神戸で観た舞台の詳細レポです。
『最期の朝食』
ストーリーは、某国のお馬鹿な大統領が、側近との喧嘩中に地球を滅亡させるボタン(パーフェクトインサイダー)を誤って押してしまう。
『世界があと24時間で滅亡する。』
その情報はもちろん日本にも伝わり、日本のあるアパートの住人たちと、某国の大統領とその愛人、側近の混乱が描かれる。
日本と某国のシーンが交互に展開され、2元中継みたいなものかな?
アパートの住人たちは個性豊かで、優しくていざというときに頼りになる管理人さん、酔っ払って明け方帰宅しリビングのテーブルで寝ているOL・萌、もうすぐ赤ちゃんが生まれる夫婦、バカップル・幸弘とアヤちゃん(正確な名前は忘れた…。そう呼ばれていたので)、そして無言で絵を描き続ける画学生・望月。
他愛もないいつもの朝が、テレビの臨時ニュースで一瞬にして凍りつく。
あと24時間で世界が滅亡・・・
妊娠している奥さんは発狂し、なぜか自分を極妻だと思ったり、幸弘は急に豹変しアヤちゃんを襲おうとする。
萌はどこかに電話をかけたい様子で受話器を取るのに、番号を押すことができないでいる。
獣のように暴れる幸弘をおさえるため、強盗に入って暴れる近所のオヤジをおさえるため、無表情で思いもよらないことをして、その度にその場の空気を変え、なんとか騒ぎを収集させる望月。
(この望月くんはほんまに何をしでかすかわからんけど、飄々としていて好きなキャラだった。笑)
中でも妊婦のお母さんが娘を心配しアパートにやってきて、娘や住人たちを落ち着かせる暖かさにとても安心した。
そして泣けた…
台詞は忘れたけど(おい)「そうそう」と納得したのは覚えている。
娘のために最後の晩餐は娘の大好物を食べさせてあげたいと持ってきたのは、ポッキー、メンズポッキー、いちごポッキーなどなどポッキーばっかり(爆)
極めつけはジャイアントポッキー!!!
「そう来るやろうな・・・」とわかっていても面白かった
萌は不倫をしていて、相手に「死ぬ前に最後に一度だけ会いたい」とやっとの思いで電話をかけるが、最後には家族を取る男に失望し、
どうせみんな死ぬんだけど、みんなより少しだけ先に逝きます。と自殺をほのめかした手紙を残し行方不明になる。
この萌ちゃんがものすごくせつなかったんだよぉ~
(最後に好きな人と過ごせる)みんなといても自分は孤独、それならひとりでいる孤独の方がマシ・・・
みんながみんな、一緒にいたい人といられるわけじゃない。
萌を救ったのは意外にも望月だった。
強盗に入った近所のオヤジ(改心した)に協力してもらい、満点の星空を作り出したり、季節はずれの雪を降らせたり…。
萌を心配して探しにやってきた住人たちも、その光景に感動する。
望月はやっぱり最後まで思いもよらぬ行動でみんなの空気(恐怖や不安)を変えるのだった。
某国でもパニックは起きている。
滅亡を阻止したい側近と、大統領とどうしても日本に行きたい愛人(娼婦)が、目的は違えど協力して方法を探し出し、自分が犯した罪の重さをひしひしと感じはじめている大統領も何とか策はないかと考え始める。
そして阻止する方法がなんとか見つかった。
でもそれは誰か一人が犠牲にならなければいけない・・・ということを意味している。
愛人・ミチルはどうせ死ぬんだから死刑囚にさせれば良いと言うが、結局最後は大統領が自ら立ち上がった。
命をかけたその方法で滅亡を阻止したことで、世界は救われたが・・・
イケイケ風のミチルは、何も考えていなさそうに見えて、実は大統領を一途に愛する、とてもしっかりした女性だったのが印象的。
そして自分に正直に生きている姿がキラキラしていた。
自分の死ぬ時間が決められている。
そんな状況になったら、私はどうするかと舞台を観ながら真剣に考えてしまった。
最後に何をしたいか、誰と会いたいか、たった24時間で何ができるんだろう…。
今回の舞台はいっぱい考えさせられたし、いっぱい泣いた
最後にはどんでん返しもありいっぱい笑わせてもらった
寒いところも数箇所あったけどね・・・
ま、ひとりひとりのキャラがわかりやすくて面白かったから良かったです。
萌ちゃんは「みんなを泣かせよう」と頑張っていたらしいです。
ほんと、良かったよ~萌ちゃん