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原子力発電の嘘~前提の前提のハテナ

2011-11-16 03:31:43 | ■とっておきの話?
先日、ちょこっとツイートしましたが、なんだかメディアの取り扱いがあまりにも小さいのと、疑問符だらけのニュースだったので今一度まとめておこうと思っています。

それは原子力発電の発電コストのこと。
11/8、原子力発電所の経済性を検証している国の原子力委員会の小委員会で今回の震災の影響・保障コストを電気代に上乗せすると1.6円/1kwhUPするというもの。


 東京電力福島第1原発事故を受け、重大な原発事故に備えるための「事故コスト」を試算している内閣府原子力委員会の専門部会は8日、被害額などの想定を見直した結果、事故コストは1キロワット時当たり少なくとも0.006~1.6円になると修正した。試算は原子力委に報告後、政府が12年夏をめどに新たなエネルギー政策を策定する際の参考資料になる。

 試算は、出力120万キロワットの新設炉が重大事故を起こす事態を想定。被害推定額と発生確率をかけ、稼働率60~80%の年間発電量で割って算定した。発生確率は最小で国際原子力機関(IAEA)の基準を満たす場合の「10万年に1回」、最大で全国の原発が延べ1500年近く稼働し、今回原子炉3基が事故を起こした国内の実績に基づいて「500年に1回」とした。

 部会は10月25日、福島第1原発事故を踏まえ被害額は3兆8878億円になるとして、コストは1キロワット時当たり0.0046円~1.2円と試算した。しかし、「原子力政策大綱」の改定作業を行っている原子力委の有識者会議で「被害の想定が不十分」などと指摘されたため、被害額を約5兆円と見積もり試算し直した。コストは今後、除染や賠償費用が拡大した場合、被害額が1兆円増えるごとに最大で同0.32円ずつ上昇する。

 政府は従来、原発の発電コストを1キロワット時当たり5~6円と試算。石炭・液化天然ガス(LNG)火力5~7円▽大規模水力8~13円▽太陽光37~46円--など他の電源と比べ最も安いと説明してきた。今回試算し直した事故コストを単純に上乗せすると、原発の発電コストは約5~7.6円となり、最大値では火力発電を上回った。ただし、政府は他の発電コストも見直す方針。【原子力委員会臨時会で報告され、正式決定後、政府のエネルギー・環境会議で発電方法別のコストを検証する際に使われる。

11/8 Yahooニュースより


これにより原子力発電が火力発電より安いという神話が崩れた事はすばらしいと思うのですが、どうもこれだけで幕引きを狙っているメディア・経産省・東京電力に対し不信がつのるばかり。。。

まず、この結果を報告した「原子力委員会の小委員会」は構成が原発推進:反原発=3:2の比率だという話。
この委員の構成を1:1にしようとした鉢呂元大臣の不透明な辞任劇もどうも納得がいきません。(辞任のきっかけとなった発言の信憑性が未だ明らかになっていない)

そして、これからは1.6円/kWh上乗せという結果だけが使われ、様々な政府方針に使われるということ。
(原発はまだ安いものとして扱われる)

根本の原発コストが疑わしいのに、ほとんどのTV局・新聞もそれ以上の検証がされていません。

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原発の発電コストに当然参入すべきだとおもうのが

  • 補償額の適正が疑わしいのに議論されない
  • そもそも立地の交付金などの費用が原発コストに参入されていない(税金から支払い)
  • 原発推進の広告。宣伝費用が費用が原発コストに参入されていない(電気代として払わされている)
  • 原発推進学者や地方自治体への補助金が原発コストに参入されていない(電気代として払わされている)
  • 確認はしてませんが、もんじゅや廃棄の為の費用なども原発コストに参入されていない
  • 夜間の不要発電分を消費する為に建設される高コストな揚力発電(30円/kWh)の費用は連結して扱うべきだと思う
  • 稼働率60~80%の前提条件も?
  • 津波対策のコストは?そもそも今回の事故は地震由来という話だが?

    など、挙げたらきりがありません。

    これらの事は注意して調べればすぐわかる事だけど、逆に気に掛けて調べないと表に出てこない情報なのだと思います。
    これらの事実を黙殺し続けるメディアのみを見ている人のほうがはるかに多くて、納得してしまっていると思うんですよね。

    なんか、正義感とも違うのですが、ただ単にきちんと情報は共有しなければならないと思いここに記しました。

    しかし、こんな疑惑だらけの試算結果を元に政府のエネルギー政策が今後決まるというのがどうしても解せないですね。
    そして石炭の発電なども現在は遥かにローコストでエコに発電できる技術があるとも聞きます。
    そういった議論こそ必要なのに・・・

    ---

    さて、今回はここで話は終わりません。

    私がこの記事の中で一番引っかかったことがあるんですが・・・

    それは原発の補償額を計算する際に

    「発生確率は最小で国際原子力機関(IAEA)の基準を満たす場合の「10万年に1回」、最大で全国の原発が延べ1500年近く稼働し、今回原子炉3基が事故を起こした国内の実績に基づいて「500年に1回」とした。」
    としていること。

    違うでしょ~!
    原発事故は絶対起きちゃ駄目なハズ!
    今回の規模の事故が500年に1度起きる前提なんて試算の対象としてありえないと思うのです。
    10万年に一度というIAEAの基準で今回の事故が起きたとするならば、原発は全て作り直さなきゃいけないだろうし、そもそも・・

    そもそも。。。

    なんだか、この試算をすることで暗に原発事故は起きるものと認めてしまっているように思うのです。
    つまり、想定外という言葉が存在するならその想定外は想定の範囲だということ。

    安全でエコで安いという謳い文句だった原発の前提条件が全て崩れていると思うのだが、まだまだ嘘をつき続けるのか?
    なんだかよくわかりません。

    私も原発の運用を直ちに全てストップできるとは思っていません。
    ただし、これらの前提条件がゆがめられ情報操作が行われているとすれば、また過ちは繰り返すだろうし、間違った道を進むのだと思います。
     
    コレまでの政府の方針を改め、高コストとなってしまった原発をどのように動かしながら国内のエネルギーをまかなっていくのか?
    本当に議論してもらいたいです。

    ---

    そういった思いは子を持つ親の共通認識だと思うんですよね。
    保障費用試算の分母500は、費用を500年継続して支払う事を意味していますが実際はもっと単年度に処理しなければならない費用だということも忘れてはいけません。

    僕らの世代で先送りにしていく事が、僕らの子供の世代に重くのしかかるのは明白です。
    健康被害だけでなく、こういったいい加減なコスト試算も僕ら親が見張って排除しなければならないと思うのです。

    年金問題もそうです。
    先送り先送り。
    受給期間の引き下げを延期したことで、子供世代の負担はどんどん増えてしまうわけです。

    本当に親として何も出来ないことが情けなくなってくる今日この頃。
    ほんと申し訳なくなってしまいますね。。。

    これから生まれる子供達にも投票権があればもっと変わるのかな~?

    ふ=====




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