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Akatsuki庵

後活(アトカツ)中!

畠山即翁の大師会茶会

2015年04月11日 07時29分00秒 | 美術館・博物館etc.
★畠山記念館 サイト
 春季展『畠山即翁の大師会茶会-井戸茶碗 信長の取り合わせ』
 【併設】益田鈍翁ゆかりの茶道具
  ※6月14日(日)まで

大師会茶会といえば、益田鈍翁さんが始めた~くらいは知っているけど、
「昔(=明治~昭和初期)のお金持ちの茶会」くらいの認識しかない。

この中で席持ちをすることが大ステータスになるんだろうなぁ、というくらいは想像できるけど、
内容は想像がつかいない。

ということで、今回の展示は

畠山即翁さんが昭和12年4月21日に音羽護国寺で開かれた大師会茶会で
初めて席持ちを担当した時の道具組が再現されている。

「ステータス」という点で、どんなに嬉しかったか。

それは当日に参会者向けに配布された会記の印刷物をそのまま表層して掛け軸として遺していることからでも
充分に伝わってくる。

(会記は畳を上がったところのケースに展示されているんだけど、
 たまたま前に先客が陣取っていたたため、後回しにして、結果おしろのケースの印刷物のお軸を先に見た)

趣向は戦国武将?(てか、織田信長)

寄付の掛け物は紹翁の書状。(内容が「天文3年に信長が~」というもの)

(金森)宗和好の桑手付煙草盆、絵唐津の火入、宝珠形の独楽煙草入。

本席は南楚師説の墨跡(送別語)。
古銅の象耳花入。←前の展覧会で展示替えのタイミングで見損ねたから、今回拝見できてヨカッタ。

会記上は「芦屋ふくべ釜」となっている天命平釜。

久以作の沢栗炉縁(室町時代)。

井戸茶碗「信長」、瀬戸茶入「滝浪」、利休作の茶杓「落雲」。

「信長」は随分と荒々しい印象。(同じ畠山所蔵の細川井戸の上品さと比較すると)


南蛮横縄建水。

といったところ。

水指は当日は木地だったようだ。


展示ケースは高取水指。塗り蓋が盛阿弥だった。

炭道具の灰器が長次郎作で、フツーサイズだった。(大きいのは畠山でも五島でも見たけどフツーのもあったんだぁ)

蓋置は利休のケラ判あり。

実際に使ったんだろうなぁ。
80年前も相当に古かったから、扱うのにも気を遣っただろうなぁ。

とか思いながら見ていた。


併設というか、両側の独立ケースは鈍翁ゆかりの道具。

自ら手びねりした黒楽茶碗「於お多福」。←かなり大野鈍阿の指導が入っているのでは?

ほかの画賛とかはそれなりに。

昭和時代のお道具は漆器は渡辺喜三郎多し。
日の丸棗、太夫棗はきれい。

豆腐茶箱。 最初は見立ての茶箱?とか思ったら、できたての豆腐を納めて現地で切り分ける~

おもしろいなぁ。


ちなみに、久しぶりに招待券や割引もない状態でフツーにチケットを買った。

700円 びっくり。値上げしたんだぁ。(以前はたしか500円だった)

ワンコインで鑑賞できなくなったのはイタイ。

今回は初日の午前中にもかかわらず館内はとても混雑していて、
しかも茶菓子を注文している方が異常に多かった。

「?」と思ったら、帰り際に謎が解けた。

昭和12年4月の大師会茶会で出された主菓子(越後屋若狭製「卯の花」)を
再現して日にちを決めて特別提供していたのだった。

たしか先着30名くらいだったような。

気づいた時点でもう30名には入れていそうになかったし、
800円とちょっとお値段張ったし、午後から茶道の稽古もあったので、パス。

一昨年の蓮根羹が大人気だったので、またあやかった?

興味ある方は5月9日(土)、6月6日(土)に行くべし。



★畠山記念館バックナンバーリスト
2015年2月→『開館50周年記念 The琳派 -極めつきの畠山コレクション』
2014年11月→『大名茶人 松平不昧の数寄―「雲州蔵帳」の名茶器―』
2014年5月→『開館50周年記念 茶道美術の玉手箱―畠山記念館名品展―』
2014年1月→『千少庵没後400年記念 利休とその系譜』
2013年8月→『涼をもとめて―畠山即翁の朝茶事』
2013年5月→『麗しの漆―蒔絵と螺鈿』
2013年1月→『春を祝う -仁清・乾山・光琳-』 
2012年11月→『利休と織部 -茶人たちの好みと見立て-』(後期)
2012年10月→『利休と織部 -茶人たちの好みと見立て-』(前期)
2012年8月→『ふしぎ発見! 茶道具と銘をめぐる物語』
2012年6月→『唐物と室町時代の美術』
2012年4月→『唐物と室町時代の美術』(前期)
2012年1月→『畠山即翁の茶会―光悦雪峯茶碗を中心に―』
2011年11月→『茶人 畠山即翁の美の世界』
2011年9月→『明代陶磁の魅力』
2011年6月→ 『国宝 離洛帖と蝶螺鈿蒔絵手箱』
2011年2月→ 『生誕250年 酒井抱一-琳派の華』
2010年11月→『織部が愛した茶碗 高麗・割高台』その2 
2010年10月→『織部が愛した茶碗 高麗・割高台』その1
2010年8月→『涼を愉しむ-書画・茶器・懐石道具-』
2010年5月→『茶の湯の美-数寄のかたちと意匠-』
2010年2月→『懐石のうつわ -向付と鉢を中心に-』
2009年10月→『戦国武将と茶の湯 -信長・秀吉ゆかりの品々-』
2009年4月→『畠山記念館名品展 季節の書画と茶道具』
2009年2月→『冬季展 日本の春-華やぎと侘び』
2008年10月→『益田鈍翁 -心づくしの茶人-』
2008年8月→『夏季展 夏のやきもの -金襴手・万暦赤絵・古赤絵・南京赤絵』
2008年4月→『細川井戸と名物茶道具』
2008年3月→『花によせる日本の心 -梅・桜・椿を中心に』
2007.12月→『茶の湯の美 -利休から宗旦へ-』後期
2007.11月→『茶の湯の美 利休から宗旦へ』前期

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2 コメント

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畠山 (ふくろう)
2015-04-11 16:59:13
いっきに値上がりしたんですね。
友の会も千円値上がりして、迷っていたら更新期間がすぎちゃって、世の中値上がりすぎですよね。
返信する
Re:畠山 (akatsukian)
2015-04-13 17:52:50
ふくろうさん

友の会もでしたかー。

あっちもこっちもU+1F61EU+1F4A5
返信する

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