あるマスクを着用すると、何も着けていない時より感染リスクが増大!? 米大学研究チームの研究結果が衝撃的
公共の場でのマスク着用がすっかり当たり前になったが、日を追うごとにマスクのバリエーションが豊かになっている。 そんな中、アメリカ・ノースカロライナ州のデューク大学の研究グループが、マスクの種類ごとの感染予防効果を測った研究を8月7日に発表。その思いもよらぬ結果に驚きの声が上がった。
最も効果的だったのは「N95マスク」
この研究は、地元支援団体がマスクを必要とする地域に配布する際、購入するマスクが感染防止に有効かを調べるため、デューク大学のマークフィッシャー教授らが医学部教授らの依頼で実証したものだ。 実験で使用したのは、N95マスク、サージカルマスク、綿マスクなど14種類のマスクだ。帯状のレーザービームを照射したボックスに向けて、さまざまなマスクを着用して発話。その際の飛沫をスマホのカメラで撮影し、飛沫量を計測するというもの。 最も効果的だったのは、 医療現場などで使用されるN95マスク。また、多くの人が使用している、サージカルマスクや綿のマスクも飛沫の飛散防止に大きな効果を発揮した。
ネックゲイターは感染リスクを増大する可能性も
しかしその一方、飛沫の飛散防止に機能していないどころか、感染リスクを上げる可能性があるマスクが判明。最も飛沫の飛散を防げなかったのは、フリース製ネックゲイター。 もともとは屋外で運動をする際に、防寒や紫外線カットを目的に使用されていたアイテムだが、現在はジョギング時などにマスクの代用とされている場合が多い。 実験では、ネックゲイターを装着した状態で発話すると、口の中から飛び出した粒子が細かく分割された状態で空気中に放出された。そして結果的に空気中に漂う粒子の数が、マスクを着けていない時と比べても多くなってしまい、より感染リスクを高める可能性があるとのことだ。また、バンダナをマスク代わりに使用している場合も、ネックゲイターに次いで飛沫の粒子の数が多かった。 『CNN』によるとフィッシャー教授は、「フリースのネックゲイターを使用して測定した粒子数が、何も着用していない状態で測定した時の粒子数を上回ったことに非常に驚きました」と述べ、「私たちはマスクを着用することを強く奨励していますが、実際に効果のあるマスクを着用してもらいたい、ということは強調したいです」と語った。 とはいえ、今の季節、熱中症などのリスクを考えると、ネックゲイターのような簡易的なもので済ませる場合や、そもそもマスクを着けない、という選択肢も状況に応じて考慮しても良いかもしれない。自身がマスクを付ける場所や状況と照らし合わせ、手持ちのマスクを見直してみてはいかがだろうか。
(FINDERS)
ネックゲイターとは