18年前のこと

18年前のことは忘れない。
娘が生まれる時のこと。

産婦人科の先生に、
「もっと歩きなさい!」と言われて、
そんなに歩けと言いうなら歩いてやる！という
負けん気で歩いたJRの駅一駅分。

「片道1時間かかるとは、結構な距離だね」と思いながら、
帰りにはお腹の張りがきつくて電車で帰った。

その翌日のお昼におしるしがあって、
夜中には陣痛らしきものが始まり
（正確にはこの分は陣痛にはカウントされないらしい）
朝方入院して、赤ん坊が出てきたのは昼過ぎだった。

あの日のことは、全部覚えている。

告知なしに会陰切開されたことも。
いきみながら、気分が悪くて戻したことも。
赤ん坊は私に見せられたあと、
抱っこすることもなく保育器に入れられたことも。
その後、娘の顔を見ることもなく
どこが悪いわけでもないのに「安静にしておきましょう」って
約12時間、ベッドに横たわっていたことも。

最初の出産。

初めてづくしで、「どうしたい」なんてない。

誰かに言われるがまま、
育児書に書いている通り。

思うようにいかない授乳や寝つきの時間。

自分ばっかり世話してる気になり、
夫の気持ちも見えないいらだち。

そんな最初の子育ての始まりが
18年前。


娘には感謝している。

何にも知らない若い私を
一人の母にして、いろんな経験をさせてくれたのだから。

そして、私が今している活動は、
そんな出産と子育てがあったからこそだから。

18歳になった娘だけど、
まだまだ危なっかしくて、
一人で生きてくなんてできないでしょ?って言っちゃう。

側にいつまでもいてもいいと思うけど、
それじゃ、人生楽しくないよ。

自分の足で歩いて、
危険を体験しながら自分の道を切り開いてほしい。

18年前に私が体験したことを
今度は娘が体験するかもしれない時には

何かしらアドバイスを与えられるかもしれない。

その日が来るか来ないかは別として、
18年間の彼女の成長と
私の成長とを祝福しよう。

誕生日からはだいぶ遅れてしまったけれど一言。

Happy Birthday！
My baby.