漢検道

あおむしのヨチヨチ漢字道。

続き 渾然一体

2009-03-17 00:19:35 | Weblog
先日紹介した淮南子出典の一級配当四字熟語の配当字の確認の続きです。

渾然一体では「渾」(コン)、訓読みは(にご・る)、(すべ・て)。 意味欄には、水が湧き出て盛んに流れるさま…渾渾=滾滾。 まじる、にごる、まじりあう…渾沌。 すべて、まったく…渾身、渾碧。 とあります。 熟語は、見出し語には渾渾(コンコン)、渾身(コンシン)、渾然(コンゼン)、渾沌(コントン)=混沌、宛字で渾名(あだな)=諢名、綽名があります。

本試験七番の音熟語・訓読みの問題にするなら、

渾身・渾て (コンシン/すべ・て)
渾沌・渾る (コントン/にご・る)

くらいかなぁ。 簡単過ぎて出ないか?

他の熟語も適当に列挙。 最近は漢検漢字辞典のみならず、他の辞典も一応見てみることにしています。 渾厚(コンコウ)、渾大(コンダイ)、渾天(コンテン)。 下つきで、奔渾(ホンコン)…川の流れが急ですさまじいさま。 香港ではない。 許渾(キョコン)…人の名前。巨根ではない。 雄渾(ユウコン)これは本試験にも出てるな。
 というか、この「渾」は本試験に結構出ている。

・渾身
  コンシンの力をふりしぼった。 9-2書き取り

  世は既に才子佳人相思の繊巧なる小説に飽けり、俠客烈婦の講談めきたる物語に倦めり、人は漸く人生問題に傾頭して神霊の秘密に聞かんとするの今日、作家たるもの満腔の同情を彼等悲惨の運命の上に注ぎ、コンシンの熱血を其の腕下の筆に瀉ぎて、彼等憫れむべきの生涯を描き、彼等不告の民の為に痛哭し、大息し、彼等に代わりて何ぞ奮って天下に愬うるを為さざる。 田岡嶺雲「下流の細民と文士」より 15-2文章題書き取り

・渾沌=混沌 
  須臾にして溟中コントンのところ依稀として五彩の竜文を作し、次第に鮮明を加えて光芒陸離、遂に混じて猩血の色をなす。 遅塚麗水「不二の高根」より 13-3文章題書き取り あ、麗水だ…。「幣袋」が20-3で出たね。 最初この「幣」が読めなくて困った。 ちゃんと表外読みで(ぬさ、みてぐら)と辞典にも載ってるね。 またまた逸れましたが、まぁ、この設問では常用の方でもいいので、といいますか、渾=混で書き換え出来るものが結構あるんですね。

・雄渾

  力強くよどみのないこと…雄渾(ユウコン) 18-2語選択書き取り

 …なんか、メインブログに書けばいいような記事になってきた。 あくまでこっちは自己満足日記なのだが。ま、いいか。

 今日はこの渾然一体の「渾」だけ。 続きはまた。