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尾崎酒造で酒蔵見学♪

2012-03-12 08:32:56 | 体験

南の方では、あと数週間もすれば桜がほころび始めますね

春になれば、動植物の動きが活発化してきます
ただ、中には寒い冬に活躍する微生物もいるようです。

さて今回は、そのような微生物が活動している場所におじゃましてきました


『尾崎酒造』

1860(万延元)年に創業したといわれている青森県西海岸で唯一の酒蔵です。

鰺ヶ沢町の国道101号線(旧道)沿いにあるこちらの建物は、酒蔵兼販売店になっています。

そう、今回の目的は酒蔵見学

 

 
といっても、お昼近くに訪れたので、酒蔵での作業はほとんど終了していました

スタート地点は、こちら。
精米された酒米を洗ったり蒸したりする「釜場」というスペース。

朝早く訪れると、湯気が立ち込める釜場での作業を見ることができるようですが、この時は既に片付いている状態でした。

 

 
 
こちらの男性は、今回お世話になった社長の尾崎行一さん。十三代目になります。

尾崎社長の見つめる先(蔵の裏手)からは、白神山地の伏流水が湧き出ているということです
酒の約8割は水が占めているので、仕込み水はとても重要なのだと伺いました。

 

 

 
続いて案内されたのは、「製麹(せいきく)室」
この部屋では、酒造りの中でも非常に重要な麹造りが行われます。

(※画像クリック

作業自体は終わっていましたが、室内を覗くことができました。
実際に作業しているときの室温は、30℃以上にもなるそうです・・・
麹菌が繁殖しやすい温度に合わせているようですが、おいしいお酒を造るためには苦労がつきものなのだなぁ・・・と。

 

 

こちらは「酒母(しゅぼ)室」といって、お酒のもととなる“酒母”を育てる部屋になります。
ちなみに、酒母とは水と蒸米と麹を混ぜ合わせたものです。
 
(※画像クリック

ところで、室内に気になる水色の巨大な瓶が数本置いてありました。
一升瓶よりもはるかに大きいこの瓶の中身は、新酒です

品評会に出すお酒だということで、この時、お酒に含まれる澱を沈殿させている真っ最中でした。

 

 
 
おや?大きなタンクを背に、なにやら話し込んでいますよ。
ここは、もろみを製造する「仕込蔵」です。

尾崎酒造が蔵元として創業する前は、海産物の販売など海に関わる商売をしていたのではないかと伺いました。
というのも、社長の御先祖様は北前船に乗ってはるばる福井からやってきたそうで
その後、桜田門外の変が起きた1860年に酒造りを引き継ぎ、現在に至ります。

 

 

さて、酒母・麹・水を混ぜて造るもろみは、25~30日ほどかけて発酵させます。

もろみの中に含まれる酵母は、温度が高くなるにつれて動きが活発化し、発酵が早く進みます。
また、時間が経つと自ら出したアルコールで死滅してしまい、そこで発酵が終わるのだそうです。

低温でゆっくり時間をかけて発酵させた方が、質のよい日本酒に仕上がるといいます。
日本酒の仕込みを冬に行う蔵元が多いのは、こうした理由からなんですね。

(※画像クリック

それにしてもいい香りです。
タンクの中から溢れだすフルーティな芳香は、いつまでも嗅いでいたいくらいです 炭酸ガスが発生しているので、嗅ぎ過ぎには注意!

 

 

はて?そのタンクに、なにやら書かれていますよ? もしや、落書きじゃ!?

いえいえ、決して落書きなんかではありません!
タンク内の温度を毎日欠かさずチェックして、このように書き記しているのだということです。

この温度表示は、全てのタンクに書き込まれていました。
大事に大事に育てられたもろみは、このあと、おいしいお酒に生まれ変わります

 

 

そのお酒を造る機械がこちら。
厳密には、もろみを搾って、清酒と板粕(板状の酒粕)に分ける機械です。

(※画像クリック

訪れたときは清酒を搾った後で、板粕を剥がす作業の最中でした。

 

 

剥がされた板粕は、左写真のような引き出し状のバットに集められます。
ひとつのもろみタンクから、500~600kgもの板粕がとれるのだそうですよ!
 
一方、清酒は銀色の容器(右写真)に集められます。

 

 

こちらは、清酒をさらに濾過している場面。
ちなみに、銀のたらい状の容器に入っているのは大吟醸酒です

(※画像クリック

あたり一面にリンゴのような芳香を漂わせる大吟醸酒は、左側の濾過器を経て別のタンクに貯蔵されます。

 
ということで、酒蔵見学はここでおしまい。
このあと、場所を移すべく入口へ向かいました



 

こちらは、棚に陳列された日本酒の数々と写真数点。
建物に入ってすぐの場所にあります。

(※画像クリック

写真をよ~く見てみると・・・

なんと!写っているのは、森繁久彌さんではないですか!!
でも、なぜ?

 


実は、下の額縁に入っている「神の座 大吟」という文字、森繁さん自身が書かれたものなのだそうです。
 
(※画像クリック

この「神の座 大吟」は、お酒(大吟醸酒)の名前です。
(森繁久彌氏の)息子さんを介して、ご本人からこの文字をいただいたそうですよ。
名前自体も森繁さんが考えたということですから、この大吟醸酒に相当惚れ込んでいたのかもしれません。

これは名前をいただく前の話だそうですが、森繁さんにこのお酒(神の座)を飲んでもらったところ、えらく気に入られたようで。
その後、2回ほど飲んでもらう機会があったようですが、2回ともおいしいと選ばれたのがこのお酒(神の座)だったといいます。
(2回とも、以前飲まれたお酒と同じものであるということは伝えていなかったそうです。)

 

 

こちらは、「神の座」という名前の由来がよく分かるようにと、森繁さんが添えてくださった詩の一部です。
神の座とは、神様が酒を飲んでいる(神様が輪になって酒を酌み交わす)といった意味だそうですよ。

ところで、上の文章で気になる文字がありませんか?

【榨】という文字。
【搾】ではないかという疑問・・・

ですが、この文字は間違いではなく、歴とした意味が込められていたのです。

【搾】は、水などが染み込んだ布などに力を加えて、水分を出す。
【榨】は、自然に滴り落ちる。といったような意味を持つ文字なのだそうです。

大吟醸酒である「神の座」は、先程のもろみを搾る機械には通しません。
袋の中にもろみを入れて吊るし、自然に滴り落ちるのをただひたすら待ちます。

普通酒であれば【搾】となりますが、大吟醸酒だと【榨】になるわけです。
いや~、細部にまで意味が込められていたんですね スバラシイ!

 

尾崎さん夫妻から色々とお話を伺い、特に「神の座」が気になって仕方なかったのですが・・・
タイミング悪く持ち合わせがなかったもので、残念ながら購入することができませんでした トホホ・・・

神の座 大吟 1800ml ¥10,000(内税) / 神の座 大吟 720ml ¥4,500(内税)

 

その代わりに「大吟醸 安東水軍」「純米大吟醸 白神のしずく」の180ml瓶 /各¥525(内税)を購入してみました♪
飲み比べができる手頃な値段と手軽なサイズが嬉しいですよね
 
さらに、この時期限定の「安東水軍 しぼりたて純米無濾過生原酒」もオススメです!
例年、3月頃までの販売になるそうですから、気になった方はお早めに


さて、仕込み期間中の酒蔵を見学できるのもあと数週間程度です。
ぜひ、3月中に一度訪れてみてくださいね


「神の座」詩「神の座」詩(森繁久彌さん直筆コピー)

   

§尾崎酒造§
■住所 青森県西津軽郡鯵ヶ沢町大字漁師町30
■TEL 0173-72-2029 / FAX 0173-72-6655
■蔵見学可能期間 通年(但し、酒造りの期間(12~3月頃)以外は、基本的にお断りしているとのこと)
■蔵見学可能時間 8:00~16:30 (※要予約)
■見学料 無料
■定休日 毎週日曜日
■最寄駅 JR鰺ヶ沢駅(五能線)/ 駅から車で約7分
 弘南バス[弁天行き]か[黒森行き]で約7分、「漁師町バス停」下車すぐ
■HP http://www.ozakishuzo.com/

 
by ヴァ♪


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