もんくうさぎのブログ

もんくばかりでごめんなさい

超最悪放射性廃棄物

2015-11-28 13:58:20 | 放射能
 最近、原子力規制委が高速増殖原型炉もんじゅにレッドカードを出した。再稼動すぐ故障があいついだ川内原発にゴーサイン出したあの規制委が「こりゃあかんわ」とさじ投げたのだから、原子力研究開発機構ってかなりずさんな組織だ。とにかくもんじゅが破綻すれば、「国策」核燃料サイクルが総崩れとなる。
 うまい話(この場合は発電しながら燃やした以上の燃料を作り出す)にだまされて大金まきあげられるというサギ事件はあとを絶たないが、お金(12兆円)とウソの規模からして、このもんじゅ含む核燃料サイクル級のサギ話にはあまりお目にかからない。そういえば2年ほど前、原子力研究開発機構の理事長の月給が120万円で、退職金が1千万近いという新聞記事読んだことあるなあ。
 今までこんなでたらめプロジェクト許す政権に投票し続けて、日本人なにやっていたんだろうね。失敗に学ぶというが、えらく高くついた授業料だ。まっとうな批判をした人の意見をまともに聞くことせず、ただ大多数の意見に従い、まわりの空気に流された結果がこれだ。構造は戦前の軍部・マスコミと国民の関係とまったく同じ。すなわち調子のいい宣伝にだまされて、カネまきあげられて、気がついたら頭の上から爆弾が降ってくるというやつ。この場合は原子力ムラの妄想に騙されてカネまきあげられて放射能まみれになるというもので爆弾が放射能になった。現在ある程度放射能まみれになってるのだが、もんじゅが爆発したら今の比じゃない。そのリスクは高レベル放射性廃液やプルサーマルでも同じこと。 
 そこでプルサーマルの話になるのだが、もんじゅがだめなら、たまったプルトニウムをどうするのかという問題が直ちに浮上してくる。実は国はもんじゅの破綻を見越してプルサーマル計画を着々と進めてきた。現在、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を100%使用するフルMOX発電の原発が青森県大間町で進められている。これに対し、北海道函館市が国と電源開発を相手取って建設差し止め訴訟を起こしている。フルMOX発電というのは、世界でもほとんど前例がない。大間原発は実験・実証炉なしていきなり本番やろうとしてるのだから函館市民も含む30キロ圏内の人々はさながら実験動物か。自治体みずからが原告になるという特殊性が理解できる。
 プルサーマルは3.11前から普通の原発でやられていたし(福島第一原発3号機)、これからもやろうとしている(高浜原発2号機)。ウラン燃料専用の原発で物理的・化学的特性の異なるMOX燃やすことがどんだけ危険なことか、わかりやすくまとめてあるのは原子力資料情報室のこのサイト。プルサーマル計画の現状と問題点
 核燃サイクルはいろいろ技術が難しそうだけどそれさえクリアすればいいんじゃない、そんな能天気イメージ持ってる人は5ページ必見。使用済み燃料で有効利用できるのは1%のプルのみ。あとはごみ。8ページめ。再処理・プルサーマルはごみを増殖させる。ただでさえ普通の原発から出る核のごみで頭痛いのに、これ以上ゴミ増やしてどうすんの。
 問題山積みだが、ここでは言いたいことは、MOX使用後に発生するごみ。これが通常の放射性廃棄物と違うやっかいさを持っている。まず高温であること。高温すぎて地面に埋められない。埋められる温度まで下がるまでおよそ500年かかるといわれている。加えて中性子線を多く放出する。透過力の強い中性子線。これを取り扱う労働者および近隣住民の被ばくは避けられない。そしてこの超最悪放射性廃棄物、プルごみは再利用できるのか、という疑問。あんまりそういう話は聞かない。ようするに1回こっきりの再利用になる可能性大。
 プルサーマルは肩書き上プルトニウム「リサイクル」計画。もんじゅ破綻の次にこのプルトニウムの有効利用という宣伝でそこらじゅうの原発で計画持ち上がるかもしれない。が、とてもリサイクルと呼べる代物ではない。1%・1回ぽっきりなのに何が資源の有効利用だ。核燃料・プルトニウムサイクルいずれも核のごみ増殖サイクルと名前を変えるべきだ。推進することによって、深刻な環境汚染を及ぼすことは言うに及ばず、莫大なカネ(税金)が投入され、国民の首を絞め続けることになる。いくら景気回復と言っても、これ(核リサイクル)がある限り、バケツの底からカネを垂れ流し続けてるようなもんだ。なんとかミクス作戦?で年金使って株式底上げする前にこの無駄遣いの大穴をふさぐべきじゃないのか。

 
 

ごみ学に望むこと

2015-11-24 20:15:37 | 放射能
 科学を生み出したのは人間の理性だが、近代科学技術発展の原動力になったのは人間の感情だ。すなわち、あーしたいこーしたいという欲望であって、その中には病気を治したいという願望から、生活便利にしたい、金儲けしたい、ケンカ(戦争)に強くなりたいという願いまで多種多様。
 ごみに対する人間の感情はとてもシンプル。目障り。じゃま。ハリーポッターの魔法が使えるなら、こんなものさっさと世界中から消滅させたい。
 と、ここで生じる疑問。ゴミを扱う学問ってあるの? もちろん社会じゃなくて自然科学の分野で。ようするにごみを人間の願望に限りなく近づける方法で処理処分目指す科学技術研究ってあるんだろうか。一般のゴミに関しては、人類は長いこと燃やしたり埋めたりして体積減らして、目の前から見えなくするという単純な方式でやってきたけど、有害重金属や放射性廃棄物はそれではだめっしょ。
 で、核のごみ、学問で検索したらこんな動画がでてきた。
放射性廃棄物安全管理工学 
 いろいろ難しそうなこと言ってるけど、結論として、この技術はまだ確立していないようだ。にもかかわらずこの研究者は世界中が原発増設する中、日本一国が脱原発しても無意味、といったニュアンスを前置きに、どんどんゴミ生み出す原発を肯定するスタンス。これにはあんぐり。
 加速器駆動システムとやらで、寿命の長い放射能を短い放射能に変えるという研究。もしも、ですよ。仮にこの方法で放射能ゼロになる可能性があるなら、「原発推進しても未来はばら色!」発言をマッドサイエンティストのたわ言と苦笑してすませられるだろう。ところが彼は中途半端な技術であることを百も承知で原発推進についてとりすました口調でイエスと言っている。論理的一貫性のないこの言動。こういうのって、カルト宗教に洗脳された人に良く見られる。笑えない。ちょっと怖い。
 確かに高レベル放射性廃棄物の中にはウラン235とか気が遠くなりそうなほど寿命が長いものがある。そういうのが短寿命に変換されたら、とても喜ばしいことのように思える。が、短寿命の放射性物質は短期間でより強い放射線を出す。したがって、ン万年後の人類に迷惑かけるかわりに、これからン百年間の人類が苦労することになるのでは・・・ つよーい放射線で千年後には人類ヘロヘロになって、10万年後には一人も残っていませんでしたっ、なんてマンガにもならない。また、「低レベル放射性廃棄物」は加速器にかけることできるのか。とにかくこれは膨大な量である。そんな中から対象となる超寿命放射性物質を抽出して加速器かけて、また取り出して、かけて、みたいな作業延延々と繰り返すのか。ものすごい労力と時間がかかりそうだ。うさぎの推測だがこの研究、低レベルは、ほっとけ、なんじゃないのか。
 廃炉で生じる放射性廃棄物は、私たちが10数年後にはもろ直面するリアルな問題だ。ごみの研究するなら、まずこれからやってくれよ。どうすんだよ、これ。まさか低レベルで健康に影響及ぼしませんので、どっかの人があまり住んでない田舎に埋めてくださいなんて言わないよな。

 話変わるけど、NUMOって、Nuclear Waste Manegement Organization of Japanの略だそうだけど、名前変えたほうがいいと思います。
 

南信州が危ない

2015-11-21 19:32:23 | 放射能
 核のごみって、ほんと実態が不透明だ。原子力の三原則に民主・自主・公開があるけど、核のゴミに関してはそれが成り立たないみたい。
 と、いろいろ低レベル放射性廃棄物について考えてたら、南信州に放射性廃棄物の最終処分場を建設する計画があるという情報を得た。
宮田人
 場所は天竜川水系の上流に位置する宮田村。長野県駒ヶ根市の近くだ。8000bq/kg未満の放射能濃度のゴミが含まれているというのだが、どこで、どのようにして生じたゴミなのか、素性は不明らしい。
 いずれにせよ「すそ切り」された放射性廃棄物だから、このために強固なつくりの処分場を建設するとは想像しがたい。よって天竜川が汚染される可能性が高い。天竜川を水道水として利用している大都市といえば浜松市、磐田市あたりか。
 浜松市民のみなさん、長野県宮田村で何が起こってるか、注視すべし!

放射性一般ごみ

2015-11-20 16:25:08 | 原発
 高レベル放射性廃棄物の最終処分場が決まらない中、なぜ原発を再稼動させてゴミを増やし続けるのか。経済云々言う前に、低レベル放射性廃棄物最終処分問題があるからじゃないのか。低レベルの話を書きながらそんなことをふと思った。すなわち、あっさり止めて廃炉にしちゃったら、たちまち廃炉によって大量発生する低レベルのごみが立ち往生。これらの行き場がないこと表面化して世間が騒がしくなり、問題先送りが出来なくなる。そんなんだったら動かしておこう。
 想像の域を出ないけど、もしそうだとしたら低レベル放射性廃棄物って原発ゼロ運動にとって重要なキーワードだ。
 で、核のごみモラトリアム最中に起こった福島原発事故。これが指定廃棄物という新たな核のごみを生み出した。それまで曲りなりにも放射性廃棄物と名のつくものの処理処分は事業者側に責任があった。一方、指定廃棄物の方はあくまで住民側から出たごみ。本来、処理処分の責任は住民側自治体にある。が、放射能に汚染されてるから今までどおりに捨てられない。なんでこうなった。この結果の原因を探って責任者を指摘するのは3歳児にもできる。
 東電である。こんな有様にしてくれたのは。この指定ゴミ、東電みんな回収しろー。
 2011年8月、福島県二本松のゴルフ場が除染を求めて東電を訴えた。東京地裁は東電に除去を命じることはできないとゴルフ場の訴えを退けた。なんでこんな勧善懲悪逆バージョンみたいな判決が出せるのか。その根拠となったのが、当時あった汚染を防止する法律の数々。
 大気汚染防止法 第27条 1項
 土壌汚染対策法 第2条 1項
 水質汚濁防止法 第23条 1項
 ここに、すべて放射性物質による汚染に関してはこの法律使えませんよとある(あった)。そして環境基本法 第13条に放射能汚染に関しては他の法律で定めますとあった。しかしながらなーんにも定めていなかった。すなわち、私たちは東電に対し放射能汚染の責任を追及する法的術を持ち得なかったのだ。
 現在はこっそり削除されてるはずだ。恐るべし、環境基本法 第13条。かくして放射性一般ゴミの処理は国民の税金で行うことになった。
 これらわずか数行のちょろちょろ書かれた法律によって責任が事業者から国民へシフトさせられる「みごとさ」、及び憲法25条がありながら放射能汚染に関しては無法状態におかれていたこと(現在もそうだ!)、こんな25条違反(だと思う)の法律が福島原発事故という最大級の痛手を負うまでみんな気付かなかったこと、これら3点にうさぎはショックを受けた。
 これから同様のことが起こったら誰が責任持つのか、はっきり定められないまま、2011年8月放射性物質汚染対処特措法ができた。もちろんしっかりすそ切りされた状態で。
 1キログラムあたり放射能濃度8000ベクレルを超えるごみが指定廃棄物。なんで8000bq/kgなのか。8000bq/kgのぶつ1キログラムから1グラム分汚染されてないごみと交換したら通常のごみとして捨てられるのか。疑問はつきないが、この処分場をどこに作るのか、候補地の猛反対にあっていまだ未定である。そんな中7999bq/kgのごみがふつーのごみとして捨てられようとしている今の日本。これを放射能無法地帯国家と言わずして何といおう。
 
 ところで、この指定廃棄物と「極めて低い」低レベル放射性廃棄物の処分法がなぜ違うのか。放射能レベルは同じぐらいなのに、前者はコンクリート製で、後者はただのトレンチ。で、これ読んだらわかるかな、と思ったのだが 
 東海発電所の廃止措置で発生する放射能レベルの極めて低いL3の埋設について
 5ページめに、両者の違いが書いてあって「極めて低い」のコバルト60濃度高さにびっくり。こっちこそコンクリートの建造物の中に鉛の覆いをして厳重保管したほうがいいのでは。とにかく放射能濃度のレベルではなさそう。としたら廃棄物の形態が、まとまりにくい灰とかたい固体という単純な理由なんだろか。わからーん!

低レベルの話

2015-11-17 21:00:44 | 原発
 とは言っても高レベル放射性廃棄物に関し、国民に理解を求めるシンポジウムは開かれた。じゃあそれ以外のものはどうなってるんだ。高レベルがあるんだから低や中レベルがあるはず。資源エネルギー庁の
放射性廃棄物の処理処分の動向について
 を見てびっくり。日本において高レベル放射性廃棄物以外の核のゴミは、すべて低レベル放射性廃棄物に分類されるんだってさー。うーん、で、その放射能レベルは3つに分類される。
 「高い」、「低い」、「極めて低い」。
 「高い」低レベル廃棄物はベータ・ガンマ放射能濃度が1トンあたり10兆ベクレルをこえるゴミで、制御棒やシュラウドなど圧力容器内でめいっぱい放射線浴びたもの。現在のところ1万4千立方m以上、ドラム缶にして7万本以上になると見積もられている。これをどう処分するのか。つい最近まで地表から50~100m下(地下50mまでは「余裕深度」と言われるごみの管理期間の基準のない地帯)に埋めることになっていたが、今年の夏ごろより深く地下100m下に埋めようという話になった。そこで300~400年の管理を事業者にしてもらうんだけど、この仕事についたら300年死ねないなんて凄すぎる話だ。 場所はまだ未定だそうです。
 「低い」低レベル放射性廃棄物はベータ・ガンマ放射能濃度が1トンあたり100億ベクレルから10兆ベクレルまで。原発内で消耗した金属、プラ、フィルターなどを切り刻んでドラム缶に入れ、セメントなんかで充填したもの及び濃縮廃液や焼却灰をセメントなんかで均一にし、ドラム缶に流し込んだもの。そう、あのお馴染みの核マークのついた黄色いドラム缶。日本は昔これを太平洋に捨てていた。とうぜん太平洋諸島の住民や国際世論からえらくひんしゅくを買った。今は海に捨てずに、六ヶ所村低レベル放射性廃棄物埋没センターに運び込んでいる。地表を十数メートル掘り下げたところにあるコンクリートピットがこのドラム缶の行き着く先。ドラム缶300万本収容できて、現在25万本分位は埋まっているはず。ただしそれらは原発の運転中や定期検査中に出たゴミのみと決められている。埋設完了後、土をかぶせて300年管理すると言うが、30年たったら土地売っていいというのだから驚きだ。270年間人の土地をどうやって管理するんだろう。
 「極めて低い」低レベル放射性廃棄物はベータ・ガンマ放射能濃度が1トンあたり10万ベクレルから100億ベクレルまで。原発のコンクリの廃材なんかがここに含まれる。で、処分法はというと、説明書にそって機械的に判断すればトレンチ処分。つまり地面に穴掘って、厚めのポリ袋に入れたこのゴミをそのまま捨てるという方法だ。ちょっと冗談やめてよ、と言いたいのだがこれが日本全国の原発敷地内に将来作られそうで、該当自治体はけっこうあせっているはずだ。なぜならこれからどんどん廃炉が増えるわけで、六ヶ所村にその廃炉ゴミを押し付けるわけにはいかず、「極めて低い」ゴミは地元で・・・となりそうだから。地表近くでしかもバリアはゼロに等しいこの素朴な処分場。もろ地下水が影響受けそうだ。いやたぶん受けるでしょう。
 以上3種大雑把に分けて整理するとこんなかんじか。それぞれ含まれる放射性元素について違いはあるかもしれない。いずれにせよ低の低でもベータ・ガンマ線が強いんだよね。ガンマ線って透過力強いんじゃなかったっけ。だから「低い」も「極めて低い」処分場もこんな地べた近くに作って大丈夫なのか。それにもまして六ヶ所村に運ぶことができるのは一部の低レベル放射性廃棄物だけで、他は行き先なくて、候補地も決まってない宙ぶらりん状態ってことに愕然となる。低レベルも高レベルに負けず劣らず深刻だ。いや、量が高レベルと比較にならないほど多く、処分方法がかなり楽天的に計画されてるだけもっと深刻だ。高レベルみたいに国民に広く理解求めることやらないのか。 まさかどこかで「有識者」の方々が勝手に決めるなんてことはしないよね。

 資源エネ庁が言ってる低レベル放射性廃棄物は、はっきり言って低じゃない。だって「極めて低い」の上限が100億bq/tだもん。中高レベルですよ。
 廃炉に伴う核のごみがあまりにも膨大になり身動き取れなくなるとふんだ政府は1999年、放射性廃棄物として扱うものの境界決め、すなわちすそ切りを行った。
原子炉等規制法におけるクリアランス制度
これの21ページを見ると、原発のどの箇所のものが一般ゴミとして扱われたりリサイクルされたりするのか明示されていて、ぞっとなる。うさぎはこの放射性廃棄物でない廃棄物こそ低レベル放射性廃棄物だと思う。
 福島原発事故前すでに、私たちには低レベル放射性廃棄物に囲まれて暮らさざるをえない社会が準備されていたのだ。それにしてもクリアランスだなんてかなり実態ごまかした言葉である。バーゲンセールと間違えたらまずいだろう。今からでも遅くない。万人が即座に理解できる「放射能レベルすそ切り法」に変えるべきだ。