アニメ「K」を噛みしめる

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周防尊語り~GREEN あざの耕平~2013年4月21日

2013-04-23 | GoRAさんK語り
GoRA‏@GoRAproject4月21日
今回もキャラについてコメントせよとのことなので、担当したキャラの周防尊について、ちょっと喋ってみます。(グリーン)

もっとも、企画スタート時はともかく、いまや「K」の各キャラクターは、担当者の手を離れて成長しています。GoRA内でもそうだし、制作サイドという意味でもそうでしょう。(グリーン)

特に周防というキャラクターは、その傾向が強い気がします。「K」を楽しんでくれている「ファンにとっての周防」が、すでに「いる」のです。ぴったり一致はせずとも、大まかに「こんな」というイメージが。

だから「周防はおれの担当キャラだから、実は熱帯魚マニアって設定にするぜ」なんて言っても多分通りません。みんなの中にいるキャラ自身が「ノー」と言うでしょう。個人的には、よく成長してくれたなあ、という気分だったりします。

あ、でも、とっさに適当に書いたわりに、周防と熱帯魚って意外と相性は悪くないかも?w アンナも好きそうだし、世話はどうせ草薙がするんだろうしw

さて、ちょっと話しが逸れました。前置きが長くなりましたが、そんな風にみんなの周防像が確立してるのを承知の上で、私自身の周防像というのを少し。

私の中では周防は、大きく二つの要素を抱えたキャラクターです。それが、「自由」と「破壊」になります。

まず、個人的に思うのは、実は周防って、友情に厚いタイプじゃないということ。まあ、こういう書き方だと語弊があるかもしれませんが、実際彼は、チームのトップでありながら「群れる」という印象がほとんどありません。

これは、周防が「友情第一」でも「仲間のために生きる」タイプでもなく、まず「個人」として立っているからでしょう。決して仲間を蔑ろにしているわけではありませんが、仲間に依存することもない。サバサバとしていて、「冷たい」という意味ではなく「ドライ」なのです。

誰にも依存することなく、自分の思うままに生きるタイプ……とかいいながら草薙にはだいぶ寄生してますがw、仮に草薙が面倒を見切れずに追い出したとしても、平然としていると思います。しかも草薙に対する接し方は、その後もまったく変わらないでしょう。

特に深く考えるまでもなく自然と、思うがまま、感じるままに生きる。その上で、気が合うやつとは付き合うし、誰に嫌われようと気にしない。カラッとしていて、何にも囚われず、執着もしない。そんな「自由」が周防の下地にはある気がするのです。

男性、特に「男の子」が憧れるタイプかもしれませんね。

ただその一方、周防を象徴するもうひとつのキーワードが「破壊」です。何もかもすべてをぶっ壊してしまいたいという破壊衝動は、常に彼の中で燻っています。

これはおそらく、現代の社会や人間関係が、周防の中の「自由」を阻害するから――根本的なところで、否応なくぶつかってしまうからかな、と個人的には思うわけです。

人は基本的に集団で生活せねば生きていくことができません。しかし、周防は(多分)そうではない。仮に生きて行けないなら、それはそれで構わないと思っているのです(多分)。

だからこそ、社会や枠組みをすべて破壊したい、取り払って自由にしたい。そんな欲求が根付いているのでしょう。周防は細かいことは気にしません。目先の仕組みやルールが気にくわないというよりは、もっと本質的なところで現代社会との相性が悪いのです。

こうした「反抗者」のイメージは、これまた「男の子」が憧れるタイプですよね。周防がストリートギャングのキングでありカリスマであったのは、実に納得できます。

ただ、キングでありカリスマであったことが周防個人にとって良かったかは……意外と微妙かも、と個人的には思います。

吠舞羅が周防にとって憩いの宿り木だったことは、疑う余地がありません。ただその一方で、仲間の存在(特に、草薙や十束以降の、彼に憧れて集ったメンバーたち)は、周防を縛る新たな鎖にもなったような気がするのです。

しかもこの鎖は、「壊したくない」からこそ、これまでにない意味で周防をきつく縛り付けます。そこに自分にとっての癒しがあり喜びがあるからこそ、彼の中で不可逆的に育ち、ついには《赤の王》となる要因となっただろう「破壊」の衝動と、強烈にバッティングするのです。

幸い、周防には草薙と十束という理解者がいました。特に十束の存在は大きかったでしょう。彼がいるおかけで周防の「破壊」衝動は仲間に向かわず、逆に仲間を「守る力」に変換することさえできたわけですし。

ただ同時に、これは周防にとって初めての「依存」となった気がするのです。だからこそ、十束亡き後の周防は己の破壊に吠舞羅を巻き込むことを避けるには、真っ直ぐ個人的な破滅に走るしかなかった……とまあ、この辺りの印象は、それこそ人それぞれでしょうけどね。

劇中には草薙の「周防はサバンナにライオンとして生まれた方が幸せだった」という台詞があります。これは私が周防のキャラを作る際に彼を象徴する台詞のひとつとして提案したものですが、いまでも結構的を射ている気がします。

たとえば、草薙と周防の関係はフラットであり対等に近いため、この二人だけなら周防の破滅はなかったと思います。ただ、代わりに吠舞羅もなかったはず。個人的に、周防と草薙は「吠舞羅の保護者」であり、十束は「吠舞羅の象徴」というイメージです。

まあでも、こんな風に色々深読みしたとこで、「実際どうだったのさ」と周防に聞いても鼻で笑って何も言わない気がしますよね? で、「そういう反応するのが周防ってキャラです」というのが、実は一番しっくりくる彼の説明なのかもしれません。

以上、久しぶりなので思いっきり長文でした! 連投失礼しました! てか、実はこれ、書くのに三時間ぐらい掛かってるんですよ? 軽い気持ちで書き始めたらどんどん深みにはまってえらいことになっちゃったよ……。(グリーン)



アニメ「K」周防尊語り~GREEN あざの耕平~2013年4月21日
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