もんくうさぎのブログ

もんくばかりでごめんなさい

核のゴミシンポ

2015-11-06 11:15:05 | 原発
 国がやってる高レベル放射性廃棄物最終処分に関するシンポジウム「いま改めて考えよう地層処分」に出席してぶったまげた。
 まず入り口で手渡されたパンフレット。

 いかにもカネかけたツラがまえもさることながら、大切なことはさらっと流してひたすら自分たちがやりたい地層処分(ガラス固化体を300メートル以上の深さに埋める)の正当性説明に終始した出来の悪い教科書的内容。
 こんなのばらまけば、国民の理解得られるとでも思ってんだろうか。これですんなり核のゴミ最終処分の計画を納得するアタマの国民ばっかりだったらはっきり言って教育の失敗。文科省猛反省すべし。
 実はうさぎは以前資源エネルギー庁にメールで質問したことがある。

「高レベル放射性廃棄物の地層処分に関する自治体向けの説明会が非公開だったのはなぜですか」
 
 で、かえってきた答えがこれ

「今回の説明会は、全国の自治体を対象に、公表済みの資料に基づいて、最終処分政策に見直しの経緯や今後の取り組み等について情報提供を行っているものです。
 最終処分政策の問題の解決が社会全体の利益であるという認識を、広く全国で持っていただくことを目的としております。
 全国の自治体に説明を行っていくこと自体は事前に公表したうえで進めておりますが、仮に、説明会を公開のもとで行えば、受け入れに関心ある自治体と誤解されることをおそれ、参加や発言を控えられることがみこまれます。こうした場合、説明会の目的を達成できなくなると考えたため、非公開で行うこととしました。
 なお、公表済みの資料に関してはNUMOホームページで閲覧することが可能です」

 なんで公開されたら誤解されんの? 誤解される恐怖を前提に自治体説明会は行われるんか? これって超やましい会合やりますよってことを婉曲表現してるだけじゃん。  
 言ってることがよくわからなかったので、「住民としてはそこで出された意見が知りたいだけなんです。これから公開にすることはないんですか」と、さらに質問したらなしのつぶて。だったらシンポに出席してじかに聞いてみようと思ったんだけど、会場からの質問の勢いが・・・
「処分地が決まってないのになぜ原発を再稼動するのか」
「瑞浪の超深層研究所では塩水が湧き出してる。地下水の問題はクリアできるのか」
「長期にわたる処分地を作る過程で作業員の被ばくは」
「原発の安全性を論じるとき、原子力のリスクと他のリスクをごたまぜにするな」
「こんなもの作って国民のカネを無駄遣いするな」
 そうだっ! そのとおりだ!
 とうさぎは深くうなづいたがそれらに対する答えがみなスカタン。うさぎをはじめ会場の人々の頭上にやかんをおいたら怒りで沸騰して、そんでタービンまわして電力が大量に発電できそうだった。
 いっちゃ悪いけど壇上にいたのは、うさぎから見れば妖怪へんげのようなひとたち。
 言葉巧みに質問者の論点をかわす資源エネ庁放射性廃棄物対策課長はああいえばこういう妖怪。産業技術総合研究所地圏資源環境研究部門総括研究主幹、地層処分技術ワーキンググループ委員という肩書き妖怪。地底怪人のような(言動が)日本原子力研究開発機構 深地層研究部長妖怪。そして「瑞浪から塩水が出るということは、そこは太古は海だったということで安定した地層といえます。最終処分に有力な候補のひとつですよっ」と陽気に言い放った原子力発電環境整備機構 理事妖怪。くわえてアンドロイドのようなフリーアナウンサー。
 原子力でメシを食っているとみんなこういう具合になるんだろうか。考え方の基点がことごとく一般人常識から乖離してる。いやこの表現は生ぬるい。一言で言って、・・・狂ってる。
 福島原発はいまだ汚染水が駄々漏れである。メルトした核燃料がどこにあるのか不明だし、それを知る術を我々は持っていない。当然3つの原発から出続けている膨大な放射能を止める術を止める術もない。現在進行形で何万もの人々が家や土地、仕事、故郷を奪われ、放射能のリスクにさらされている。なのにああいえばこういう妖怪はエネルギー安定供給のために原発を再稼動させるという。彼らは除染作業はやったのだろうか。フクイチで収束作業に従事したことあるんだろうか。原発はこういう人たちが動かしていたのだ。人の財産と命と健康よりも自分たちの利権を優先する人々によって動かされてきたのだ。そして核のゴミも彼らは自分たちの思い描いた計画通りに処理しようとしている。
 高レベル放射性廃棄物の最終処分場は国が指定することになった。これからが大変である。たぶん候補地は交付金貰い続けていて、断るのが苦手な、お人よしの、ぼーっとした、「田舎」になるだろう。岐阜県人!ぼやぼやしてたら隣町にごっつい最終処分場できまっせ。