『補聴器と聞こえのバリアフリー』
東京大学先端科学技術研究センター客員教授 大沼直紀氏
補聴器使用のバリアー
#N寄り・ 障害者と見られる心理的躊躇
%?ョ・ 補聴器に対する本人の理解不足
%?ョ・ 補聴器に対する周囲の理解不足
&竰ョ器入手までのルートが難しい
&竰ョ器を手に入れても専門家のフォローが少ない
&竰ョ器は高すぎる
″w諶メ難聴の疑似体験 ⇒ 伝音性になるので誤った体験(耳栓で30~40dB下がるだけ)
高い音が聞こえず低い音が届く(隣室の高音は壁に吸収、低音だけが流れ込む)また、体温計の電子音は65歳以上の人には聞こえにくい
ゝAKESHITASANは音が小さくなるだけではなく子音が聞き取れない。
そして聞きたいとおりに聞いてしまう。
アメリカ・パスコの男女による補聴器必要レベルグラフ
同年齢の男女の例なので夫婦で年齢差があれば更に差がひらく
難聴を自覚しているかいないか ⇒ 受け入れているかどうか ⇒ 補聴効果が出るか出ないか
アレクサンダー・グラハム・ベルは16才から聴覚障害の先生(ボストンでは有名)だった。母親が聴覚障害であり、やはり難聴のメルベルが妻になった。そしてオージオメーターの原型となった聴力計を作った。
耳の日 3月3日 (ベルの誕生日)
補聴器の日 6月6日
人工内耳の日 9月9日
ヘレンケラーと指文字で会話している、サリバン先生は視覚障害者だった
障害者と生身で接触する意欲が大事である
補助・介助が無くとも会話をしようとする意欲がないと舗装具は意味を持たない
(先生のワンポイントアドバイス:外国語は5~10dBアップした方が聞き取り易い)
言語聴覚士 7614人中 1289人が聴覚補償に従事。7人に1人の割合でしかない。
メガネの様に調整が簡単でない。もしダテ補聴器があったら(ダテメガネを作ることを考えればよい)補聴器は付けても付けなくとも同じに聞こえる様にするのは難しい(外耳道共鳴など)。それ程補聴器のFittingは難しい。
騒音の中では健聴者は-5dBで会話は理解できるが、
難聴者では+15dBでやっと聞き取れる。その差は+20dB。
名前の聴き違い
佐藤さん / 加藤さん
須藤さま / 工藤さま
井田くん / 飯田くん / 石田くん
* お爺さん / お兄いさん
* 虫 / 牛 / 櫛 / 鮨
マガーク効果 :
「ガ」ではなく「バ」でもなく思い、結局間違った「ダ」と聴こえてしまう。
「ガンコオヤジ」という言葉を知っていれば全て聞き取れなくとも聴能で聴きとれるが、知らない(外国人などの)場合は聞き取れない。
「聴力」と「聴能」の違い
聴能=残存保有する聴力を活用する能力
●「聴力」はほぼ確定されうるが「聴能」は発達変化する
●「聴力」が同じ難聴者でも「聴能」には差異がある
ヘルドの心理実験 : 受動ネコは自ら反応できないと自分を押さえこむ
能動的に生きていないと習慣化して色々な物事に関心が薄れてします。
心で観る
●観る=心でみる
単に目の前で見えている在りのままの物を見るというのではなく、目には見えていないが、
その後方や先にあるはずの本当の姿を見抜くこと
何でもよく見えるはずの聴覚障害者にも「心でみる」ことができない人が
“観えない障害者”になってしまわないように
指点字を作った福島智氏は同じ大学なので本を読んだあと挨拶に行った。目がみえないので本へのサインなど思いもよらなかったが彼の方から書いてくれた。こちらが勝手に思い込んでいたが能力は人によって違うようだ。