だいすき

基本的に自分の好きなものについて綴っていきます。嫌いなものやどうでもいいこと、さらに小説なんかもたまに書きます。

続・キーチVS

2008年04月29日 01時17分33秒 | 漫画やアニメが好き
 この作品には前章があって、そのタイトルは『キーチ』。
 主人公染谷輝一の幼稚園時代から小学生時代までを。
 正確には、自分に最大の愛を注いでくれた両親を亡くすところから、拳銃を手に国会議事堂前占拠事件を起すところまでを描いている。

 その後数年を経て再開された『キーチVS』は、作中でも十年の時が流れていて、その流れを読者に認識させる為に、最初の三話である親子の姿を描いている。
 痴呆症になった母親の介護に疲れた男性が、無理心中をしようと富士の樹海を目指す姿だ。
 その過程でいまの世界や、輝一の影響を受けた人の姿を自然に描いている。
 象徴的なのが三話のラスト。
 いよいよ富士の樹海に足を踏み入れた二人を、たまたま偶然通りがかった男性が助けるシーン。
 男性は二人を道路に引きずり出しながら、涙ながらに叫ぶ。

「今っ 見てたぞちくしょ!!
 見たらっ、助けるっ。
 こんなのっ 当たり前のことだから。
 死なせねえぞ。
 クッソ!!
 ちくしょう!!
 俺にも輝一見たくできたぞーーっ!!」

 側の道路には看板が立っていて、看板にはこう書かれている。

『まっとうでいろ
 あきらめるにはまだ早い。
 こんな世の中にも染谷輝一はいる』

 まっとうでいることがこんなにも難しい世の中で、輝一が闘い続ける。
 『キーチVS』はそんな漫画。

コメントを投稿