統合失調症ライフ

闘病生活8年目にして寛解を目指すあじーのブログ

絶対安全剃刀~「凄み」の笑いを立川談志を軸に読み解く~㊤

2011-08-21 | 日記
化粧ポーチの中の安全剃刀のカバーが外れてたのに気づかずに握りしめた
お友達を持つあじーですこんにちは。

前のブログ記事の最後に「凄み」って言う言葉を使いました。
文章を書いていたらスルッとそれが出てきて、
「ああ、これ言いたかったんだな。」
ってそのまま使っちゃったんですけど、
じゃあ「凄み」のある笑いって何だ?
って考えた時、スルッて立川談志さん(以後家元)が出てきたので、
高座は行けたことないし、DVDは一つしか見たことないしと
私の情報量はないに等しいのですが、その中から家元を考えることで
「凄み」のある笑いのかけらでももらえたら思います。

私は家元の全盛期を知りません。
知ってたら大変です。年齢詐称だよ。私本当は何歳だ。
私が家元のことを、
というかお笑い全般を見始めたのは統失になってからです。
つまり八年前。
統失の症状の一つに、
無条件にどうにも死にたくなる希死念慮って言うのがあるんですけど、
それをごまかすために
お笑いのDVDや本を読み始めたのがきっかけなのです。
DVDを見たり読書をしていると、
その時だけでも自分の状況を忘れられたし、
思いっきり笑った後は、なぜだか前向きになれました。
だから統失組合の人にはお笑いをオススメします(これは余談。)。

家元は著書が多くて、私の家の近所の図書館には
その膨大な著書のうちのほんのぽっちりが収蔵してありました。
それを読んだのがはじまり。
家元が古典落語の解説をするという本でしたが(タイトルを失念。)、
その中のお話の一つが特に印象深かった。
以下簡単なあらすじ。

江戸の花火イベントの夜、
人ごみの中で武士と町人の体がぶつかりあって喧嘩がはじまる。
町人はいなせな若者で、武士に臆せず向かっていく。
花火を見ていた観衆はその若者の味方をしてたきつける。
どんどんと上がる花火の下、二人の喧嘩はエスカレートしていき、
ついに一番大きな花火がどんと上がった瞬間に、
武士は町人の首をはねる。
見事な花火と飛んだ首に向かって観衆から
「ヨッ、三国一!」
と声がかかる。

……以上です。
私はこれを、
「いきがったチンピラが自滅する話」
だと思っていたんですよ(映画の「スカーフェイス」みたいな。)。
でも、解説を読むと全然違って、

「武士の暴力性に目が行きがちだけれど、むしろそれよりも
観衆の冷酷さに重点を置くべきだろう。」

というようなことが書いてあって。
あっ!て思った。
判官びいきの観衆は、確かに若者の味方だったはずなんですよ。
でも、首をはねられた瞬間、
「ヨッ、三国一!」
と声をかける。
つまり、花火と若者の死は観衆にとって同等の娯楽であると気づけと。
そんなの今まで考えもしなかった。
というか、芸能という世界の第一線でやってきた家元だからこそ、
その考えに至れたと思って。
このおじいちゃんは凄い人なのね、追いかける価値があるって思った。



……長くなりそうなので今日はこれで失礼します。
おやすみなさいませ。