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ローマ人の物語〈4と5〉― ユリウス・カエサル-ルビコン以前と以後

2006-12-04 23:55:00 | ローマ人の物語
ローマ人の物語〈4〉― ユリウス・カエサル-ルビコン以前
ローマ人の物語〈5〉― ユリウス・カエサル-ルビコン以後

一気に行きます。
ローマ人の物語で前15冊の中で、ユリウス・カエサルの割合はもっとも大きく割かれています。
著者が、カエサルに対して惚れているいるというのは、言い過ぎではないと思います。
ユリウス・カエサルについての詳しい内容は、著作を読んでいただくとして、ここでは、違った切り口を書いて見ます。

カエサルが残した言葉は沢山ありますが、私はその中で最も印象に残った2つの言葉ほ挙げたいと思います。

「文章は、用いる言葉の選択で決まる。日常使われない言葉や仲間うちでしか通用しない表現は船が暗礁を避けるのと同じで避けなければならない。」
「人間なら誰にでも、現実の全てが見えるわけでもない。多くの人は、見たいと欲する現実しか見ない。」

ローマ人の物語を読むにあたってもそうですが、数々の塩野氏の著作を読んだ時、カエサルの影響を受けているなと感じたことがありました。塩野氏の文章は他の歴史関係の本と比べてとても読みやすく感じられます。それにとてもシンプルですがとても力強く感じられる文章であると思いました。
ああ、この人はここまでカエサルという人間に影響を受けているんだと、この2冊を読んだ時思ったのものでした。
そして、この分厚い2冊に、まるで著者はその時代のカエサルの恋人の1人であるかのように書いています。それだけにとてもカエサルに対しての愛情があふれています。
ただ、この本の唯一の欠点を強いてあげれば、惚れた人間の弱みでしょうか、カエサル対して、少し人間味を感じませんでした。

ただ、それを差し引いてもカエサルが生きた時代を書いた本書は、カエサルがいかにその後のローマに影響を与えて、しかもこの時期がターニングポイントとなったのかがよく書かれており、これを知るには必携の書といえるでしょう。

『ローマ人の物語(15)-ローマ世界の終焉』発売まであと11日です。

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