株式会社オール・プラン社の薬局ブログ

(株)オール・プラン社は東京、神奈川、埼玉で開局している薬局チェーンです。

成分の呼び名

2012-08-30 09:00:10 | スポーツファーマシスト
おはようございます、オール・プラン社です。
             
禁止表には興奮薬というカテゴリーがあります。試合前の「気付け」として使用される可能性のある成分リストで、非特定物質としてですがエフェドリンなども含まれるので注意が必要なのですが、その中にメチルヘキサンアミンという物質があります。

サプリメントなどに入っていることが多く、最近ではマスターズベンチプレスの選手が海外製サプリを使用し違反となってしまいました。この成分が含有されている事を知らなかった、またその年から非特定から特定物質になった事を知らなかった事が原因のようです。
またこの成分は、様々な名称で表記されていることが多いので注意が必要で、そのため禁止表に注意書きがあります。以下の通りです。

銘記すべき点として、いくつかの興奮薬は複数の他の名前が用いられる場合がある。例えば、“メチルヘキサンアミン”は時にはジメチルアミルアミン、ペンチラミン、ゼラナミン、ホルタン、2-アミノ-4-メチルヘキサン、ゼラニウム根エキス、あるいはゼラニウム油と表記される。

相談を受けた際はしっかりとした製品名を教えてもらうというのが大前提ですが、サプリメント特に海外製品の一部には含有されているがパッケージに表記していない物があるので注意が必要です。
※上記選手が使用した製品は現在はゼラニウムとパッケージに表記しているようです。また決してアングラな製品では無くネットショッピングで容易に購入できる製品です。

本日もありがとうございました。
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育毛剤

2012-08-27 15:05:20 | スポーツファーマシスト
こんにちはオール・プラン社です。
             
今年はオリンピック&パラリンピックイヤーですのでドーピングについてシリーズ的にお話しておりますが、今日は育毛剤についてのお話です。
かつて日本のプロ野球パ・リーグの投手がフィナステリドを使用してドーピング違反となった事例がありました。一般のスポーツニュースにもなりましたので覚えている方も多いでしょう。
その当時はフィナステリドは隠ぺい薬として禁止されておりました。
筋肉増強剤として男性ホルモン的物質が使用された場合、検査ではその代謝物を検出するようなのです。その代謝物の生成を抑え、検出逃れをするのを防ぐためフィナステリドが禁止されていました。
しかし、その後検査の方法が進化しフィナステリドが使用されても筋肉増強剤のような物質を使用したかチェックできるようになったため、2009年に禁止表からフィナステリドは外れました。
しかし、前述のプロ野球の事例が有名になったためかホームページなどの更新が滞っているだけかもしれませんが、今でも「フィナステリドはドーピングアウトです!」という記述をたまに見かけます。
禁止表は毎年改定がありますので、常に最新の情報を元に相談に応じないといけませんね。

また育毛というと、最近ラグビーの選手がOTCのひげや体毛をはやす塗り薬を使用したため違反となった事例がありました。テストステロンが主な成分の医薬品のためタンパク増加剤
OTCそして塗り薬といえども違反となることがあるので注意が必要です。

本日もありがとうございました。
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フグ毒

2012-08-24 16:35:59 | 健康情報
こんにちは、オール・プラン社です。

先日、スーパーのイワシのパックにフグ毒を持つ可能性のあるクロサバフグの稚魚が混入していたそうです。

ところでフグ毒を持つ「可能性」とはどういうことでしょうか。
フグは生まれつき毒を持っている魚ではなく、餌となる有毒鞭毛藻等に含まれるテトロドトキシンなどがフグの体内に蓄積され、「フグ毒」と言われるものになります。
今回はフグ毒は検出されなかったとのことですので良かったですが、万が一フグ毒を含むフグを摂取してしまったら、大変なことになっていました。このような混入が二度とないといいですね。


本日もお読みいただきありがとうございました。
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アスリートとニコチン

2012-08-23 13:00:52 | スポーツファーマシスト
こんにちはオール・プラン社です。

オリンピック期間中よりドーピングについてお話をしていますが、今日は「監視プログラム」という言葉についてお話したいと思います。
            
監視プログラムとは違反にはならないけれど、濫用のパターンを把握するためデータだけは取りますよという物質の事です。
ですのでもし極端な高用量で検出される例が相次いだり、検出された選手の記録が驚異的に上がるなどというデータが出てきた場合禁止表に載ってくる場合もあります。
該当する成分は以下のとおりです
 
1.興奮薬:競技会(時) のみ ブプロピオン、カフェイン、ニコチン、フェニレフリン、
フェニルプロパノールアミン、ピプラドロール、プソイドエフェドリン(150μg/mL 未満)、
シネフリン
2.麻薬:競技会(時) のみ ヒドロコドン、モルヒネ/コデイン比、トラマドール
3.糖質コルチコイド:競技会外 のみ
*世界ドーピング防止規程(4.5 条):WADA は、署名当事者及び各国政府との協議に基づき、禁
止表に掲載されてはいないが、スポーツにおける濫用のパターンを把握するために監視すること
を望む物質について監視プログラムを策定しなければならない。

いかがでしょう、OTCの販売に従事されている方は風邪薬などでよく見かける、またかつて良く見たという成分が入ってますね。カフェイン、ニコチンなんていう身近な(ニコチンはできれば身近じゃ無いほうが良いですよね(^ ^;))物質も含まれています。
またシネフリンという物質ですが、これは良く減量サプリメントなどに含まれていることが多いです。「オレンジビターエキス」などと書いてあることもあります。またミカン科の果物に含まれる成分のため、枳実、陳皮、呉茱萸などに含まれる可能性があります。

前述のように競技会時、外など使用のタイミングさえ気を付ければ現状違反とはならないのですが、禁止表を良く読まれているアスリートであれば「おや?」と思う事もあると思います。JADA公認メーカーの減量サプリにもシネフリンが入っていたりするので、選手が混乱しないようしっかりと説明していきたいですね。

本日もありがとうございました。
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囲碁でもドーピング?

2012-08-16 09:00:00 | スポーツファーマシスト
おはようございます、オール・プラン社です。

先日のブログで、なぜ禁止表にブリッジというカードゲームが入っているのでしょうか?と書きました。
                

「マインドスポーツ」という言葉をご存知でしょうか?頭脳スポーツという意味で、このブリッジや囲碁、チェスなどの事を指します。日本ではスポーツという単語は、体を動かし体力を使う競争というニュアンスで使われるのでかなり違和感がおありかもしれません。
しかし、アジア大会では囲碁が競技種目に採用されており、かつてはチェスも行われていました。
さらに今現在、フランスにて頭脳ゲームのオリンピックのような大会が開催されているのですが、WADA(世界アンチドーピング機構)のルールに乗っ取って開催すると宣言しています、つまりドーピング検査をするということです。検査をすることで、フェアなルールの元行われる権威ある大会だ、我々の種目はスポーツ競技なんだという認知を上げる狙いもあるのかもしれません。
「ドーピングをして囲碁が強くなるのか?」という疑問が当然出てくると思いますが、WADAのルールに乗っ取った以上「自分の競技はこの成分を使っても有利にならない」という言い分は通用しないのです。極端な話、囲碁の棋士から筋肉増強剤が検出されてもアウトです。実際、2007年に日本のチェス棋士がHydrochlorothiazideで違反となっています。
実際の相談を受ける機会はまれかもしれませんが、こういった事情を知らないとあまり調べず「何を服用しても大丈夫ですよ」と言ってしまいそうですよね。
本日もありがとうございました。
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