子宮内膜症闘病日誌

子宮内膜症(チョコレートのう腫)の闘病記録とともに自分なりに健康と向き合うためのBlog

手術前検診と説明(インフォムド・コンセント)

2005年11月26日 | 子宮内膜症闘病記

2005-11-26 「手術前検診と説明」

朝9時に予約。
夫を連れていざ病院へ。
しばし待って診察室へ呼ばれ二人で入りました。
「どうも 初めまして」←K医師と夫

自分の病気のことで、夫を伴って病院に来たのは初めてですσ(⌒д⌒;)

K医師から私の病状について説明が始まります。
K医師「すでに奥様からお聴きでしょうが・・・」
夫「あ、・・はい」

子宮内膜症のことは簡単に説明をしてありましたが、正直男性にとってイマイチ「子宮内膜がどーの、こーの」と言ってもピンとこないんだと思うんですね。
「子宮内膜症」・・・○○症、と言うとなんだか軽い病気っぽい。
○○病や婦人科の病気代表選手「子宮筋腫」というと、もっと重症な感じがしてしまう 名前だけでイメージする単に我らド素人患者(笑)

そして、私としてもあまり心配(大袈裟)にしたくなくて、つい
「ま、1週間程度の入院で内視鏡の手術だから・・・」とあまり深刻に話していませんでした。

だけれど、K医師から話された内容は「深刻そのもの」

1.まず、10月6日初診に来てからの検査の経過と病状。
2.超音波(エコー)の画像を前に置き、卵巣に嚢胞(嚢腫)があり10月の
  時点で6センチ弱となっていること。
3.K医師が、私 鈴花とで治療方針を過去の診察で相談した結果、腹腔
  鏡手術を選択するに至った経緯。
4.腹腔鏡下手術以外の治療方針の説明
  その他の方法
 A.ホルモン剤の投薬により月経をコントロール、嚢胞の成長を止める
   方法。
 B.定期検査のうえ経過観察、嚢胞が少し大きくなったところで改めて
   手術の予定を立てる)
5.腫瘍マーカーの数値から、「チョコレート嚢胞(嚢腫)」の可能性が高
  いということ。但しあくまで血液検査とエコーでの臨床診断でしかな
  いため、腹腔鏡検査の後、病巣を摘出し病理検査の結果、腫瘍が悪
  性か良性かの確定診断となること。
6.腹腔鏡下手術のメリットとデメリット
A.メリット
 a.手術創が小さくて済むため、身体への負担が軽い。
 b.腹腔鏡手術の場合は、入院から退院まで順調ならば1週間弱(経過が
   良好な場合は最短で4日程度)となる。日常生活に戻れるまで開腹手
   術の場合の約半分の半月程度となる。
   開腹手術だと腹筋が元に戻るまで、約1ヶ月ほどかかる。
 c.今後の出産を考えた場合、普通分娩が出来る。
   開腹手術を行った場合は、将来「帝王切開」での出産しか出来なく
   なる。
B.デメリット
 a.腹腔鏡下の場合、切開する部分(手術創)は小さいが、癒着が進ん
   でいて病巣が綺麗に取り除けない場合や、腫瘍が悪性で「卵巣を摘
   出しなければならない事態のとき」は開腹手術へ切り替えることが
   ある。
 b.極稀に内臓の損傷による出血をする可能性がある。
    →この場合は輸血をする可能性がある。
     輸血の同意書にサインすることを求められる。
7.方針は保存手術
  将来的に妊娠を希望し、年齢的な面から「摘出手術は避け、あくまで
  も保存手術」を行う方針であることの説明。
  左卵巣の摘出しなければならないような場合は、必ず右卵巣が正常で
  あることを確認のうえ行うが、その場合は家族(私は全身麻酔で意識
  がないため)の了解のもと、摘出を行うこと。
  卵巣は二つあるため、もし片方の切除をしても今後の妊娠も可能で
  あること。
  また万が一、病理検査の結果で嚢胞が悪性であると診断された場合
  には、その後の治療方針を考慮していくことになる。


おおよそ、手術前の説明はこんな感じでした。

これだけ聞くとかなり「深刻極まりない」状態に陥ったりします(汗)
割と温和な雰囲気でお話をされるK医師も物凄く真剣な表情だったりするのでなおさらです。
さすがに隣で話を聞いていた夫の顔も段々と神妙な面持ちとなっていました。

2005-10-06 左卵巣チョコレート嚢腫エコー写真

で・・・これは、2005-10-06 初診のときの画像
卵巣の大きさは約6センチ。手術をするか否かを決めるギリギリラインの大きさ。
赤いラインで印した部分がチョコレート嚢腫で腫れた左卵巣です。

※但し、基準は個人の症状、病院や医師の治療方針によります。


K医師
「(超音波で私の大きく腫れた卵巣の画像を指差しながら)鈴花さんの卵巣がこれですが、中身は血液だと考えられますね。水のような透明な液体だと黒く写りますが、血液のような色の濃い液体だと白くなります。また、良性と考えて良さそうです。なぜなら、悪性腫瘍の場合は、卵巣の周りがガタガタといびつに写るんですね。鈴花さんの場合は綺麗に丸い形で出ていますから、おそらく良性でしょう。一応、病理検査に出して調べますけれどね(^^)」




この説明で少し、身体に入った力が抜けたようです。
具体的に画像を用いて説明してくださったので、とても分りやすく納得できました。

K医師
「では鈴花さんは、この後、看護師から入院手続きの説明を受けてもらって、術前の検査です。検査結果は来週の・・・土曜日がいいですかね(^^)朝9時にいらしてください。」

・・・。ああ、会社をお休みできないため、土曜日にしてくださって・・・ありがたや。

夫と二人で診察室を出て、身体測定と入院手続きのことについて看護師さんから説明を受けて、輸血に関する同意書や手術承諾書を書きました。
あまり・・・じっくり読んでいなかった(爆)だけれど、確かこの2点だったような
↑そんなんでいいのか?

費用のことが気になって、手術の料金を看護師さんに尋ねると
「大体、そうですね~、20万位かな(実費はそのうちの3割負担)」

( ̄□ ̄;)!! げっ!た、高っ!←想像はしてたけれど・・・やはり。

ここから、身体測定、血液検査、尿検査、胸部レントゲン、心電図 を手際よく回ります。

血液検査は・・・あれほど何本も血を抜いたのは初めてではないでしょうか。
今までは大体、3本程度、血液を流し込む試験管のようなものに採取する程度だったのが・・・まだ取るかーーーー???というくらい。計11本は取ったかな?

この今までにない数の血液検査の本数を見て「手術するんだなぁ・・」と実感したものでした。




☆夫とその後の会話


「そんな深刻な手術だとは聞いてないよー!チャッチャッチャーって終わるんじゃなかったの??」

鈴花
「いやぁ・・・私だってあんなに神妙な雰囲気で手術の説明受けたの初めてだもんσ(⌒д⌒;)」

「もし、卵巣摘出するって言われて同意求められたらどうしたらいいの。鈴花は意識がないわけでしょ。」
鈴花
「んなもん、開いた以上、右卵巣が正常なら取るしかないでしょう。開いてやっぱり、やぁーめたって閉じちゃっても意味ないし・・・」
↑案外、ここまで来ると肝が据わってる。

「・・・・・・・・。(本当に承諾していいのか?あとで文句言われても困るよ)というような顔」

鈴花
「大丈夫だって。先生も良性だろうって言ってるし、あんなふうに万が一のときって言っても、一応手術の時の危険性は必ず家族に説明しなければならないんだしね」


このような場合は、張本人よりも周りで見ている家族のほうが動揺するものなのだと思います。
私と夫が逆で、夫が手術をする場合はきっと、同じように戸惑うはず。

でも、側にいてくれたお陰で、心強かったよ、ありがとう、と言う気持ちです。

次は入院前、最後の診察へ。

☆ 医療費・・・4320円(検査料がほとんど)



インフォームド・コンセント
訳は「説明を受けた上での同意」ということです。

手術を受けるにあたって、患者の病状に即した治療法の選択肢、手術方法の説明、またその治療・手術方法を選んだ場合のメリットとデメリット。
※詳しくは下記を参考にしてください。

この点(インフォームド・コンセント)をきちんと説明してくれるお医者さんであることが、肝心なんでしょうね。
え。ジョーシキ?

インフォームド・コンセントのポイント
1.手術が必要な理由について
2.手術によるメリットとデメリットは
3.子宮や卵巣を残せる可能性は?その際のリスクは?(再発や発ガンの危険性など)
4.手術以外の治療の可能性について
5.手術の具体的な方法は?(膣式と複式、縦切りと横切り、それぞれのメリットとデメリットは?)
6.手術後の経過について

※参考文献 西東社「女性の医学」




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