統合失調症ライフ

闘病生活8年目にして寛解を目指すあじーのブログ

文学の人

2011-08-19 | 日記
薄々みなさん気づかれていらっしゃるようですが、
私はこのブログをはじめる前に
もうちょっと規模の大きなブログを運営しておりました。
もうちょっとっていうか、
訪問者数が今の10倍くらいいる感じのブログでした。
やりがいもあって楽しかったけど、色々あって今ここにおります。
その頃のもう時効かなって話を
ちょこちょこしていきたいと思います。

大物ブロガーのAさんが突然メールをくれたのは、
ブログの運営が軌道に乗る直前でした。

「あなたのことが気に入りました。
私は基本的にメンヘラと相互リンクはしないけれど、
特別に相互リンクをしたいと思います。
仲良くしましょう?どうぞよろしく。」

という内容だったと思います。
Aさんの訪問者数は一日×人(すごい数でした!)、
ランキングも上位にいて、
私はそういう人から声をかけていただいたことが嬉しく、
どうぞよろしくお願い致します、と返事をしました。

「私、作家というか……文学作品を作る人になるの。見ていてね。」

と、言われたことを覚えています。

Aさんのブログは書籍化もしており、
「良かったら読んでみてね、書店にあるわ。」
とおっしゃったので、
当時障害年金しか収入のなかった私だけれど、
縁のできた人だからと買って読みました。
性描写がえぐく、当時の精神状態にはきつかったけれど、
縁のできた人の本だからと読み通しました。
そして、思いました。
「ディープな恋愛話って、受けがいいんだな。」

そこで私は、過去の自分の恋愛に関するトラウマと
それが癒えるまでの話を書くことにしました。
これはですねー、本当に受けた!
倍々ゲームで訪問者数が増えて、
一日2000人を超えたところで怖くなりました。
(当時の知り合いが見ていたらどうしよう?!)
と。
そんな折にAさんからメールが入りました。

『私のブログをぱくったつもりなの?!全然及びません!
私のは文学、あなたのは猿真似です!
不愉快だから止めてちょうだい!』

かなりヒステリックな口調で、怖かったのを今でも思い出せます。
へどもど弁解し、その話はあわてて止めました。
そしてブログを平常運転に戻したある日、
Aさんのその日のブログ記事を見て、あれ?と思いました。

キャラクター造形、
会話のテンポ、
文章の構成、

……全てが私の廉価版なのです。

あれー?と思いましたが言えなかったです当時の私は。
そして、Aさんのブログをきちんと読み直して気づきました。

……相互リンクが勝手に外されている。

うわー、と思った私は、一日考えて、
Aさんの本を持って図書館に行きました。
まっすぐカウンターに向かって、司書のお姉さんに言いました。

「本を寄贈したいのです。
知人の本で、捨てるのも売るのも出来ないのですけれど、
家に置きづらい本なので。」

すると、お姉さんが困ったように言いました。

「私はその本を読んでおりませんが、評判を聞いています。
寄贈された本は必ず審査会にかけられます。
品性的に、思想的に、
そしてレベル的にふさわしくないと判断された本は
収蔵されず、破棄されます。
私はその本を寄贈されない方がいいと思いますがどうされますか?」

私はきっぱりと言いました。

「かまいません、寄贈させて下さい。」

そうして寄贈するための書類に記入し、
申し訳なさそうな司書のお姉さんに本を渡して図書館を出ました。

(文学、文学って何だ。)

って、思いながら家までを歩きました。
あれから数年。
Aさんは出版界からもネットの世界からも消えてしまいました。
今頃どうしているのでしょうか。