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日記も気ままに

JULIEというフィクション、澤田研二というノンフィクション。
フィクションには裏打ちされたノンフィクションがある。

青山 美智子 「お探し物は 図書室まで」

2022-05-02 | 【あ】行
2020年11月9日第1刷発行  2021年1月24日第6刷

羊毛フェルト:さくだゆう
写真;小嶋淑子
装丁:須田杏菜

ポプラ社


          

青山さん、3冊目。
5人の主人公の5つの物語。 
読後感良し。
図書館じゃなくて図書室ってとこが、ハードルを飛び越え易くしてるね。

5人が小学校に併設されたコミュニティハウスの中の図書室で、生きるヒントをもらう。ってことかな。

登場しているみんなのこと、「すごい」はキーワードだと思う。
P8のパンとカップラーメンの件は、まるで私の生活を見られているようだったわ

5人の悩みなどは、私にもリアルにあるな、、、だけど、実際の日常に小町さんは、いない。
ま、だから作家さんがいて、小町さんなんだろうね。

P296 13行目の小町さんのセリフ
これは、書けないの読んでください。
そうそう。だから、好きなように読めば良いし、
感想も、その時によって違うもよいし。
ってことだね。

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青山 美智子 「木曜日にはココアを」

2022-03-19 | 【あ】行
2017年9月9日 第一刷発行

カバー写真:田中達也
デザイン:菊池祐

宝島社

これは、J友さんに教えてもらった本だったっけか、、
も、忘れるくらい前に図書館予約して、今回やっと読めました。

          

いやぁ~ それにしても「黄蝶舞う」を読んだ後だったせいか、文章が軽やか~
「うずまき・・・」の本の表紙もですが、あのミニチュアの作家さんの表紙が良い。

喫茶店マーブル・カフェのマスターや店員さん、お客さん。それぞれを12色・12話で綴られた物語。
悲しいことや困ったことは、それなりにあるんだけど、悪い人も暗い人も妬んでいる人も出てこない。

とても気持ちの良いお話でした。
こういう喫茶店、というか、、こういう人たちが通う喫茶店。
探してますが、、、なかなか、、出会わないですねぇ。。。
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浅倉 卓弥 「黄蝶舞う」

2022-03-15 | 【あ】行
2010年1月5日 第1版第1刷発行

装丁:大塚充朗
装画:北村さゆり

PHP研究所

J友さんのお薦め本

          


空蝉・されこうべ・双樹・黄蝶舞う・悲鬼の娘と5話に分けてかかれた源氏滅亡の物語。
只今NHKで絶賛放送中の鎌倉殿。頼朝亡き後の物語。
空蝉・されこうべは、ちょっと資料のような感じがしました。

そこかしこで。わぁーお!「魔界転生」やん!
小学校で習った唱歌「鎌倉」を思い出し。
「鎌倉うずまき案内所」「ツバキ文具店」「キラキラ共和国」で、
物語の主人公たちと一緒に住んでみたい……と思った鎌倉の、昔むかしの物語。

身内外の欲。
どろどろの怨念が生み出しだもののけ。
残酷ではあるが美しく。
美しければなお悲哀と慈愛を持って書かれていると思う。

実朝は、もう、、このどろどろを終わらせたいと思っていたのではないのか、、、
八幡宮で命運つきることもわかっていたのではないかな、、

と、そんな余韻で読み終わりました。

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青山美智子 「鎌倉うずまき案内所」

2021-08-15 | 【あ】行
2019年7月26日 第一刷

ブックデザイン:菊池祐
カバー写真:田中達也

宝島社


      

小川糸さんの鎌倉つながりで、J友さんに教えてもらい図書館予約したのは、春だったように記憶。
確か17番目くらいだったかな、、。
で、映画初日の前日にやっと借りて。映画を観てちょっと耽っていると数日経ってて。
でも、次の人が待ってるので早く読まなくては。

で、本日読了。

目次をちゃんと読まずに物語に入ってから???
ああ、、時代を遡って行くのか、、面白い書き方だなぁ、、。
で、目次にもどると、六つの物語の年代が2019年~1989年へ。

で、そういえば、とJ友さんとのメールを遡って行くとちゃんと書いてくれていた
失礼しました

「かめのぞき」とか「うちまき」「そとまき」とかって、なんだか油断するよな、、警戒心解くよな、、
六つの物語を繋ぐものはなんだろう、、どんな仕掛けがあるんだろう、、が嬉しい~

私にとってのつながりアイテムは、黒祖ロイドさんだった。
P163の「そうだよ」で、ううっ、、、ときてしまった。
この作家さんは、大切なことをちゃんと知ってて、それを伝える力を持ってる。
そう。こうでないと、書けないよね。
こうでないと、次に本は読めないよね、、と思う。

螺旋階段を降りるという件になると毎回、登亭の横の地下への階段が頭に浮かぶ
たぶん、短い螺旋だったと思うけど、降りきらなかったな、、全然違う世界になってるものな、、と思うとね、、、
それ以上階段を降りることをやめちゃった。
ええねんけど、、

時代を遡っているので、ああ、、あの時代はこうだったなぁ、、って。そういうのも楽しかった。

で、ふと思ったの。
この物語を書いたのは、夢見ちゃんかなぁ、、って。

ちょっと気になったところは、また、本友さんに聞いてみるとして。
なかなかのお薦め本でございました。
J友さん、ありがとうございました


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小野正嗣 「獅子渡り鼻」

2020-01-26 | 【あ】行
2013年1月21日 第一刷
講談社



NHKの「日曜美術館」に出ている小野さんの人柄がいいなあ、、、一度読んでみなくては。
と思っていたら、伊集院光さんの「100分で名著・大江健三郎の燃え上がる緑の木」の回での伊集院さんと小野さんの飾らない会話がなんとも良かった。
で、やはり読まなくては、と言うので借りてきた。

詩を読んでるみたいだったな、、、

母はどうしたとか父はどうしたとか、兄は実際どうなったのかだとか、、具体的なことは書いてないのだけど。
尊は、母も兄も、そして父もいない、母が大嫌いだと言っていた、母のふるさとに、今はいる。
回想の形で東京での暮らしが描かれている。

飛行場へミツコと尊を迎えに来てくれたひいちゃんとミツコの会話がとても良い。

P6・いつもミツコはそこから抜け出せる扉をそっと開けてくれるような話し方をした。
これは、ミツコだけじゃなくて、この土地もそうだと尊は思っていると思う。
では、何故、母はここが嫌だったのか、、

自然豊かで人のつながりが深い田舎に、母が大嫌いだといった母のふるさとに、尊は素直に気持ちを預けているように思える。
預けつつ、、そーとー昔に亡くなった文治と兄を重ねている。

尊のものの捉え方は、小野さんなのだろうか、、、
小野さんのふるさとも海が近い田舎で、きっと小野さんは、そこが大好きなんだろうね。



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