akynoのつぶやき

サッカー、政治についてのコラムを載せています。
コメント、TB気軽にどうぞ。

浦島太郎になった人質たち

2004-04-23 | ニュース
イラクで人質事件が起きた。
イラク派兵へ反対派の私としては”面白いことになったな。これで一人でもなくなれば大きく変わるぞ”と思っていた。

自衛隊派兵を「人道支援」と言い続けている小泉だが、イラクの人々はそれを求めておらずただの’おせっかい支援’でしかない。
目的はイラクの為ではなくアメリカに嫌われないためだ。さらに悪いことにはそれがイラクの人たちにバレバレである。

この見せ掛けの’人道支援’の割をくう形で日本人3名が人質になってしまった。
日本人を守るためにのみ その存在価値を認められる自衛隊が わずか数名とはいえその行動によって日本人を危険にさらしてしまうとは、自衛隊の存在意義にかかわる大きな問題である。

しかし、この事件も 本人たちのこれまでの活動とイラク聖職者協会の努力により一時絶望視された生還を果たした。
にもかかわらず、彼らを待っていた反応は彼らの予想だにしていない、なんとも違和感のあるものだった。

真の人道支援をしようとイラクに入った高遠さんらは、恐怖の中数日を過ごしやっと開放されたと思ったのもつかの間、帰国を待つ日本の状況は一変していた。

この事件の責任はすべて本人にあるとする'自己責任論'が一般論となっていたことだ。
一部議員がそうゆう発言をしていたとはいえ、多くのマスコミは同情的であり、情報操作をしたとも思われなかった。
いろんな原因が複雑に絡み合って大勢の意見となってしまったのだろうが、個人的には彼らの行動には信念があり、大きな非があるとは思っていない。
個人の行動が国家に迷惑をかけたから問題だというが、国家の行動がイラクで活動している個人に迷惑をかけたことは問題ではないのだろうか?

自衛隊の存在意義が日本人の人命を守る事だとすればイラクに行くことに何の意味があったのだろうか?
北朝鮮が怖いからアメリカに守ってもらわないといけないから憲法違反をしてでも派兵しよう。という理論はまったく筋が通らない。

話がそれたので戻そう。
感情を剥き出しにして政府に抗議していた家族たちが脅迫され、まったく発言できなくなってしまった。そして拉致された人質たちは帰国したにもかかわらず発言できてさえいない。
相当の圧力を感じているのであろう。
高遠さんにいたっては精神的にまいってしまい外にさえ出られない状態だ。

残念ながら今回の日本市民のリアクションは非常に違和感を感じるものだった。時代が変わったのかもしれない。