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土佐レッドアイ

アカメ釣りのパイオニアクラブ

箱ワナ-3

2009-05-29 06:55:00 | 狩猟とナイフ
 箱ワナのつくり

センサー
箱ワナのセンサーのタイプは色々とありますが、私が使っているものでは感度の高いもの、強い刺激が必要なものと2つに大別できます。

このセンサーが悩ましい。


画像:中央に見える十字の鉄筋が引き金です。この横棒をイノシシが鼻でフンふんと突くと引き金が回って扉を留めていた鉄棒が引き抜かれて扉が落ちるというものです。

この画像のような仕掛けでは引き金が作動する為にはかなり力がかからないといけません。そのためイノシシが箱ワナの中に入って餌を食べていても扉が落ちていないということが度々あります。これが悔しい。めったに中に入らないのに、確実に閉じ込める方法はないものかと私は少ない知恵をしぼりに絞って考えました。

    下手の考え休むに似たり

こんな仕掛けもつくったことがあります。なんと落とし穴を掘ったのです。その穴に板で蓋をしてそのふたを踏むとセンサーが作動して扉が落ちイノシシを閉じ込めるというものでした。私の頭の中では完璧な仕掛けでした。エジソンさんでもこうはいくまい。

その仕掛けを作って1ヶ月ほど経ったある日、イノシシの足跡が箱ワナ中にずぶずぶとつけられて餌は喰い放題くったという状況が残されていましたが扉は何の反応もしていません。こ、これはいったいどうしたことだ?私の完璧な仕掛けがなぜ反応していないのだ。これは夢かもしれない。タヌキがばかしているのか。

どうしても合点がいかず、センサーである落とし穴を確認しようと醗酵した(大変匂いが強い:臭いともいいます)米糠をかきわけてのぞいてみると、なんと湿気と醗酵の熱で厚い杉板は膨張しふくれあがり木枠のなかできっちりとかっちりと締まりきっており、体重をかけて踏みつけてもびくともしないではないですか。

さて、こんどは感度を良くして少しの刺激で反応し扉がしまるようにすると、イノシシ以外の来訪者にも反応してしまいます。タヌキ、カラスなどよく来るようになりますがそれらの刺激でも扉が閉まることがあり、扉は落ちているのにもぬけのからということがよくあるのです。タヌキ対策としてはセンサーの位置をタヌキの背丈よりも高くする等対策はとれるのですが。

イノシシの場合にも欠点があります。イノシシは一族で来ることがありますが、その際、食いしん坊の一匹が先にとび込んでしまうと家族は外にいるのに一匹だけで扉が閉まるということもあるのです。箱ワナのまわりには大小の足跡が沢山あるのに中には1匹だけという場合はこうしたことが多いのではないかと想像します。強い刺激で反応する引き金の箱ワナでは一度に数匹が入っていることもあるのです。

それから、上記のように家族一同で箱ワナに近づいていて一匹だけ閉じ込めると恐ろしい目にあったその家族のイノシシは2度と箱ワナには近づかないかもしれません。イノシシは学習能力がうんと高いのです。特に危険に対する学習能力は高いと思われます。箱ワナが流行り始めた頃はびっくりするほど良く捕れていたのですが、だんだん獲物が少なくなってきたように思います。こうしたことも一因かと考えています。

完璧なしかけというものはなかなかできません。私の能力ではあるところで妥協しないと気が変になるかもという心配から、最近では感度を重視した仕掛けをもっぱら使っています。

獲物は一匹でもいいではないですか。