統合失調症ライフ

闘病生活8年目にして寛解を目指すあじーのブログ

統合失調症の女が笑っていただく難しさ

2011-08-20 | 日記
乙武 洋匡さんが自分のこと「カタワ」って言ったら
笑っていただけるかもしれないけれど、
私が自分のこと「キチガイ」って言ったら
すごい微妙な空気が流れると確信していますこんにちはあじーです。

再び前にやっていたブログの話をしたいと思います。
今のブログから想像がつくかつかないか分かりませんが、
以前私が運営していたブログはほっこり系ギャグブログでした。
「統失組合集まれー!」
という気合でものすごく力を入れていました。
訪問者数も多くて、この中から今も続くお友達になった方も何人もいます。
が。
あるオフ会の時、二十歳のお嬢さんが言ったのです。
「あじーさんのブログ、うちの両親が見てます。私は見てませんけど。」
え?
「そういう人、多いみたいですよ。」
……そう、訪問者のほとんどは本人ではなく、
統失組合のご家族らしいことが分かったのです。
女にもてたいと思って音楽をはじめたのに、
男しかファンがつかないミュージシャンの気持ちがわかった気がしました。
(お笑いにもそういう人いそうですけれど。)
集客って難しい。

当時私は、統失の一番厳しい時期にいましたが、
修羅場は書かず、マイナスの感情はオブラートにくるむと決めていました。
ブラックユーモアはなし、と決めていたのです。
それは、自分のためでもあるし、
読んで下さる方の気持ちを乱さないためでもありましたが、
お若い方には物足りないというか、
「きれいごと書きやがって。」
という気持ちがあったと思います。
あと、純粋に私の笑いが古かった(苦笑)。

話は飛びますが、私はサバイバルズ(ビーグル38)の
「それはエアロスミスやないか。」
が大好きなんですけれど、あれは、
ボケ役の加藤さんが計算しつくされたボリュームとこもり具合で
モゴモゴって言って、それに対してさらに能勢さんが
「え、何を言ったのだろう?」
って想像させる計算しつくされた返しをすることでなりたっていますよね。
そして、身も蓋もないことを言うと、お二人は本当はご年配ではない。

あと、ダウンタウンが絶頂期の時やっていた
「売れなくなって年老いたダウンタウンが売り込みをする」
ネタも好きなんですけれど、
あれは、松本さんが全然面白くないベタなボケを言って、
それに浜田さんが全然鋭くないベタなツッコミを入れて(のっかって)、
二人でドヤ顔し、それに対してテレビ局の偉い人が引く(これがツッコミ)、
という3段構えになっていて、
さらにそれを本当は人気絶頂のダウンタウンがやっている、という
4段構えになっているのが面白さのキモだったと思います。
というかそういうことを松本さんが当時インタビューで答えていらした。
(ような気がします。あやふやですみません。)

またまた話は飛びますが、すごい大物の東京の芸人さん(名前を失念)が、

「タップダンスや楽器演奏など、物凄い技術を見せて、
その上で笑わせるのが昔からの笑い。
でも、最近の若いのの笑いは、ただ下品なことを言って
ゲラゲラ言わせているだけ。」

とおっしゃっていたことがあって、
そうなのかなぁ、と思っていたら、すごい大物の関西の芸人さんが、

「東京の笑いは、<自分はこれだけできますよ>って示すことで
(もしくはこの人は私よりこれだけダメですよって示すことで)生れる笑い、
大阪の笑いは、<自分はこれだけダメなんですよ>って示すことで
生れる笑いだと思います。」

っておっしゃってて、
なるほど、東京の笑い(ウィット)と関西の笑い(ユーモア)の違い
だったんだなと思ったことがあるんですよ。
で、観客は、大阪の芸人さんに対して、

<自分はこれだけダメなんですよ、って示すだけの腕がある>

って分かっててその芸に対して笑うわけじゃないですか。
つまり観客は笑わせてもらってる自分を自覚して、はじめて安心して笑える。

私は、笑っていただくのには、そういうのが必要と勝手に思っています。
それがない笑いは、すごく悲しい。
その「悲しい」をさらに味付けとして演出できるだけの
腕があればいいんですけど、悲しいかなそれがないので、
私はブラックユーモアには手を出さないと決めています。
「バリバラ」でなさっていた
アウトサイダーコメディは本当に難しいと思います。
「凄み」では人は無邪気に笑えないから。

以上。
私は一生自分のことを「キチガイ」って言いませんという話でした。