第4話「街角ギャラクシー☆彡」のストーリー解析、および感想記事です。
✅総評
すみれがスクールアイドルになるまでのお話。
夢を諦めている人物に、仲間が声をかけ引っ張り上げるという構図。
展開的には、無印の「にこ襲来」、サンシャインの「ヨハネ堕天」に似ている。
やっていることが8年前と変わらない。
個人的には新鮮味がないと感じてしまった。
でもやっぱりこういうのがないと「ラブライブ」じゃないのかも、とも思う。
🔴不運な女すみれ
すみれは幼少期からショービジネスの世界に身を置いていた。
しかし鳴かず飛ばずであった。
主役になったことのないまま、彼女は高校生になった。
それでも夢を追っているすみれ。
すみれは、ショービジネスの世界では無理でも、アマチュアなら主役をつかめるかもと考える。
だがすみれにとってはアマチュアの世界である「スクールアイドル」でも、センターになれなかった。
元々、すみれのポテンシャルはかなり高い。
アマチュアのダンスとはいえ、一回みただけで完コピできるのは、努力だけでない。
天性の才能もある。
それでもセンターになれない。
厳しい世界でも、そうでない世界でも、すみれは神様に見放されている。
だから無理だとあきらめた。
口ではそう言うが、それでも、彼女は原宿の街を歩き続けた。
通りで声をかけられるために、主役になるために、雨の中通りを歩いていた。
そこで「歌えない」を克服したかのんによって、すみれは引っ張りあげられる。
🔴小さな夢を叶えたかのんが、すみれの背中を押す
ショービジネスの世界で生きてきたすみれに、普通の誘い文句は届かない。
また自らを諦めてしまっているすみれをスクールアイドルに誘うのはハードルが高い。
それを手作りの名刺と「奪いに来てよ」というあおりで彼女にはっぱをかける。
その真意は、やる前から諦めてはダメだということ。
そして、チャンスをただ待つのではなく、行動して掴むべきだと伝えること。
これらはあきらめないキモチを持ち、努力を続けて、イップスを克服したかのんだからこそできることだ。
可可のいうように、かのんには華やカリスマがあるのだろう。
この場面でそれが視聴者に伝わるように演出されている。そこがよかった。
センターになれるかどうかは、やってみないとわからない。
でも、やってみなければ可能性は0なのだ。
0を1にすれば夢への道はつながるはず。
自分もそう思う。
やってみなければ、何も変わらない。
なら、たとえ可能性が低い無謀な賭けであろうとも、飛び込んでみるべきだ。
勇気がなければ、誰かから押してもらえばよい。
すみれにとって、押してくれる仲間がいたこと。
それは間違いなく幸運だったのだ。
✅作品基本情報
原作:矢立肇
監督:京極尚彦
シリーズ構成:花田十輝
脚本:花田十輝
アニメーション制作:サンライズ
✅キャラクター
[Liella!]
・澁谷かのん - 伊達さゆり
・唐可可 - Liyuu
・嵐千砂都 - 岬なこ
・平安名すみれ - ペイトン尚未
・葉月恋 - 青山なぎさ
[サニーパッション]
・柊摩央 - 結木ゆな
・聖澤悠奈 - 吉武千颯
[澁谷家]
・澁谷 ありあ - 松永あかね
・かのんの母 - 能登麻美子
・マンマル - 麦穂あんな
[学園関係者]
・理事長 - 朴璐美
・ナナミ - 和氣あず未
・ヤエ - 富田美憂
・ココノ - 白石晴香
[葉月家関係者]
・チビ - 麦穂あんな
・サヤ - 花澤香菜
✅ドライバー
メインドライバー
・歌を諦めたすみれが、スクールアイドルの世界へ踏み出す。(F-L)
サブドライバー
・すみれがスクールアイドルになってセンターを狙おうとするが、目論見が外れる。(L-F)
・恋はスクールアイドルを応援する気がない。(E)
・すみれの幼少期、センターにこだわる理由が明かされる。(P)
✅補足
🔴雨があがるとき
ラブライブ!の作品における「雨」は、物事が進まない停滞を意味する記号である。
例えば、すみれがスクールアイドルになることを諦めたとき、作中では雨が降りはじめた。
そして、すみれが再びかのんの後押しによってスクールアイドルになるまで、雨は上がることはなかった。
この世界では、物語の進行と天候がリンクされているのだ。
天気が悪い時には問題が起きているし、天気が晴れてくれば問題は解決したと解釈できる。
著名なミュージカルでもよく使われる表現技法のようだ。
そういったところに注目しながら視聴するのもよい。
🔴ショービジネス
ここではタレント活動のことを言っているのだと思う。
私はショービジネスという言葉が、あまりピンとこない。
子役だった、と言わずに、ショービジネスと言っているのは何の違いがあるのか。
あまり世間と同じ言葉を使いたくないのか。
🔴ダイオウグソクムシ
wikipediaで写真を見た。
正面からみるとかわいいけど、裏側はくっそ気持ち悪い。
これの着ぐるみであのダンスを歌わされて、彼女にとっては引きつるほどの思い出なのは間違いない。
しかし黒歴史ではあるものの、自分がショービジネス界に身を置いている(いた)という証左でもある。
それゆえに削除することもできないのだと思うと、つくづく運の無い女である。
✅残された伏線
✴恋がスクールアイドル活動を認めない理由は?
相変わらずスクールアイドルを応援するつもりは少しもない恋。
スクールアイドルに母親を殺されたのだろうか。
✴なぜ平安名すみれはスカウトされたがっているのか
幼少の頃からの夢(主役をとる)を一人でずっと追いかけていたからだった。
ショービジネスの世界よりもスクールアイドルを下にみていた彼女だが、スクールアイドルとして仲間と夢を追いかけるようになった。
✴千砂都が急にラップを口ずさみ出したシーンは何のためにあるのか
次回以降千砂都回なのでそこで明らかになるかもしれない。
✴千砂都がスクールアイドルになる理由
これも次回以降?
✴フォトスタンドに映っていた人物たちは何者?
街頭TVの近くに同一人物と思われるポスターが貼ってあったことから、やはりスクールアイドルと思われる。
もしかしたらサニパ以外にも多くのスクールアイドルが登場する構想があるのかも。
✅ストーリー詳細
✔アバンパート
🎞(回想)スタジオ
E 幼いころのすみれは、グソクムシの着ぐるみをきて番組収録に臨む。
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🎞ゲームセンター
E すみれはグソクムシのぬいぐるみをとろうとするが、うまくいかない。
G-E すみれは芸能事務所のスカウト担当に声をかけられるが、通行人役にピッタリと評される。
✔Aパート
🎞廊下
P 階段を上るすみれは、かのん、可可、千砂都の会話を立ち聞きする。
G 理事長からフェスでの実績が認められ、同好会が設立、練習場所も確保された。
G フェスのおかげでクーカーのSNSのフォロワーが2000を超える。
E すみれは一桁なので悔しがる。
P 恋が同好会の部室の鍵を渡しに来る。
L かのんは恋に、スクールアイドルで学校のために頑張ると伝える。
F 恋は「スクールアイドルじゃなければいくらでも応援してあげられますから」とスクールアイドルを否定する。
L かのんは、スクールアイドルでいい歌を歌いたいと思ったことを伝える。
F 恋から「今のあなたたちではラブライブ!に勝てるとは思えない」と言われる。
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🎞中庭
P すみれはスクールアイドルについて調べ「アマチュアみたいなもの」と感じるが、何か希望を見出す。
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🎞部室
P かのんたちは部室を探す。鍵が2本あることを訝しむ。
P 部室には既に「学校アイドル部」というプレートがかかっている。
P 可可は部室に誰かいるのを発見する。
G 部室にはすみれがおり、入部希望であることを伝える。
P 可可は、去年のサニーパッションの決勝でのパフォーマンス動画をみせる。
P サニパのフォロワーは9万8000である。
G すみれはスクールアイドルになることをかのんに伝える。
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🎞練習場所の屋上
P すみれは千砂都のステップを見ただけで完璧にコピーする。
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🎞部室
P すみれはショービジネスの世界に身を置いていたことを打ち明ける。
P すみれはグループのセンターは自分がいいと誘導しようとする。
P 可可や千砂都はかのんがいいという。
P 可可はセンターには歌やダンスがうまいだけでなく、カリスマ性が必要だという。
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🎞教室
P スクールアイドルセンター選挙を行う。
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🎞部室
G(E) 結果かのんが圧勝する。すみれには1票も入らない。
P 可可は、かのんのほうが自分やすみれよりオーラや華があるという。
E すみれはセンターになれないんだったら同好会をやめると出て行ってしまう。
E 雨が降り出し、練習は無しに。
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🎞通学路
P かのんはすみれにセンターを任せようと提案する。
P 可可は「センターはスクールアイドルの憧れ、誇りを持つべき」と否定的だ。
P かのんは街を歩くすみれを見かけ、後をつける。
P すみれは通りをウロウロしている。
P すみれは駅がどこかを訪ねてきた女性に「スカウトじゃないなら声をかけるな」と怒る。
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🎞神社
E 自分のスマホに保存されていた、グソクムシの着ぐるみで歌う幼いすみれの動画を見返す。
P かのんが横からそれをみてかわいいという。
P すみれは動画をみたことに激怒する。
✔Bパート
🎞どこかの部屋
P かのんは縛られ、魔法陣が床に書かれた部屋に座らされている。
P すみれが巫女姿であらわれ、かのんの記憶を消そうとする。
P かのんは、あとをつけてきたのはすみれがセンターにこだわる理由を知りたかったからだと弁解する。
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🎞境内
P すみれは小さいころから主役にあこがれていろんなオーディションを受けていた。
E しかしいつもどうでもいい脇役ばかり回ってくる。
E スクールアイドルならアマチュアだし何とかなるかと思ったが、やはりセンターになるのは無理だと感じた。
E 今回のことで、自分はこういう星のもとに生まれたから、どんなに頑張っても無理だとわかったと、すみれは語る。
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🎞廊下
P かのんから話を聞いた可可は、すみれが邪な理由でスクールアイドルになりたがったことに怒る。
P 通りかかったすみれに、可可は昼休みに屋上に来るようにいう。
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🎞屋上
P 真剣にステージでパフォーマンスしているスクールアイドルを侮辱した、と可可は怒っている。
P すみれは、可可がたくさん練習したダンスを、簡単にやってみせる。
E すみれはショービジネスの世界にいてこれくらいは余裕でできるのに、スクールアイドルというアマチュアな世界でも自分にはスポットは当たらないことを伝える。
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🎞理事長室
P 恋は、どうしてスクールアイドル同好会に屋上を開放したのか尋ねる。
P 理事長は「場所がなかったからだ」と答える。
P 理事長は「努力しようとするものからその場を奪うのがよいこととは思えない、と恋の母も言うだろう」という。
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🎞屋上
P かのんは、自身が歌えなかったときもそういう運命だと思っていたからこそ、すみれの気持ちがわかるという。
G 千砂都は、そうではなかったこと(あきらめずに続けたことで歌えるようになったこと)をすみれに伝えるべきだと励ます。
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🎞通り
E 雨で人がいない通りを、すみれは往復する。
P 街頭のTVで流れるクーカーのダンスを、すみれはコピーして微笑む。
G かのんはすみれに声をかけ「あなたをスカウトにきた」と名刺を出す。(グループに入ってほしいと伝える)
L 拒むすみれに、かのんは「センターが欲しかったら奪いにきてよ」という。
G かのんは契約金の代わりに、すみれの神社のお守りを渡す。
G 雨が止む。
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🎞屋上
G 晴れた屋上で、すみれはショービジネスの世界をみせてあげると意気込む。
(つづく)
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