こうま座通信

終わりのない文章

こころの時代~宗教・人生~ 選「わかり合えないをわかりたい」安彦良和先生

2020-06-30 | Weblog
このような番組を見逃していたとは迂闊でした。
コロナのおかげか、再放送を見ることができました。

多くは、すでに著書等で語られていたことだとは思いますが、
改めて本人の口から語られる、それが格別でした。
何か一言いうごとに、自分で自分に突っ込んでしまう、
ことばにすることに、ことばを選ぶごとに、ためらいがある、
そんな安彦先生の語り。

アムロとお母さんの再会のシーンが取り上げられていました。
ジオン兵に発砲したアムロに対して、母、
「あの人たちだって子供もあるだろうに・・・荒んだねえ」
そんな、わかってくれない母に
「戦争なんだよ?!」とアムロ・・・。

家族のわかりあえなさ。

浮かばれない人々。宇宙移民から難民問題まで。

『我が名はネロ』、わかりあえなさを超えたところの赦しについて。

暴君ネロへの人々の憎悪が高まったとき、ネロを殺してしまえばそれで
読者はスッとするだろう。
けど、そこに更に、そんなネロすらも赦すという、人間存在の奇蹟。
なかなかそこまで寛大にはなれませんが、岩川直樹先生のいう、
より高次元の欲望に開かれる・・・という点とシンクロすると感じました。

また、最近の日本スゴイ、日本のマンガすごい、日本のアニメすごいという風潮にも
鼻じらむような思いがおありのようでした。
サブカルなのに図々しい(?!)、たかがマンガ、たかがアニメ、
みたいな思い。安彦先生の、偉くなりすぎたくないという矜持のようなものでしょうか。
でもそれらも、ご自身の意図が、なかなかうまく伝わらないんだと、難しそうにことばを選んでいらっしゃるのが、なんとも言えない味がありました。

「こころの時代」、いつも見れるわけではないのですが、余韻があり、奥行きがあり、好きな番組です。
私が見る回だけかわかりませんが、いつも宗教や信仰の話になるのですが、番組の作り方としてひょっとして青汁から学んでる?って思えるところがあり(褒め言葉)、そこも含めて好きです。
<アキバのガンダムカフェでガルマ推し>とかいう話題を経由して、信仰に着地するのって大変なのかなと思うけど、そこが好きです。

追記
私はここ数年、「哀戦士」を日常的に聴いていて、こんなすごい歌他にないと
思っているのですが、この番組では「めぐりあい」が流れていて、それがまた番組によく合っていました。安彦先生の語りには、哀戦士では過剰すぎますので・・・。

井上大輔さん『哀戦士』
https://www.youtube.com/watch?v=0ljS0UtL4h4

追記2;先日たまたまヤックンが28年ぶりに「100%Soかもね」をパフォーマンスというのを見かけました。こちらも井上作品。
「♪街中を、逆立ちしたまま・・・」のところ、歌詞の内容はともかく、メロディーは「哀戦士」と通じる美しさ。そこだけでジオンのモビルスーツが降りてきそうです。

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