心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

武奈ヶ岳 琵琶湖の西にそびえる比良山の最高峰へ

2021年04月12日 | 中部・近畿地方の山


武奈ヶ岳(1,214m)


 今年(2021年)の3月、滋賀県大津市にある「途中」行きのバスが廃止になるというニュースを目にしました。途中というのは、どこどこへ行く「途中」ではなくれっきとした停留所ですが、そんな地名があるのかと驚く人も多いと思います。国道367号線は、三千院や寂光院で有名な京都の大原を過ぎると、さらに北上して京都と滋賀の府県境を越えます。地形図を見ると、そこには「途中越」と印刷されています。その先でくぐるのは「途中トンネル」、抜けた先は「伊香立途中町」です。平成15年に設置された、「途中」という名前の三角点(四等)もあります。三角点の周囲はゲートボール場とのことでした(国土地理院・基準点成果等閲覧サービス)

 冬晴れの日に東海道新幹線に乗ると、楽しみな景色は富士山と伊吹山と比良山です。大きく接近する伊吹山に比べ、比良山は低く見えますが、横方向には広いです。東京行きののぞみ号が京都駅を出発し、音羽山トンネルを抜けると比良山が見えてきます。初めは振り向かないと見えませんが、やがて進行方向を東から北東へ変えると見えやすくなります。これといって飾り立てのない姿ですが、雪で一直線に真っ白になる姿が特に良いです。

 武奈ヶ岳はその比良山地の最高峰です。登ったのは雪のなくなった4月の終わり、ゴールデンウィークの初日でした。
 途中の先にある坊村バス停から明王院の境内を抜けて登山道に入ると、いきなりの急坂です。標高を上げると樹々は葉をほとんど落としていました。
 頂上は、一目でここが一番高い場所と分かるような、遮るもののない場所でした。大小の山が連なる比良山地は複雑な地形で、これは新幹線からで見ても分からない眺望でした。冬の続きのような景色は少し寂しく、次は新緑か紅葉の季節に登ってみたいと思いました。
 東側には琵琶湖が広がっています。視界に入りきらないほど大きい日本一の湖を受け止めるには、比良の山々が必要なのだと思います。水面には大きな島がいくつも浮いているように見えましたが、陸続きのはずです。

 同じ登山道を坊村まで戻りました。バス停近くの「茶坊」で注文した山菜うどんがおいしかったです。
 ここから出町柳駅行きの京都バスに乗りました。途中で、「途中」バス停を通過したはずですが、居眠りをしてしまいました。
 近くには「還来(もどろぎ)神社」もあります。振り仮名がなければ読めない名前です。今度はぜひ「途中」で途中下車し、ゆっくり散歩をしてみたいと思います。
 途中停留所が終着となるバス便は廃止されてしまいましたが、途中を経由するバスなら走っています。しかしどの系統も本数は大変少なく、公共交通で行くにはあまりにも難しい場所です。
 帰りに使った出町柳行きの京都バス(10系統)は、3月16日~12月15日の土曜・休日と8月14日~16日以外は走りません。しかも、2013年の時点では1日2往復ありましたが、今は午前中の1往復だけとなり、武奈ヶ岳登山の帰りに使うことは困難です(2021年4月現在)







 (登頂:2013年4月下旬) (翌日の伊吹山へつづく) 



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