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政治そのほか速

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アップル拠点16年度稼働…横浜の工場跡地

2015-03-26 10:37:15 | キャリア・教育

 アップル拠点16年度稼働…横浜の工場跡地


 

健康、車技術開発へ


 


  • アップルが横浜市港北区に建設する技術開発拠点の完成予想図(アップル提供)

  •   米アップルは25日、横浜市港北区に大規模な技術開発拠点を建設することを発表した。


      日本には人気のスマートフォン「iPhone(アイフォーン)」に主要部品を供給しているメーカーが多数あり、健康や自動車関連の開発を進める狙いがありそうだ。


      アップルが取得した土地は、パナソニックが携帯電話などを生産していた工場跡地の一部だ。名称は「テクニカル・デベロップメント・センター」で、敷地面積は約1万2500平方メートル、延べ床面積約2万5000平方メートルで4階建てになる予定。2016年度中の稼働を目指す。アップルは「日本におけるさらなる業務拡大ができることを大変喜ばしく思う」とのコメントを発表した。


      アップルは昨年12月、横浜市のみなとみらい地区に開発拠点を設立すると発表していたが、港北区が本格的な拠点となる。開発内容は公表されていないが、日々の健康管理や自動車関連の技術などが対象になるとみられる。4月24日に発売する腕時計型端末「アップルウォッチ」は、心拍数や消費カロリーを測る機能があり、今後、健康関連市場の開拓を強化していく可能性がある。アップルが米国以外に開発拠点を設置するのは日本が初めて。日本にはアップルに部品を供給している工場が130か所以上あり、中国に次いで世界で2番目に多い。


      アップルは、中小型液晶大手の「ジャパンディスプレイ」が石川県白山市に建設する新工場にも資金を提供する方向で調整している。新型アイフォーンなどのディスプレーの生産を優先的に進めるとみられている。


      ITジャーナリストの林信行氏は「アップルは製造面でも市場としても日本を重視している。優秀な技術者を招き入れるほか、実力のある部品メーカーを買収する動きも出てきそうだ」と指摘している。


      (坂本幸信)



改革意識と挑戦心を歓迎…デサント

2015-03-24 12:21:26 | キャリア・教育

 改革意識と挑戦心を歓迎…デサント


 

人事課長 生田宜之さん 37


 


  • 生田宜之さん

  •   気軽にスポーツを楽しむ人から運動選手まで、幅広い人に向けたスポーツウェア・グッズの企画、製造、販売を行っています。


      社名の「デサント」はブランド名でもありますが、「アリーナ」「マンシングウェア」など15の海外ブランドの商品企画・販売も手がけています。


      国内に2社、海外に9社のグループ会社があり、特にアジアでの事業拡大に力を入れています。連結売上高は1000億円を超え、2015年3月期は海外の比率が初めて50%を超える見込みです。韓国では現地の好みを取り入れたシューズの売れ行きなどが好調で業績が伸びています。中国や東南アジアでも事業を拡大する計画です。


      新卒採用は、総合職のほか、商品のデザイナー職と直営店などで接客を行う販売職、地域限定のエリア総合職の採用を行う年もあります。総合職は、直営店の販売促進、百貨店やスポーツ用品店など取引先への営業、商品の企画、品質管理など多様な仕事があります。入社後3か月間の研修では、工場で商品を縫う作業や店舗で接客体験をして商品の流れを学びます。


      求める人材は、まずはスポーツやアパレルに興味があること。そしてチャレンジできる人。この業界は、少子化で国内市場が縮小傾向にあることなどから、従来のビジネスモデルでは勝ち抜いていけません。常に改革意識を持ち、失敗をおそれず挑戦できる人を歓迎します。


      選考では、大学生活で何かを改善したり改革したりした経験があるかどうかを見ます。小さなことでもいいので、具体的な話を聞けるかが重要です。


      海外事業に力を入れていることもあり、英語に限らず、外国語に強みを持つ学生も魅力的です。ただし不可欠ではなく、社内の語学研修制度は整っています。(聞き手・高山千香)


      ◆会社概要 1935年、前身の石本商店を創業。61年、現社名に。資本金38億円。売上高577億円(2014年3月期)。従業員数807人(14年3月)。本社は大阪市。東京、香港など国内外に9事業所。


      ◆採用計画 2015年4月の新卒採用予定者数は総合職で16人。16年度は15~20人を予定。適性検査、複数回のグループ面接などを実施。


      (2015年3月17日の読売新聞朝刊に掲載)



「日本人は人を騙さんからいい」

2015-03-24 12:19:38 | キャリア・教育

 「日本人は人を騙さんからいい」


 

 大根、牛蒡、白菜、豆腐…。日本食に欠かせないこれらの食材を車にいっぱい詰め、日系人や中国人、在住邦人宅に訪問販売しているディオニシオ・カプチャ・イラリオおじさん(77歳)。ペルー在住者の間では、「野菜オヤジ」「豆腐おじさん」などの愛称で呼び親しまれています。


 ディオニシオ・カプチャ・イラリオさん/77歳/ペルー在住/野菜の訪問販売


 ■これまでのキャリアと今の仕事について教えてください


 わしゃアンデスの町、ワンカベリカの生まれでの。13歳の時、一人でリマに出て来たんじゃ。最初はカリャオ(リマに隣接する都市)の日系人、アウグスト・トウヤマさんの豆腐工場で働いた。でもトウヤマさんが工場をたたんで日本に行っちまってよ。わしより年寄りじゃから、もう死んでるかもの。で、その後リマのヒガシオナさんのとこ、これまた豆腐工場で働いて、1960年ごろからニシヤマさんとこでずっと働いた。今、わしが売ってる豆腐は、ニシヤマさんの豆腐さね。でも雇われの給金は僅かなもんさ。やっぱり自分で売るほうが金になるってんで、それで日本食材の販売を始めたってわけよ。最初は自転車でね。トラックも持ってたけど、酔っぱらって壊しちまった。はっはっは。今のワゴンに変えたのは最近よ。とにかくわしは、日系人とずーっと一緒に働いてきたんだ。


 今扱ってる食材は、日系人や中国人が育てている野菜20種類ほど。夏はゴーヤやヘチマ、オクラ、ナス、キュウリなんかが出る。冬は大根、牛蒡、冬瓜、里芋かな。あとは乾麺、ぎょうざの皮、豆腐、揚げ、かまぼこ、餅、せんべいなど。出汁の素やみそ、ごま油なんかもあるよ。それを朝8時から夕方4時くらいまで売ってまわる。でも毎朝足りないものを仕入れにいくから、家を出るのは朝の5時だ。


 ■現在のお給料はどうですか?


 週5日、1日30件ほどのお宅を回るかな。1軒あたりの売上は、20~50ソレス(約780~1,950円)とバラバラだ。時には一家で豆腐一丁(8ソレス/約310円)しか買ってくれん場合もあるから、なんとも言えんがの。昔はもっと売れたけど、今はスーパーやらメルカド(伝統的市場)でも、豆腐やネギ、白菜なんかを扱うようになったから、売上は随分と減っちまったわい。


 日本の野菜や食材がぎっしり詰まった車内。漬物や納豆も売っている


 ■今の仕事で気に入っているところ、満足を感じる瞬間は?


 そりゃ慣れてるってことだね。若い時からずっと豆腐や野菜を売ってきた。それに、独立してるってのはいいことだ。自分がやりたいようにやれるんだからな。


 「息子と二人なので気楽じゃよ」とおじさん。「ヤスイ」「タカクナイ」「アリガト」と言った日本語は知っている


 ■逆に今の仕事で大変なこと、嫌な点は?


 難しいことなんかないが、今は競合相手がいっぱいだから、商売は厳しいねぇ。それにもう一台車があったらもっと商売ができるけど、人を雇うのは難しい。以前雇っていた運転手も、「もっと給料をあげろ」ってうるさかった。今は息子と二人でやってるから、ま、トランキーロ(落ち着いている)さね。


 ■ちなみに、今日のお昼ごはんは?


 昼は街の食堂で定食を食べることが多い。行きつけは「どんぐり」っていう日系人の店。今日の定食は、スープとオユキート・モンタード(9ソレス/約330円)。オユコっていうアンデス原産の芋を使った炒め物に、目玉焼きが乗ってるんじゃ。ただ、わしはもう年だし、量は食べれんから、スープは残すことが多い。もちろんデザートは別腹じゃ。


 あと、この店は時々うちの商品を買ってくれるんで、店が忙しくない時は、それでゴーヤチャンプルーを作ってもらうよ。ゴーヤは身体にいいんじゃ。ずっと日系人と付き合ってきたから、日本の家庭料理はよく食べさせてもらったよ。今でも豆腐は食べるし、時々「ソパ・デ・ミソ(味噌汁)」も飲む。だからわしは元気なんじゃ。


 本日の定食は野菜のスープ、オユキート・モンタード、ゼリー、飲み物


 デザートはイチゴ味のゼリー


 ■日本人のイメージは? あるいは理解しがたいところなどありますか?


 日本人(日系人含む)は真面目だし、優しいし、ペルー人みたいに嘘をつかんからいいわ。はっはっは。


 ■最近TVやラジオ、新聞などで見た・聞いた日本のニュースは何ですか?


 ケーブルテレビがないから、日本のニュースはなんも知らん。でも、地震と津波は知っとるよ。えっ? もう4年も前か? もう大丈夫か? そりゃよかった。


 ■休日の過ごし方を教えてください。


 休みは月曜と火曜日。火曜は野菜の仕入れ日じゃが、それは息子の担当だ。わしは家でテレビをみたり、奥さんの面倒をみたりしてる。わしの奥さんは目が見えんのでの、もう治らんのよ。だから休みの日は一緒にいて、いっぱい会話するんじゃよ。


 ■将来の仕事や生活の展望は?


 もっと儲かったら、車をもう一台買って…。んー、それは息子の時代かの。わしゃもう年だしな。神様がずっとそばにいてくれるから、それでええ。真面目にやっとりゃ、いつだって神様は助けてくれるんじゃ。え? カトリック信者かって? まあ、そうじゃよ。教会には行ったことないがな。はっはっは。



邦人人質事件への日本政府の対応をどう見るか? 黒木英充、高橋和夫、萱野稔人らが議論(5)

2015-03-18 15:14:09 | キャリア・教育

 邦人人質事件への日本政府の対応をどう見るか? 黒木英充、高橋和夫、萱野稔人らが議論(5)


 

  THE PAGEが放送したTHE PAGE 生トーク「中東とどう向き合うか~イスラム国から日本外交まで~」。出演は、黒木英充・東京外国語大学教授、鈴木恵美・早稲田大学イスラーム地域研究機構招聘研究員、高橋和夫・放送大学教授。司会・進行は、萱野稔人・津田塾大学教授、春香クリスティーンさん。
 
  以下、議論の第5部「中東と日本 人質事件が残したもの」を議論した部分の書き起こしをお届けします。
 
 ※討論の動画は本ページ内の動画プレイヤーでご覧頂けます。


日本政府にできることは限られていた

 [画像]鈴木恵美・早稲田大学イスラーム地域研究機構招聘研究員


 (以下、書き起こし)
 
 萱野:最後のテーマにもなりますけれども、日本と中東の関係をどう考えたらいいか。あるいは、日本はどう中東に関わっていけばいいのかっていうことを、また最後にお伺いしていきたいなと思いますけれども、まずはそうですね。鈴木さん。人質問題で安倍政権の対応っていうのは良かったのか、悪かったのか。どのように評価されてます?
 
 鈴木:いや、もういいも悪いも日本政府ができることは限られてるとは思うんですけれども、よく安倍首相が中東に行ったからだっていうようなことを言う、そういう意見もありますけども、私の意見としては、もう人質を取られた時点でやっぱりもうかなりアウトだったと思います。何かのきっかけでこの人質2人を使うというふうにたぶん、考えてたと思うんですよね。それがたまたまやっぱり安倍首相が来たときに、うまくそれが使われてしまったということだと思うんですよね。
 
  なので、安倍首相が中東に行ったからとかいうことではないと思います。もう人質を取られた時点でもうかなり厳しかったと。そのぐらいイスラム国ってやっぱり手ごわいと思いますね。
 
 萱野:なるほど。報道によると、12月の3日でしたっけ。上旬に人質になった後藤さんの奥さんにメールが来たと。人質を捕まえたグループから。で、なんらかの形で交渉があったというか交渉の可能性があった。で、1月8日動画が公開される形になった。この間に、問題解決をできた可能性っていうのはあったんですか、日本政府は。
 
 鈴木:いや、直接のパイプを持ってないってことですから、なかなかそれは厳しいと思いますね。
 
 萱野:なるほど。なかなかイスラム国が人質を拘束しているということすら分からなかったっていうのが国会答弁でも政府が言ってますけども、やっぱり分からなかった、分からないもんなんですか、これは。
 
 鈴木:いや、どうでしょう。それは分からないですけれども、あらゆる可能性を考えていろいろ対策を立て、というか対処されてるとは思いますけれども、いかんせん直接のやり取りはできないわけですから、やれることというのは限られてると思います。


交渉はできたのか?

 萱野:この辺りの日本政府の対応に関して、高橋さんはどのように評価されてますか。
 
 高橋:評価はしてないですね。結局、2人は亡くなったわけですから、評価はできないですよね。ただ、日本政府は今回はおそらく、人質の身代金は支払わないという方針を選択したんだと思うんですよね。その結果、交渉も動かないしと、こういう結果を招いたんですね。で、それがやっぱり、いいことなのかどうかっていうのは、もうそれは国民が決めることですよね。200億じゃないにしても20億だったら良かったのかとかね。
 
 萱野:最初、それくらいの額だって言われてましたよね。
 
 高橋:ええ。で、平均が2億7,000万って言われてますから、中東のバザールでカーペットを買う、値切って、値切って1割になると、3億円ぐらいでそれが妥当ということで払うべきだったのかというのは、それは国民が考えることですよね。で、もし払ったとしたら、また次に日本人が人質に取られやすくなるというもの事実ですよね。ですから、アメリカの人質は殺されてますけども、あれだけ中東でアメリカ人が活動してて、アメリカ人の人質の数は非常に少ないですよね。だから、ヨーロッパ人は捕まえればお金になるからって捕まえにきますよね。だから、どちらを選ぶのかということで、それは国民が決めることなんですけど、ただもう1つはやっぱり、指導者が私はこういう政策でいきたいということを、もう少し国民に切々と直接に訴えていただきたいなと思うんですね。もう人質もこの問題、悲劇的な形で決着しましたから、もう総理が直接国民に本音を語ってもいいころかなと思うんですけどね。
 
 萱野:なるほど。アメリカのほうが人質で身代金払ってないから、人質にされる人の数がやっぱり少ないんですか。
 
 高橋:ええ。圧倒的に少ないんですね。
 
 萱野:ああ、そうですか。
 
 高橋:うん。それも、アメリカ、イギリスから日本に対して、ヨーロッパ諸国に対して強い要請があったわけですよ。あなたが払うのはいいけど、そしたらまた人質は取られると。で、イスラム国はそのお金でまた悪いことをするじゃないかと、いい加減にしろというのがアメリカ、イギリスの立場で、で、国際公約として日本は交渉しないという立場に傾きつつあったわけですね。で、今回のケースがその最初の例になると思うんですね。で、これまでは政府はもちろん人質の身代金払うとは言ってませんけど、基本的には日本人が捕まった場合は、もう白紙の小切手を渡していくらでも書いてくださいというのが日本の対応だと思われてたわけですよね。
 
 萱野:それを踏まえて高橋さんはどちらが良かったと思います? 払うべきか、払わなかったべきか、払うべきではなかったか。
 
 高橋:僕は額によると思いますね。
 
 萱野:額によっては、じゃあ、払っても良かったんじゃないかと。
 
 高橋:うん。200億は高いですけどね。
 
 萱野:そこは表面化する前に、秘密裏に交渉が成立するなら、そちらのほうが良かったんじゃないかということですね。
 
 高橋:うん、そうですね。アメリカに対してはもちろん言い訳が必要ですけどね。アメリカだって、人質を例えばレバノンでアメリカ人のCIAの要員が取られたときは、イランに頼み込んで、イランに武器を渡して、解放、釈放してもらったこともあるんで、それはやっぱり議論はできたと思いますね。


中東における日本のブランド

 萱野:なるほど。そこは。黒木さんはどのようにお考えですか、今回の。
 
 黒木:確か最初に脅迫メールが来たのは11月の初めだったんじゃないですかね。報道されてるのは。
 
 萱野:11月初めでしたっけ。
 
 黒木:ええ。それが政府に伝わったのが12月初めっていうふうに、なんか政府は説明してる、実際分かりませんけどね。例えばトルコは数十人、外交官含めて解放してるわけですよね。それからイタリア、フランスも殺された人も、フランス人いますけれども、人質で解放されている人もいるわけですよね。それはなんらかの交渉があったっていうわけで。日本政府はおそらく最初から交渉しないっていう方針だったんじゃないかと思われますね。一応、だから、あの事件はお2人がビデオに出てきた瞬間にもう終わった。
 
 萱野:終わってたわけですよね。
 
 黒木:その前にしないといけなかったんですね、なんらかのことを。
 
 萱野:こういう質問はどうですか。もし日本政府が身代金を払うつもりだったら、交渉は成立してたと思いますか。それでも成立しなかった可能性もありうると思うんですね。もし、政府が国会で言ってるように、なかなか相手を特定できなかった。で、実際にメールが来たと思ったらアカウントが変わってしまう。そういうところで相手と継続的に連絡を取り合うことすらできなかったとするのであれば、日本政府が身代金を払うと決めたとしても、交渉がうまくいかなかった可能性もあるかもしれない。
 
 黒木:そこは私は情報が足りないと思いますね、まだね。本当に分かんなかったのかどうか分かりませんよね、それは。
 
 萱野:なるほど。
 
 黒木:ええ。拘束された地域がどこかとか、それで言えば、ある程度のあの辺、今の状況を見れば想像はつくわけですよね。ちょっとこの人質問題というよりは、私はもうちょっと広く、中東との関わり、日本の関わりっていうことをやっぱり今、考えるべきだと思って、それはやはり、なんて言いましょう。日本独自にどれだけ自分の国のことを考えて、アメリカがどうだとかいうのではなくて、本当に自立して考えて、どういう環境を持つべきかっていうことをちゃんと考えないと、これはやっぱり長期的にこれ、大変な問題になっていくと思うんです。
 
 萱野:アメリカがこう言うからこうだ、とかではなくて。
 
 黒木:ではなくてですね。
 
 萱野:その場合じゃあ、どんな路線が一番望ましいと思いますか、黒木さんは。
 
 黒木:おそらく、第2次大戦後、日本が作ってきた1つのそれこそブランドがあるわけですよ。
 
 萱野:中東に対しての日本のブランド。
 
 黒木:ええ。中東における。日本人はこれだけアメリカに第2次大戦で原爆落とされ、何をされっていう、あったにしても、これだけ経済成長を遂げてきて、そして、非軍事的に軍事的な関与なしに中東にも関わってきたわけですね。だから、日本人は信用できるっていう、一種のわれわれが中東出掛けていっていろいろ話をするときに、そういうところから入っていけるところがあったわけですね。それが今、おそらくちょっと土台から崩れているという感じがするわけです。
 
 萱野:今のお話は非軍事的な関与を、やはり中東にはもっともっと強めていくべきだという。
 
 黒木:ええ。非軍事的で、なおかつ中立的ですね。
 
 萱野:中立的な関与を、ということで。
 
 黒木:で、それが決してずるいことじゃないんです。かつて湾岸戦争のときにクエートから感謝されなかったっていうのが一種のトラウマになってるっていうね。なんかそういうことをよく言われますけども、それは感謝しないほうがいけないわけであって、日本の立場っていうのはちゃんと説明すれば、それはそれで尊敬されるわけですよ。


安倍総理の中東訪問の評価

 萱野:なるほど。今、大きくうなずいてますが、鈴木さんも同じようなお考えですか。
 
 鈴木:そうですね。日本は中東に対して結構いいことやってるわけですけども、経済援助1つにしてもそうなんですけども、やっぱりアピール不足ですよね。
 
 萱野:アピール不足。
 
 鈴木:ええ。もっと日本はこんなにいいことしてますよと、こんなに非常に平和的ですよということをもっとアピールしていいかと思いますね。アラブ諸国の人たち、まだあまりよくその辺は理解してないと。情報がやっぱり足りないと思いますね、日本に対して。で、こういうネットとかの時代ですから、今回の人質事件なんかを通して、日本はアメリカとかヨーロッパの人たちと同じ路線の外交政策を歩んでる国だっていうふうに誤解されてしまうかもしれないですよね。今回の人質事件を通して。日本人は人質に取っていいんだっていうふうにああいう映像を見て思う人だって出てくると思うんですよね。そこをやっぱり打ち消さないといけないと。これからやはり日本政府はもっと日本は平和的に中東と関わってきたし、これからもそうですよというのをもっとアピールするべきだと思いますね。
 
 萱野:なるほど。
 
 黒木:一言だけいいですか。
 
 萱野:はい。
 
 黒木:要するにイスラエルのネタニヤフ首相と並んで安倍首相が言いましたよね。要するに。
 
 萱野:イスラム国対策の。
 
 黒木:ええ。要するにあとはイスラエルと一緒になってテロとの戦いに取り組むっていう言い方をしたわけですね。このインパクトは人質とはそこでは関係ないっていう話がありますけれども、要するにイスラム国はそのことを何も問題にしてないから、それは問題なかったんだという言い方がありますけども、私はそれは違うと思うんですね。あるいはイスラム国だけでなくて広くアラブの人たち、あるいはイスラムの人たちにとって、日本はやっぱりそうだったのかっていうイメージをあれは与えるものでしたよね。だから。
 
 萱野:なるほど。イスラエル首相とテロとの戦い、イスラエルの国境がここに見えてるっていう……。
 
 黒木:そうなんです。で、イスラエルは要するにパレスチナ人をテロリストだっていう形で、今までカザであれだけのことをしてきたわけですよ。それと一緒になるっていうふうに宣言しちゃったわけですからね。これはやはり長期的に大きな問題になると思います。


非軍事と軍事の境界線

 萱野:なるほど。中立だというのは、中立が大事だというのは私もそのとおりだと思うんですけども、一方で今の状況を見ると、日本は例えば平和的に非軍事的に関与しろという意見がある中で、軍事と非軍事の区別が付けにくくもなってると思うんですよ。例えば、欧米で人質になってる人たちを見るとほとんどの人が人道活動家ですよね。人道支援に行っても人質になって首を切られてしまう。要は人道支援自体が軍事行動と一緒でなければ、今やあそこら辺では立ちゆかないということでもあると思うんですね。
 
  逆にあと、自衛隊の活動自体も、例えばサマワに派遣されたときの自衛隊というのはほとんど人道支援のようなことをやってわけで、そこも軍隊だから軍事行動を直接するというわけでは必ずしもなくて、そこでも非軍事的支援と、軍事的な組織や行動ということが線引きできなくなってきているところがあると思うんですよ。そういう中で日本は本当に非軍事的な方向だけで行きますっていうことが言えるのかどうかっていうことは、少し私はちょっと考えてしまうところがあるんですね。その点に関して高橋さん、どのようにお考えですか。
 
 高橋:1つはサマワですけど、非軍事的で自衛隊だといってもアラビア語になってしまうと、自衛隊も軍隊もあんまり正確に区別はしてもらってないですし、もちろんサマワの周辺の人はよく分かってますけど、ファルージャでアメリカ軍と戦ってる人はそうは思わないですよね。だから、そこのところは難しいですよね。日本人が心の中で日本人は勝手に区別してるんですけど、中東の人にそう見えるかっていうのはまた別問題ですよね。だからやっぱり、問題、問題で、イシューごとの是々非々じゃないかなと思うんですよね。例えば、ソマリア沖で今自衛艦が海賊対策に当たってますよね。それによって各国の商船は安全になるわけですから、それに文句を言う人はあんまりいない。ただ、実際にじゃあ、またイラクにしろ、シリアにしろ、自衛隊が行くということになれば、たぶんまったく感覚は違ってくると思うんですね。ですから、一概に自衛隊が出ていくこと、これだから駄目、あれだから絶対駄目という問題ではなくて、イシューだと思うんですね。
 
 萱野:日本が例えば非軍事的な関与を強める。今、有志連合の中には日本も一応、入ってるわけですね。その中で非軍事的な協力だけをするといっても、結局、全体が軍事行動も含めて有志連合になってるということを考えると、非軍事的に有志連合に関わるっていうこと自体が、日本人が思ってるように非軍事的だっていうふうな形で区別されないんじゃないかなっていう気もするんですけど、
 
 高橋:いや、おっしゃるとおりで、だから、イスラム国側が区別はしてないですよね。だから、今回安倍さんの、安倍総理の発言で問題になってるのは、人質が取られているにもかかわらず、あれだけ威勢のいいことを言うのが政治的に賢明であったかという判断であって、難民支援に対して批判というのは私はないと思うんですよね。
 
 黒木:それは難民支援だと言えばいいわけですね。本当に苦しんでる人たちを助けるんだと。だから、それはもう本当に自分が何かものを言ったときにどう解釈されるかっていうことですよね。日常生活でもわれわれありますよね。こういうことを言ったけども、そういうつもりはなかったけど、こう解釈されてしまうっていうことですよね。で、それはもう常に考えないといけないわけですよ、ああいう立場の人は。
 
 萱野:なるほど。非軍事と軍事の境界線がなくなる中で、今後も非軍事的な関与をやっぱり貫くべきなんだということでしょうか、今のお話というのは。貫き続けることができるんでしょうか。
 
 高橋:うん。これまでやってきて、これからできない理由はないなと私なんかは思うんですけど、少なくとも私が中東を旅行してて、いろいろ問題はあるんですけど、少なくとも日本の兵器で死んだ中東の人は1人もいないというのはね、ほっとしますよ。やっぱり、日本人がカラシニコフよりいい兵器を作って、やはり日本製の兵器はよく当たって、たくさん敵を殺しましたと言われるよりは。うーん。
 
 萱野:なるほど。日本車はたくさん走ってますけどね、戦場で。性能がいいんでしょうね、それは。なるほど。はい。
 
 春香クリスティーン:はい。時間もあとわずかになりましたけど。
 
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 ※書き起こしは、次回(6)に続きます。


 ■プロフィール
 
 黒木英充(くろき ひでみつ)
 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授。専門は中東地域研究、東アラブ近代史。1990年代に調査のためシリアに長期滞在、2006年以降はベイルートに設置した同研究所海外研究拠点長として頻繁にレバノンに渡航。主な著書に『シリア・レバノンを知るための64章』(編著、明石書店)など。
 
 鈴木恵美(すずき えみ)
 早稲田大学イスラーム地域研究機構招聘研究員。専門は中東地域研究、近現代エジプト政治史。著書に『エジプト革命』中公新書、編著に『現代エジプトを知るための60章』、他、共著多数。
 
 高橋和夫(たかはし かずお)
 評論家/国際政治学者/放送大学教授(中東研究、国際政治)。大阪外国語大学ペルシャ語科卒。米コロンビア大学大学院国際関係論修士課程修了。クウェート大学客員研究員などを経て現職。著書に『アラブとイスラエル』(講談社)、『現代の国際政治』(放送大学教育振興会)、『アメリカとパレスチナ問題』(角川書店)など多数。
 
 萱野稔人(かやの としひと)
 1970年生まれ。哲学者。津田塾大学教授。パリ第十大学大学院哲学科博士課程修了。博士(哲学)。哲学に軸足を置きながら現代社会の問題を幅広く論じる。現在、朝日新聞社「未来への発想委員会」委員、朝日新聞書評委員、衆議院選挙制度に関する調査会委員などを務める。『国家とはなにか』(以文社)、『ナショナリズムは悪なのか』(NHK出版新書)他著書多数。
 
 春香クリスティーン
 1992年スイス連邦チューリッヒ市生まれ。父は日本人、母はスイス人のハーフ。日本語、英語、ドイツ語、フランス語を操る。2008年に単身来日し、タレント活動を開始。日本政治に強い関心をもち、週に数回、永田町で国会論戦を見学することも。趣味は国会議員の追っかけ、国会議員カルタ制作。テレビ番組のコメンテーターなどを務めるほか、新聞、雑誌への寄稿も多数。著書に、『永田町大好き! 春香クリスティーンのおもしろい政治ジャパン』(マガジンハウス)がある。


 本記事は「THE PAGE」から提供を受けております。
 著作権は提供各社に帰属します。



懐柔策か 取材機会か 首相とメディアの会食にはどんな問題があるのか?

2015-03-18 13:17:26 | キャリア・教育

 懐柔策か 取材機会か 首相とメディアの会食にはどんな問題があるのか?


 

 [写真]首相とメディアの関係をどう考えるべきか(ロイター/アフロ)


  大手新聞社やテレビ局の幹部が安倍晋三首相と夜の会食を繰り返し、「メディアにあるまじき姿」「首相のメディア対策は行き過ぎ」といった批判が出ています。第2次安倍政権が誕生して以来、メディア首脳と首相の会食は確かに増えてきましたが、いったいどこが問題なのでしょうか。


会食の回数、突出

  読売新聞の渡辺恒雄グループ本社会長、産経新聞の清原武彦会長、フジテレビの日枝久会長……。2012年末に第2次安倍政権が誕生して以降、大マスコミのそうそうたるメンバーが首相と会食しています。「首相動静」によると、読売新聞や産経新聞といった保守色の強いメディアばかりではありません。毎日新聞、朝日新聞、テレビ朝日、日本テレビ、共同通信など全国メディアのトップはこの間、ほとんどが首相と会食を持ちました。中日新聞(名古屋)、中国新聞(広島)、西日本新聞(福岡)などの有力地方紙社長とも会っています。
 
  昨年12月の東京新聞によると、安倍首相とメディアの夜会食は、就任後の2年間で40件以上になったそうです。2008年から1年間首相だった麻生太郎氏(現財務相)は10件以下。2009年から3年間の民主党政権時代は、3人の首相合わせて11件しか確認できなかった、としています。
 
  安倍首相は経営陣だけでなく、各社の政治部長や首相官邸キャップらとも頻繁に会食しています。有力紙の記者は「小泉政権時代も首相・メディア幹部の会食はあったが、これほど多くなかった。国政選挙や重要政策の決定直後に会食が多いのも特徴」と言います。
 
  実際、昨年12月には衆院選から2日後の夜、東京の高級寿司店で各社の編集委員・解説委員クラスとの会食があり、出席者の1人だった記者が、集まった番記者らに「内容はオフレコだ」と“解説”してみせる一幕もありました。


メディア懐柔策?

  こうした会食は、どこに問題があるのでしょうか。まずは「なぜ会食するのか」の言い分を見てみましょう。
 
  朝日新聞は1月14日の「お答えします」欄でこの問題に言及。安倍首相と親しいことで知られる曽我豪編集委員が「最高権力者である総理大臣がどういう思いで政治をしているのかを確かめる取材機会を大事にしたい」とコメントしました。高級店での費用は首相分も含めて参加者の割り勘、だそう。同様の説明は他のメディアからも出ています。
 
  会食場所は名店や高級店、ホテル内のレストランがほとんどで、料金は1人1万円?3万円のようです。決して安くはありませんが、店選びには警備当局の判断も働くので、「安い・高い」を軸に考えるのはここでは控えておきます。では、会食問題はどう考えればいいのか、報道現場の声を拾ってみました。
 
  あるテレビ局のデスクは「まずは回数の問題」と言います。
 
  「首相とテーブルを囲む時間が増えると、どうしても相手と一体化していく。会食しながら厳しく問いただしていけるか。しかも内容はオフレコ。厳しく接していると反論しても誰も信じない。視聴者にどう見えているかも考えず、権力者との近さを社内や業界内で誇っているだけ」
 
  メディアの経営陣が首相と会食する、そのこと自体を問題視する声も強くあります。次は官邸詰めの記者。
 
  「日本のマスコミは報道だけでなく、不動産や広告、イベントなど多様な事業部門を抱えているのに、主力の広告収入は減り、どこも先行きが見えない。そんな中、例えば、一大イベントの2020の東京五輪に向けて政府と協力してください、と首相に言われたら、経営陣はいろんな計算を働かせるでしょう」


「どう見えているか」が見えていない大手メディア

  ある大手新聞では、首相と社長の会食問題が労使交渉のテーマにもなったそうです。その際、役員は「社長が会食しても紙面は変わっていない(影響を受けていない)」と説明。“メシを食っても筆を曲げなければいい”式の考えを披露しました。
 
  「筆を曲げなければいい」という発想は日本のマスコミに染み付いていますが、そこには「国民にどう見られているか」という視点はありません。ネットの発達で「取材のプロセス」もある程度の可視化が進んできました。報道への評価は「商品である記事や番組の内容」だけではなく、「商品ができるまでの過程」も含むようになっています。その点をメディア自身が理解していないと、「メディアと権力は互いにうまい汁を吸っている」という批判は払拭できないでしょう。
 
  ところで、この問題に関しては、「欧米メディアは権力者と会食などしない」という見方があります。編集部門を中心に記者倫理や厳しい行動基準を設けていることは事実ですが、例えば、米国のニューヨーク・タイムズ紙では、社主が政府要人を招いてしばしば午餐会を開いてきました。その他の国々でも同様の事例はありますし、中国やロシアのように報道機関が事実上、政府の統制下に置かれた国々では関係はさらに密接なはずです。ただ、「首相動静」のように詳細日程を明らかにしていない国も多いことなどから実態は見えておらず、今後は洋の東西を問わず、「マスコミ内部のブラックボックス」の可視化が問われていくかもしれません。


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