて奄美大島の古仁屋に入港せざるを得なくなった。
屋久島の連山。 是非、来年は登ってみたい。
イルカがジャンプで迎えてくれた。
船窓から見る東シナ海の落日
べた凪の海。 夜間は月の出が遅く本船の灯り以外見えなかったので、Watchは諦めて出来るだけ寝ることにした。
夜明けごろから風が吹き出しスピードに乗る。
奄美大島を寄らずに素通りしたが、この先で天候が急変する。
逆戻りすることに成ったが、奄美の大島海峡を通って古仁屋に向かった。
17:20古仁屋「海の駅」に係留
隣接する古仁屋漁港
着岸後、近くの銭湯に行っていい気分に成ったので、8時頃には寝てしまった。
9月6日
一日中雨模様の天気だったので出航は取り止めて自転車で古仁屋の町を走る。マングローブが生い茂る海岸。 やはり、奄美に来ると自然環境がガラッと変わる。
瀬戸内町の郷土歴史資料館 昔の船は中国のジャンク船と非常によく似ていた。
古仁屋港の海の駅で食べた日替わりランチは鶏の唐揚でボリュームいっぱい¥800
9月7日
朝の天気では何とか徳之島くらいまでは行けそうな天気予報だったので7:00に古仁屋港を出港。 しかし、奄美大島を出たところで気象庁の雨雲レーダーに雷を伴った雨雲が映っていたので、古仁屋港に引き返すことにした。やはり古仁屋港に入港する頃には雨が降り出した。今日の出港は諦めて銭湯に行き早く寝ることにした。
気象庁の発表する雨雲レーダー映像。 雨雲の発生状況と動向がよくわかるが、天候の急変には気を付けたい!!この秋雨前線では、突然に赤とか黄色の表示の雨雲像が発生し急激に大きくなる時もあったので非常に恐い。
明日はよい天気に成りそうかも?
Good night!!
9月8日
古仁屋(奄美大島)~亀徳(徳之島) 34NM(約61KM)
7:00 朝から晴れの天気で北寄りの風、波高2Mの予報だったので、出港することにした。
奄美大島を出たところで潜水艦が浮上しているのを見かけた。
奄美大島を離れるに連れて波が高くなってきた。
今日の予報では2Mだったはずがご覧の通りに3M以上はありそう・・・今更愚痴を言ってもどうにもならない!!
徳之島の島影に入ると若干波が弱まったように思えた。 航海中はフルセールから2ポイントリーフ(縮帆)に変えてジブは船が安定する程度に少し出していたが、強い追い風のため6ノット以上をキープしていた。
徳之島の亀徳港へ・・・ここは、まるで沖縄の夏と変わらない。 カラッとした風が涼しく心地よい。
北寄りの風が吹くのでバウ(船首)を北向きにして係留した。 すぐ近くに食堂、ガソリンスタンドあり。
近くの食堂で食べた魚汁定食。
自転車で15分ほど走れば役場の近くにサウナ「かめつ」があり、旅の疲れが癒される。 バスでも行くことができる。貸しタオル付き¥700 午後2時より営業。
9月9日
亀徳(徳之島)~和泊・知名(沖永良部島)
8:00 亀徳港出港 波の高さは2Mの予報 島伝いは北風が島に遮られて幾分波は静かだった。
やはり、うねりは昨日よりも波長が長く高くなっていた。
沖永良部島の横を走りながら和泊港に向かった。
和泊漁港への入口は、珊瑚礁で狭く長いので座礁しないよう注意が必要!!
漁港は、地元の船でいっぱいで係留するところが無かったため修理中の船に横付けさせてもらった。
奥の古い港は一見のどかな風景だが、干潮時は海底が干上がる。
和泊の風呂は金曜日~日曜日だけなので、風呂に入れないため、8マイルほど離れた知名漁港に向かった。 知名港入口は九州電力の煙突が目印となる。
ここも波は荒く風も強いので座礁しないように注意が必要だ!!
17:00 知名漁港に接岸。 ここは、避難港に指定されているだけあって係留するには十分なスペースがあった。
知名港の前にはフローラルホテルがあり風呂にも入れ、食事も出来る。また、コインランドリーも使えた。すぐ近くには、スーパーのAコープもある。
9月10日 晴れ29℃
台風17号18号の影響か海は益々時化てきており、今日は地元の漁師も漁に出ない。そこで昨日知り合った地元の洞窟探検家S氏に島内観光に連れて行ってもらう事にした。 農業用湧水池の前に立つS氏。
アダンの葉、黄色いパイナップルのような実がなる。
不思議にも葉がドリルのような螺旋形に捻れていた。
沖永良部の鍾乳洞「昇竜洞」に入ってみた。 前長3.5KMもある大変大きな長い鍾乳洞であった。
鍾乳洞の入口は谷のような分かりにくいところにある。
入口の付近は高さもあり体育館程度のスペースがあった。 まるで、「インディージョーンズ」の映画に出てくるようなシーンであった。中はひんやりとして涼しい。
ツララのような天井から垂れ下がる鍾乳石。
入口から更に下っていく。 とこどころは狭くなっているので、屈んで通り抜け無ければならない所もあった。
壁は、光り輝くダイアモンド!?
長い地下の迷路を歩くようであったが、出口に来るとほっとした。
徳利椰子の木
航空自衛隊のレーダー基地
展望台から島の東側を望む。
沖永良部島にハブが居ないので安心である。そこには奄美や沖縄と違った独特の自然環境があった。 偶然にも野生の雉のつがいを見かけたがカメラで撮れなかった。
ハイビスカス
今まで見たことも無い不思議な形の植物である。
島の昼顔
知名町歴史民族資料館
和泊ユリは、古くから観賞用として欧米に輸出されている。 後の織機で特産の芭蕉布を織ったりしていたそうだ。
島のほとんどの畑でサトウキビを栽培しており、島には製糖工場もある。
昼食を食べたSさんなじみの喫茶店。 壁は、さんご礁の石で出来ていた。
喫茶店前の誰も居ないビーチ
まだ、波は大変荒いが、明日は出航出来るのだろうか?
以降、エピローグに続く
...to be continued to the epilogue.