中級の入口であるレベル4が始まって昨日で21日目、やっと3/4まで辿り着いた。8章のうち6章が終わったことになる。かなり疲労が溜まってきたので、ここらでひと息入れたいところだが、そうもいかないのが辛い。レベル4の概要と感想を以下に記す。
食事中の方には恐縮だが、今日はトイレの話である。バンコクのトイレの特徴は、なんと言ってもウォーターガンであり、これでお尻にシャワーを浴びせてから紙で拭くという、謂わば「手動ウォッシュレット」だ。勢いよく水が出るので、慣れないうちは、辺りを水浸しにしてしまうことがあり、最初は使用する度に緊張していたものだ。
さて、私が経験したバンコクのトイレは3種類であり、①横にある水槽から手桶で水を汲んで流す旧式トイレ、②水洗だが、紙は流せないトイレ、③紙を流してもよい水洗トイレだ。①は気持ち的にとてもハードルが高く、タイ初心者においては、利用に勇気と決心が必要となる。②が最も普及しており、大抵のゴルフ場や我らのチュラ大もこのタイプである。③はホテルやコンドミニアムに多く見られる。私たち外国人に課せられた責務は、②と③をきちんと見分けて、トイレを詰まらせないように使用することであろう。しかし、日本人にとっては、結構難易度が高い。なぜなら、我々は、「紙はトイレに流せるもの」と固く信じて疑わないからである。トイレットペーパーは水溶性ではないのかと、怪訝に思う向きもあるだろうが、世界中どこでもそうとは限らない。私のゴルフ友達も、教えるまではそれと知らずに流していた人ばかりだ。
では、どうやって②のタイプを見分けるのか?実はとても簡単である。それは個室内に写真のようなゴミ箱があるかどうかである。このゴミ箱は、シャワーで洗った後のお尻を拭いた紙を捨てるための物なのだ。間違っても、先に拭くこと勿れ。
また、トイレに必ず紙があるとは限らない。チュラ大文学部では、経費削減のためか、個室内にトイレットペーパーがない。トイレの使用者は、洗面台の横にあるトイレットペーパーを予め必要量切り取ってから個室に籠るのだ。朝のうちはいいのだが、昼前には完売御礼となり、腹痛等の緊急事態に遭遇した生徒は、額に脂汗をかくことになる。朝、家を出る際には、たとえ教科書を忘れても、ポケットティッシュはゆめゆめ忘れてはならない。
チュラ大文学部Intensive Thai講座における課外活動の一環として、土曜日に行われた日帰り小旅行に参加してきた。凡そIntensive Thaiは、90時間の授業と10時間の課外活動から構成される。このうち課外活動は、タイの文化に触れながら、生徒同士あるいは先生との親交を深めることを目的としており、期間中計3回の催しが組まれている。参加は強制ではないが、単位認定に必要な総出席時間80時間にはカウントされるので、何らかの理由で授業を4日休む生徒は、全ての課外活動に参加しなくてはいけない。高い授業料を払っていることもあるが、とにかく面白い企画が多いので、私は今まで一度も欠席したことはない。受講中のレベル4では、小旅行の他に、ソンクラーン(タイ正月)パーティーと「タイ語で話そう」という二つの企画が用意されている。過去には、料理教室、タイ舞踊講習会、クイズ大会、歌謡コンテストなどがあった。スコールに見舞われると困るので、小旅行は寒季と暑季限定のイベントとなっている。
今回の小旅行では、レベル4から7までの生徒が、2台の観光バスに分乗して、バンコクの西北、チャオプラヤー川に浮かぶクレット島(ノンタブリー県)を目指した。タイ語では「島」という単語を使っているが、蛇行するチャオプラヤー川を短絡させた際にできた3.5㎢の中洲である。クルマが入ることはできないので、渡し船で川を渡り、寺院見学、陶芸体験、マーケット散策、食事を楽しんだ。どれも興味深かったが、オヤツにタイのお茶漬「カーオチェー」を初めて食べたことが、自分的には印象深い。
カーオチェーをお茶漬けと表記したが、日本のように、熱い緑茶や焙じ茶、出汁、白湯をかけるのではなく、冷たい水を注ぎ、氷を乗せる。冷たい食べ物なので、暑気払いにはもってこいだ。ご飯はバタフライピーで鮮やかに色付けされていた。一方、付け合わせは複数あり、この店では、豆を甘く炊いたもの、小さな厚揚げを含め煮にしたもの、味を付けた豚肉を解したもの、大根の煮付け、乾燥ネギ、の5種が小鉢で添えられていた。ネギ以外は、どれも濃いめの味付けなので、水漬けのご飯とよく合う。日本と異なるのは、ご飯と具を一緒にしないことと、箸ではなくレンゲを使うことである。先生によれば、味が混ざるので、別々に食べるのが基本だと言う。ご飯の上に具を乗せて、熱いお茶をかける日本との違いは面白い。
広大な海を越えた4600km彼方の地に、同じような文化を見つけて、私はほっこり嬉しくなった。
2月28日からレベル4が始まった。普通なら、奇数月の1日開始なのだが、ソンクラーン(タイ正月)の連休前に授業を完結させるために、逆算して、2月末日からの開始となった次第。レベル4は中級の入口であり、レベル6まで修了すると、晴れてGold Classの証書が発行される。今回のレベル4は2クラスあり、私が属するThai 4-Aは、男5名、女7名の計12名だ。内訳は、日4、中2、英2、香港、台湾、マカオ、瑞典が各1名で、男女比は6:6。休み時間には中国語が飛び交っている。このクラスの特徴は、中途組が多いこと。1-2月のThai 3から進級してきた直行組は3名だけで、私のように間隔を空けている者が3名。その他に、他所の学校で学び、編入試験を受けて、Thai 4に割り振られた猛者が少なくとも5名はいるのだ。初対面の生徒が多いせいか、クラスの雰囲気は、まだ重くて硬い。しかし、タイ語を学ぶというベクトルは一致しているので、皆熱心であり、良い意味での緊張感がある。
Thai 4の教科書は全部で128ページ(8章)あり、Thai 3の106ページと比べると、やや厚くなったが、Thai 3とは異なり、2章毎の模擬問題や最終試験の模擬問題が付いているので、実質の分量は変わらないと見て良さそうだ。では、内容はどうだろうか?
1. 1章に3日を費やしたThai 3と異なり、2日で仕上げるので、密度が高い。予習、復習の手を抜くと、ただ座って居るだけのお客さんになってしまいそうだ。
2. 10行に届かなかった読解用の例文が、倍以上の長さになった。第2章なんて、会話文とは言え30行超えだ。これに伴い、新出単語や熟語の数も増えた気がする。
3. 文法のウェイトが高く、例文に沿って詳細な解説がなされる。昨日は、同じ単語を二つ重ねることで表現されること4種をみっちり教えられた。
4. Thai 3と同じく、4回のプレゼンテーションがある。発表時間は5-7分とThai 3と殆ど変わらないが、求められる内容がより複雑になり、採点においても、論理性やテーマの掘り下げ方に関する配点が増えた。1回目のお題は健康管理であり、何をどのような方法でやっていて、その結果はどうなのかを説明せよ、と言う注文が付いている。
5. 授業では、読むこと、聴くことに軸足が移った。解説はほぼタイ語。先生の発音はとても明瞭だが、容赦ないスピードだ。一方で、指名されて答える頻度は、明らかに減った気がする。また、話す、書く、のスキルアップは、今後、宿題やプレゼンで補われるものと思われる。
授業開始3日目にして、早くも消化不良を感じるが、熱心な先生方の期待を裏切らないようにしたい。
バンコクに移動して1週間が過ぎた。ロングステイを始めた昨年のような新鮮な感覚は薄れ、自分が収まるべき場所に帰ってきたな、と言う安堵を感じる。移動直後は流石にやるべきことが多く、両替、銀行口座への入金、在留届の提出、日用品の買い出し、それに掃除と、そこそこ忙しかった。合間を縫って、多少の運動やタイ語の復習をこなしたが、コンドミニアムのプールで、仰向けに浮かんで空を見上げると、何故か気持ちが安らぐ。繁華街の喧騒も、屋台の活気も、耳に飛び込んでくるタイ語も、名物の交通渋滞さえも懐かしい。まるでバンコクが第二の故郷になったかのようだ。
この時期、プールの水はまだ冷たく感じるが、日中は汗ばむほどだ。夕方になると気温が下がり、エアコンのスイッチを切ってもいいくらい快適になる。一方で、報道されているように、バンコクの大気中のPM2.5濃度は高い。今週は雨が降った日もあり、指数は65〜80とやや低下したものの、マスクをしていても、喉のいがらっぽさは抜けない。目の痒みと鼻水でどうにもならない花粉の東京よりはまだマシだと、自分に言い聞かせている。3月からは気温がさらに上昇し、耐えられるかどうかわからないが、4月の酷暑を初めて体験する。そして、これまた初めてだが、ソンクラーン(タイ正月)を楽しみ、ゴールデンウィーク前の心地よい日本に戻る計画だ。バンコク滞在中の1番の楽しみは、チュラ大で知り合った友達との再会であり、色々なことを沢山語り合いたいと思う。