Good Toy time ~グッドトイタイム~

ようこそ!子どもたちの遊びの世界へ♪ブレイクタイムのおともに、ちょっと覗いてみてください。

【コラム】 子どもの絵、どう受け止めていますか?

2020年09月17日 | コラム
おはようございます。amiです。
今日はとても過ごしやすい朝です。

先日、仕事で、ある園に行ってきました。
その園で自由画を描いている3歳児を見ていた時のこと。

「お休みの日の思い出を自由に描いてみましょう」という、先生の声掛けにより、子どもたちが一斉に絵を描き始めました。

しばらくすると、一番早く絵を描き終わった子どもが先生のもとにやってきました。

「せんせい、できたよー!」

絵を見ると、そこには電車?または新幹線?のような、乗り物の絵が描いてありました。水色と赤色がきれいに使われた、とてもかわいらしい絵でした。

するとその先生は、

「これは何の絵を描いたの?」

と聞きました。

その子は、

「これねー。おやすみの日に、みんなでおばあちゃんのおうちにいったの。飛行機で行ったんだよ。」

と答えました。

さて先生はどのように答えるのかしら?と思ってみていると…。

「ねえねえ、飛行機で行ったなら、もっとここに雲とかあったでしょ?飛行機はお空の上を飛ぶのよ。」

とおっしゃったのです。

大好きな先生からそのようなコメントをもらった子どもは、当然、書き直します。先生に褒めてもらいたいからです。その子も、「うん。わかったー。」と言いながら、自分の席に帰っていきました。

続けて、他の子がやってきました。その子の画用紙には、たくさんの〇が描かれていました。(2,3歳頃によくみられる、〇のファンファーレです。)

青で書かれたたくさんの丸の中には、よく見ると、目と口と鼻があり、手もちゃんと描かれていました。

すると、それを見た先生は、

「お顔の色は何色ですか?肌色を塗ったほうがいいわよ。」

とおっしゃいました。その子もまた、「うん」と言って席に戻っていきました。

先生のおっしゃることはごもっともです。保育現場の絵の指導って、本当に難しいんです。先生の本当の気持ちも、もしかしたら別のところにあるのかもしれません。

ただ、園の方針や保護者の方の反応(うちの子だけ絵を上手に描けない…などの心配)、そのようなことを踏まえての指導なので、子どもの気持ちを大切に…とはどの園も思っていることですが、その大切に…の方向性が園によって本当に違います。

幼稚園や保育所は絵画教室ではないので、子どもの色彩感覚や美的センスを育てることを重視するよりも(それはそれでとても大切なことなのですが…。そのお話はまたの機会に。)、まずは子どもが絶対的に自分を肯定してもらえる、そんな安心感が必要です。

そのような視点で考えると、先ほどの先生の声かけには、あと少しの配慮がほしかったなと思います。

それは、

子どもの気持ちを受け止める

ということ。

例えば、飛行機を描いて見せてきたらまずは、「すごく大きな飛行機だね。誰とお出かけしたの?」と聞きながら、そのやりとりを楽しんでみたり、

「おばあちゃんのおうちにみんなで行ったんだね。良かったね〜!」と受け止める。

その上で、例えば「水色の大きな飛行機だねー。中に書いてあるこの赤い四角はなに?」と、目で見えたことを感想にしながら子どもに尋ねてみると、そこから子どもが自らまた絵を描きたい気持ちになることもあります。

そのようなことだけでもいいのです。
(ただし、大人が誘導的に声をかけないことが大事!)

まずは、自分の願い(こんな風に描けばいいのに…、こんな風に描いてほしい!という願い)を横に置き、子どもの気持ちを聞きながら、そのことを「そうだったんだね。」「楽しかったんだね。」と受け止めてほしいのです。

そんな小さなこと??と思われるかもしれませんが、このような小さな受け答えの積み重ねが、やがてその子の「自分は絶対大丈夫」という、自己を肯定する心へと育っていくのです。

難しく考えず…。

「ここはこうしたら?」と言う前にまずは、「そうだったんだね。」「そう思ったんだね」と、子どもの気持ちを受け止めることから始めていただきたいなと思います。






【コラム】 子どもの目線

2019年12月16日 | コラム
今日は雨ですね。雨の日に通勤をしていると、気になることがあります。それは、閉じた傘を手に持ちながら、前後に大きく揺らしてあるく大人の姿です。保育園や幼稚園に行く前の子どもたちが近くにいると、傘の先が子どもの顔に当たらないかとヒヤヒヤしてしまいます。

子どもは背が低いだけでなく、視野・視界が大人が思っている以上に狭いため、近くにあるものの全体像が見えていないことが多く、こうした場面では大人の足しか見えていない状態で歩いているところを、突然、細長い傘の先だけがゆらゆらと見えるのです。

2歳前後の子どものモノの取り合いが多い理由も、実はこの視野・視界と関係があります。自我が芽生える時期でもあるため、子ども同士の気持ちのすれ違いや、自分の思うようにいかない葛藤なども関係してくるのですが・・・。

友達が使っているものを急にとってしまうという場面をおもちゃの広場でもよく見かけますが、それは単にその子がワガママだからなのではなく、自分がほしいもの、気になったことしか目に入らないという、視野・視界の狭さとも関係があるのです。

子どもの横から声をかけると気がつかないという時は、正面から覗き込むようにして声をかけてみると、気がつくこともあると思います。

乳幼児の視野が体験できる、「チャイルドビジョン」という視野体験メガネがあります。今は無料でダウンロードができるサイトも多くありますので、ぜひ、作ってみてください。そして、作ったあとは子どもの目の高さになって、その視野・視界の狭さを体験してみていただきたいなと思います。