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日記も気ままに

JULIEというフィクション、澤田研二というノンフィクション。
フィクションには裏打ちされたノンフィクションがある。

コーラ・テイラー 「ジュリー 不思議な力を持つ少女」

2014-05-25 | 【か】行
2003年10月1日 初版 小学館
作者;コーラ・テイラー 1936年カナダ生まれ
翻訳:さくまゆみこ   画家;佐竹美保

久しぶりに翻訳本をさがしていて、背表紙の「ジュリー」を発見。
けんちゃんとは、なーんの縁もゆかりもないけど、
素通りできなくて、借りてしまった

        

幼い頃から誰にも見えないものが見えるジュリー。
そのことを不安におもいながらも家族の誰にも言えずにいる。

ゴールドリッチおばあちゃんの死
お姉ちゃんの病気
火事と嵐
母さんのおばさんの病気
お父さんの事故
次々起こる出来事を知らせる不思議な匂いや空に浮かぶ船。

ジュリーは、同じ力を持っている亡きゴードリッチおばあちゃんの助言を思い出しながら
不安と戦い成長していく。

        

ときどき聞くね、、こういう能力のある人の話。
誰にも理解されない孤独感とただただ好奇の目だけで見られる辛さを
幼い時から背負っている。って辛いな、、。





倉知淳「なぎなた」

2014-02-16 | 【か】行
2010年9月30日初版 東京創元社

表紙画:片山若子

作品集ということで、中には7編。それぞれ作品の個性は登場人物の個性ともに面白かった。

         

『運命の銀輪』・・・死神を思わせる風体の乙姫警部。

『見られていたもの』・・・いろいろ今は一般的になりつつあるし作者さんが言う後味悪いもないし(笑)

『眠り猫、眠れ』・・・倉知さん、猫が好きだよねぇ。ちょっと切なかったです。いろんな意味で。

『ナイフの三』・・・これはね、ややこしかったというか、、私の中ではいまいちだった。

『猫と死の街』・・・犯人は他の重い罪を犯しててそれに対して謝罪の気持ちがあるけど捕まるのが嫌で結局逃げてて、それでも、誰かに謝るという行為で自分の中で自分の罪を許してる、っていうか、、なんというか、、。

『闇ニ笑フ』・・・オチは途中でわかるんだけど、読んでると私も他人や物を観察しなくっちゃ。って思った。

『幻の銃弾』・・・翻訳じゃないってわかってるから翻訳のように書いていらっしゃるのね。って思って読んだ。同じ名前連呼は最初は苦痛だったけど、そのうちリズムになってきて(笑)それに、人に踏まれて「ぺちゃんこ」ってのも、回数でてくると、ずいぶんおかしかった。


あとがきに其々の作品の解説がついていて
この本をもう一つの短編集「こめぐら」とともに購入するともれなく福の神が付いてくる。
って、書いてあった。
私は図書館で借りてきてるから、福の神はついてきてなかった
けど、「こめぐら」は一緒に借りてきたので、この後読むことにするわ

今 東光 「悪名」

2013-11-04 | 【か】行
昭和36年10月30日発行 新潮社 週間朝日に連載

や~~っと読み終わった
図書館で借りたのが9月27日で、途中に貸出延長をお願いして返す期限が明日。
なんとか間に合った

紙は茶色くなってて、一回読むたびに手を洗いたくなるほどシミだらけ
文字が小さい上に薄くなってて、ときどき一文字の三分の一ほどが消えてるものもある。
一ページ二段が四百ページ。
目がすごーく疲れた

でもギブアップしなかったのは、
脳内で、朝吉ジュリーに変換してたからかも
それから、古語なのかな、、?
ex;うせる→居るっていう意味らしい。
みたいのがときどき使われてて
たぶん現代語ではないであろう言葉のひびきが、新鮮だった。
もしかしたら、方言かもしれないんだけど

もっと派手な喧嘩のシーンなどがあるのかと思ったら、
とても知的で静かなストーリーでしみじみと朝吉ちゃんの人柄が伝わってきた。

さてさて、この長編を
マキノさんとご出演者の皆さんが、
どんなふうに創っていかれるのかいっそう楽しみだわ

と、その前にこんなに
今日は渋谷
明日はフェスの楽
12月はザ・タイガース
正月コンサート

     きゃぁ~ ジュリー~~
            

朽木祥 「風の靴」

2013-09-09 | 【か】行
昨日まで、ブログタイトルを何にしようかと悩んで、あれやこれや捻って伸ばして、付けては消して、やっと【日記も気ままに】に落ち着いた。それから、プロフィールの所の写真を先日撮った秋空にして、なんとか体裁が整ってきたのかしら、、。

整った(?) ところで、本の感想などを書いてみます。


朽木祥 「風の靴」
   柏村勲(カバー見返し)服部華奈子(挿絵)  講談社  2009年3月27日初版


兄と比較されながら育ち、中学受験に失敗し、唯一の理解者であった祖父に死なれた主人公。
友達とその妹と飼い犬といっしょに船で家出をする。

まあ朽木さんだし、ただの家出話ではないだろうと思っていたけど、期待は裏切らなかった。

船で海でそれも途中で遭難してる人を拾っている家出なのに、
ざわざわと大騒ぎにならずに、たんたんと主人公の思いを綴っていて、素敵な作品。

自分は自分以外の何者でもない。
自分が選んだ方法でこけてもなっとくできる。

実際にはどの道を選んでも後悔する日が必ずくるが、それでも自分で引き受けることができる。
ということだよね。