日々雑感  ~ 青亀恵一

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さかの真理という人 Part 2 (7)

2010-04-21 06:49:13 | 社会
さかの真理という人 Part 2 (7)


■ ある小児科研修医 (7)

(続きより)

よい小児科医が育っていくには、
与えられる研修の質や量だけではなく、
研修医自身の、
患者と対峙し問題点や課題を見出していく能力が
必要になってくる。


「小児救急の現場で3カ月間学べば、
患者の子どもが重症か軽症かを
とりあえず判断できるようになる」

と言われている一方で、
3カ月間の小児科研修を行う臨床研修指定病院は
全体の2割に過ぎず、
現場を見学して終わってしまらようなケースもある。


研修期間を終えた医師の質を
保証する仕組みがあるかといえば、
これも怪しい状況である。


各学会が鑑定している「専門医」や「認定医」という資格は、
医師の肩書として認められており、
優れた医療技術と十分な知識、
そして患者本位に考えてくれる医師であることの証明と
受け止められている。


厚生労働省研究班の調査では、
認定制度を持つ学会は123学会あり、
全国の医師数約26方人のうち、
約6割が学会によって呼び方がさまざまな専門資格を持っている。

認定された資格保持者の総数は延べ30万7000人。

しかし、その認定は自己申告に基づいて行われることが大半で、
実技試験を課している学会は10に過ぎない。


日本小児科学会でも、
学会の認定施設に勤務していれば、
自分が経験した30症例の内容を試験委員会に提出し、
筆記試験と面接試験を受けるだけで
「専門医」の資格を得ることができる。


知識を問うだけで技量が評価されるわけでほない。

合格率は、9割前後。

認定施設は、
学会が定めた到達目標に沿った医師の育成プログラムを組んでいることとなっているが、
そのプログラムが優れたものなのかどうか
検討されることもない。


小児科の専門医制度は
子どもたちに質の高い医療を提供するためにある、
とは言えないのが現状なのだ。


埋貴ちゃんを診察した当直医も
日本小児科学会の認定医で、
学会内の制度の変更に伴って小児科専門医の資格を得ていた。

(終わり)

「東部地域病院の理貴ちゃんの死」とは、
共同通信記事より 2003/06/01
http://www.47news.jp/CN/200306/CN2003060101000109.html

「腸閉塞の男児放置され死亡 東京・葛飾の東部地域病院」

東京都葛飾区の都保健医療公社「東部地域病院」で、
入院中の5歳の男児が容体が悪化したまま2時間半にわたって放置され、
腸閉塞(へいそく)で死亡していたことが1日、分かった。
警視庁亀有署は業務上過失致死の疑いもあるとみて調べている。
病院によると、死亡したのは葛飾区の保育園児、豊田理貴ちゃん。
3月9日午前4時半ごろ、腹痛を訴え同院で診察を受けた。
1度は帰宅したが、腹部の腫れが引かなかったため3時間後に、再度病院を訪れた。
診察した当直の小児科医(32)はエックス線撮影と点滴、かん腸をして午前11時ごろ入院させた。
小児科医は日勤の医師に「腸閉塞の疑いの子がいる」と引き継いだが、エックス線写真は見せていなかった。  
理貴ちゃんの容体は悪化し、午後1時半ごろには口と鼻から液状のものを吐いた。
この段階で日勤の医師が心臓マッサージをするなどしたが、午後4時過ぎに死亡した。
死因は腸がねじれて急激に悪化する腸閉塞だった。





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