この記事はDELTARUNEに関する考察の記事です。ネタバレを含んでいるため、DELTARUNE及びにUNDERTALEを未プレイの方はブラウザバック推奨です。既プレイである程度考察もし、別の人の考察も見てみたいという方は、これから先にお進みください。念のため、たくさん改行しておきます。

*ラルセイは何のダークナー?
ラルセイについて考える前にまず、ダークナーについて考える必要があります。闇の世界の住民たちは皆、トランプやぬいぐるみ、チェス、埃など、古いおもちゃがしまわれた棚に因んだキャラクターとなっています。また、彼らの目的はライトナーに力を貸すことだと作中で語られています。このことから、ダークナーは忘れられてたおもちゃに宿った心だと考えられます。
しかし、ラルセイには元となったものが見当たりません。ラルセイは実はダークナーではないというのも考えましたが、それではキングの反応が説明できないのです。キングはクリスとスージィを見てすぐにライトナーだと理解しています。しかし、ラルセイに対しては「ライトナーを盲信するダークナー」だと思ったようです。
ここで私は、ラルセイは「ゲーム」のダークナーではないかという説を提唱します。使われていない棚にしまわれたゲームカセットがあって、そのゲームを象徴するキャラクターがラルセイだったとしたら、、、?ということです。
この仮説に至った理由は他にもあります。ラルセイは妙にメタい発言が多いのです。チュートリアルで主人公に「前にやったことある?」と言ったり、ランサーに対しては「弾幕のパターンが悪い」とか「1シーンまるまる使って」などと言います。また、スージィにヒントを出す際、パズルは壁の向こうにあってプレイヤーからしか見えるはずのないのに全くツッコミを入れません。
もしこの仮説が正しければ、ラルセイはゲームの登場人物でありながら「ゲームのダークナー」でもあることになります。二重構造ですね。
二重構造といえば、そもそもDELTARUNEがゲームなので、この仮説が正しかった場合、ここにも二重構造が生まれます。
*どこからどこまでが「ラルセイのゲーム」?
しかし、闇の世界全てがラルセイのゲームだったとしたら、ラルセイにとって予想外だったであろう展開に説明がつきません。もし始めから最後までラルセイのゲームなら、ラルセイはゲームそのものなので先の展開は全て読めることになるでしょう。しかし、実際にはラルセイにとって明らかに予想外だったであろう出来事がたくさん起きています。
特に予想外そうに感じたのは、ラルセイが牢屋に閉じ込められた時の反応です。冷静でありながら落ち込んだ態度が、大袈裟でなく演技っぽくもないため本心のような気がします。
また、キングの騙し討ちにあった際の反応も、予想外でしょう。スージィとランサーが取った行動で難を逃れますが、スージィは明らかにラルセイの予想通りには動かない存在でした。
そのため、どこかに「ラルセイのゲーム」と「その外にある闇の世界」の境目があったと考える必要があります。私は、ラルセイが治める街の最後にあった扉が境目だったのではないかと睨んでいます。
あの街一つで全てが揃っていそうなのに以降全く使われなかったことや、あの扉は普段開いておらずランサーは入ってこれないはずだという設定からそう考えました。
また、ラルセイはグロウシャードの使い方について「説明しなくてもわかるよね」と言います。ラルセイにとっては見慣れた存在なのでしょう。しかし、それ以外のアイテムについてはラルセイに使うと具体的な感想を言うため、外の世界でのアイテムはラルセイにとってありふれた存在ではないようです。
*外の世界は、ラルセイがゲームにした
ラルセイはランサーに対してもう「少し早く行動するべきだ」といいます。これ、ゲームバランスが悪くならないよう意識した発言に聞こえませんか? ラルセイは闇の世界全体を「ゲーム」に仕立て上げることでプレイヤーやクリスたちを接続したではないでしょうか。接続、、、ゲームを始める時に出ましたよね。「我々は、接続されていますか?」
*ラルセイとアズリエル
DELTARUNEではアズリエルのベッドの下に非正規品のコントローラーがありました。また、クリスとアズリエルは非常にゲームが好きだったようです。
Tobyさんはかつて、弟と一緒にRPGツクールでゲームを作って遊んだことがあるそうです。あれ、、、これ、クリスとアズリエルの関係に繋がるんじゃないですかね?
もしアズリエルのベッドの下にあったコントローラーがマジコンなら、、、?アズリエルはゲームのシステムを吸い出して改造してゲームを作っていたのではないでしょうか? そして、そのゲームがラルセイのゲームだったとか、、、?
もしかしたら、ラルセイの街に住民がいなかったのもアズリエルがゲームの製作を途中でやめてしまったからなのかもしれません。
ラルセイは「この世界では戦う必要はない」と言います。UNDERTALEも戦わなくていいゲームでしたが、UNDERTALEという概念を一旦頭から完全に外した上で考えたら「戦わなくていいRPG」を作るのは非常に難しいはずです。
アズリエルはUNDERTALEのような戦わなくていいRPGを作ろうとして詰んでやめてしまったのかもしれません。そして取り残されたラルセイの孤独な気持ちが、闇の世界にクリスとスージィを引き込むきっかけとなった、、、?
ラルセイは旅の終盤に「君たちに出会えて本当に良かった」と泣きながら伝えてきます。牢屋に入れられた時も、同じことを言おうとしています。この台詞は、プレイヤーに対する作者及びゲーム自身の気持ちだと思うんですよね。
つまり、これはUNDERTALEのプレイヤーに対してTobyさんが送る非常に遠回りな感謝状、、、だったらいいなw でも、Tobyさんがやりそうことじゃないですか?
ちなみに、牢屋でお礼を言おうとしたことに関してですが、、、ラルセイはここで「詰み」だと判断し、クリスたちとの接続を切ってライトナーの世界に返すつもりだったのではないかと私は考えています。
私が立てたこれらの仮説は確証はないため妄想の域を出ませんが、一応根拠に近いものはあります。ラルセイの見た目がアズリエルに似ていることと、ラルセイ(Ralsei)はアズリエル(Asriel)のアナグラムだということです。
*結論
ラルセイが登場するゲームは作りかけで捨てられていて誰もやってくれません。だからラルセイはダークナーという形でゲームの外に出て闇の世界をゲームに仕立て上げ、それをやってもらうことで、自分のゲームをやってもらったことにしました。こういうことではないでしょうか。
私のラルセイに関する現時点での考察は以上です。ここまで読んでくれたあなたが大好きです(アシタノワダイ風)。それではまた、次回の記事でお会いしましょう。
帰すつもり....のくだりや、
兄弟の....、マジコン...のくだりで、貴方のラルセイ解釈から貴方とトビー氏の優しさを感じました。感動しました。ちょっと泣きました。
こんな素敵な考察を世に出した貴方に感謝しています...!!!
どんな闇の裏にも優しく可愛くてちょっと切ない物語が存在するというTobyさんの創作の方向性が私の脳裏に焼き付いていたため、このような解釈になったのかもしれません
私に優しさを教えてくれたTobyさんにも、感謝しても仕切れませんね