コンドミニアムのロビーの飾り付けも終わり、いよいよ明日からソンクラーン(タイ正月)が始まる。本来は13日から15日までの3日間であるが、今年は12日が土曜日のため、4日間とされている。今夜のテレビニュースでは、ソンクラーンを迎える各地の様子が報道され、いかにタイ全土に浸透した伝統行事であるかがわかる。加えて、各国の大使館が制作したお祝い動画も併せて紹介された。サングラスと水よけゴーグルを付けた2頭の犬が出演するシンガポール版はユーモラスで面白かった。日本版では、昨年着任した大鷹大使が、花柄のアロハシャツを着て、大きな水鉄砲を振り回すパフォーマンスを見せ、こういう砕けた外交もあるのだなと、思わずニヤっとしてしまった。
一方、私が通っているチュラ大文学部の外国人向けタイ語講座では、先週の金曜日に前倒しでソンクラーンパーティーが行われた。その冒頭で、タイ舞踊が披露された後、生徒たちは行列を作って、色とりどりの花びらを浮かべた水を小さな容器で掬い、その少量を壇上に座った女性の先生の手にかけて、ワイ(タイ式挨拶)をする。ソンクラーンと言うと、傍若無人に水をかけあうイメージを持つ人もいるが、本来の意味合いは、身を清め、年長者を敬い、先祖に感謝することである。とは言え、この一年で最も暑い時期に、ずぶ濡れになってバカ騒ぎしたくなる気持ちはわからないでもない。観光立国であるタイにとっては、観光客にお金を落としてもらう重要イベントでもある。先生によると、バンコクでは、カーオサーン通り、シーロム通り、サイアムスクエア界隈が3大無法地帯だそうで、濡れて困るものは一切持たずに、覚悟して参戦して下さいとのことであった。
私にとっては初めてのソンクラーン。明日はロビーの仏像に水を手向けてから、近くのお寺にでも足を運ぶこととしよう。